【SUV映えを探しに行こう!】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー

“SUV”というカテゴリーのなかには、いろいろな方向を目指したさまざまなモデルが勢揃いしている、という事実は皆さんも先刻ご承知かと思います。今回はそのなかで、もっともヘヴィデューティなジープ ラングラー アンリミテッドで、SUVの映える景色を求めて旅に出ました。

更新日2019/08/19

TEXT:嶋田 智之(Shimada Tomoyuki)、 PHOTO:宮越 孝政(Miyakoshi Takamasa)、
MODEL:太田 麻美(Ota Asami)
取材協力:御殿場高原 時之栖

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー

SUVというよりオフローダーという呼び方が相応しいジープ ラングラー。そのルーツを辿れば、第2次世界大戦勃発直後にアメリカ陸軍の要請から誕生した小型軍用車両の1台、ウィリス ジープに行き当たり、その流れの直系といえる位置づけで初代がデビューしたのが1987年のこと。

以来、道なき道を走破し、誰もがどこにでも行きたい場所へと辿り着くことのできるクルマの最高峰という伝統を守り続けながらモデルチェンジを重ね、JL型と呼ばれるモデルへと発展を遂げています。

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー

が、その基本的なクルマ作りの考え方は、昔から不変といっていいでしょう。ハシゴ型のフレームに車軸懸架のサスペンションというシンプルにして堅牢な構造は、まさに悪路を走るためのもの。まずその点が、モノコックフレームや独立懸架サスペンションという普通の乗用車と同じ構造の一般的なSUVとは異なります。

4WDのシステムも、いわゆる生活ヨンクと呼ばれる“転ばぬ先の杖”的なものとは一線を画する岩場や泥濘地での走行をも前提にしている仕組み。歴代ラングラーはとにかくラフロードというものに対して本格的というよりこれ以上ないほどの明らかな“本物”で、その強さ、逞しさ、唯我独尊的な存在感に多くの人達が惹き付けられてきました。

そして最新のJL型ラングラーは、ジープというブランドを、ラングラーという車種を、愛している人たちの期待をひとつも裏切ることなく、しっかり進化していたのでした。

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー

たとえば、そのルックス。誰が見てもジープにしか思えない独特のスタイリングは、パッと見では前のモデルとなにも変わっていないようにも思えます。

けれど、ランプ類はLEDとなって夜間走行時の安全性を高めていたり、ボディ各部の角を巧みに丸めて空気の流れを滑らかにすることで燃費性能や車内の静けさを高めたり、なによりボディパネルにアルミを多用して90kg以上の軽量化を図ったり、と大幅に手が入っています。

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インテリアも同じ。伝統といえるシンプルなイメージはそのままに、操作系をさらに機能的にレイアウトしなおしたり、Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応する最新のタッチパネル式モニターが備わったりもしています。新しくなっているけど、ジープとして守るべき大切なアイコンに嫌な変わり方をした部分などありません。

その新しいラングラーで、なんとおあつらえ向きに(?)ドシャ降りに見舞われるという天候の下、富士山の周辺までドライブに出掛けてきました。

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー

東京からは100km前後、リーズナブルなのに美味しい料理を楽しめるレストランもあれば足湯で癒してもらえる道の駅もあり、なによりクルマで立ち入ることが許される、原生林のなかを貫く未舗装の林道が何本かあったりします。ジープで1日を楽しむにはうってつけのコースのひとつなのです。

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー

連れ出したのは、4ドアボディのモデルのなかでもっともベーシックな、ラングラー アンリミテッド スポーツ。このJL型から採用された、2.0L直列4気筒ターボエンジン+8速ATの組み合わせを持つモデルです。

都内の一般道や高速道路で印象的だったのは、従来モデルよりも乗り心地がよくなっていること。ハシゴ型フレーム+車軸懸架というのは悪路の走破性は稼ぎ出しやすいのですが、反面、その構造上、快適な乗り心地というのを稼ぎ出しづらいのです。

けれど新しいラングラーは、独特の揺れこそ残ってはいるものの、それも含めてだいぶ優しくなりました。従来のモデルも決して耐えられないような類ではありませんでしたが、新型はだいぶ一般的なSUVのそれに近づいて、もはや乗り心地がいいといっても差し障りのないレベルです。

普通の人が街乗り用SUVとして選んでも不満を感じることはないでしょう。

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー

もうひとつ印象的だったのは、新しいエンジンとトランスミッションが生み出す走り。

2トン近い車重があるのに2.0L  4気筒で大丈夫か? と最初は懐疑的な気持ちもありましたが、いや、なんの問題もありません。考えてみたら200kW(272PS)というパワーは上級の3.6L V6の209kW(284PS)に遜色なく、それどころかトルクは3.6Lの347Nmを凌ぐ400Nm。力不足を感じたことは一度もありませんでした。

というか、吹け上がりのフィールがかなりシャープで、しかも持てる力を多段化されたトランスミッションが上手に繋いで速度を伸ばしてくれるから、“これってジープだよねぇ…?”なんて思えるほど爽快な加速を味わわせてくれるのです。

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー

けれど、もっとも気持ちの残ったのは、やはり悪路での逞しさでした。

僕たちが走った林道は、写真で見るとそれほどでもないように見えるかも知れませんが、実際には凹凸も結構なものでしたし、水たまりかと思えばそのなかはほとんど陥没してるようなものだったり、地面の硬さ・柔らかさがいきなり変化したりところどころ泥濘状態になっていたりで、普通の生活ヨンクあたりでは踏み入るのにためらいを感じるようなところも多々ありました。が、新しいラングラーは涼しい顔でクリアできちゃうのです。

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー

じつは新型ラングラー、この4WDのシステムに大きな改良が加えられています。

従来までは悪路での走破性と一般道での走らせやすさと省燃費性を両立させるために切り替え式のパートタイム4WDを採用していましたが、それがオンデマンド式のフルタイム4WDとなったのです。

つまり副変速機で4H AUTOにセットしておけば、路面状況や環境に合わせて自動的に最適な駆動力を前輪と後輪に振り分けてくれる、というわけです。

もちろん副変速機を切り替えることで従来同様のパートタイム4WDとして機能させることも可能ですから、普段はオンデマンド式4WDのシステムに任せて、激しい悪路ではパートタイム4WDの機能を使ってと、シチュエーションによって使い分けることも可能です。

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー

ちなみに副変速機は、次のようなモードを選ぶことができます。

2H=前輪には駆動を送らず、100%後輪のみに絞るモード。駆動ロスがないので燃費の面でも有効で、クルマの動きも僅かに軽快になる。乾いた路面の街乗りに適している。

4H AUTO=通常はほぼ後輪駆動で、前輪には僅かに駆動がかかって準備している状態。後輪が滑ったときには瞬時に前輪側に最大50%の駆動が伝わり、4WDとしての実力を発揮する。普段はここに固定しておけばOK。

4H PART TIME=前輪と後輪の駆動は50対50に固定。片側のタイヤが滑ったときにはESC(電子制御スタビリティコントロール)が作動して、左右輪の駆動を調整する。滑りやすい路面用。

N=駆動は完全に切断。牽引時のためのモード。

4L=駆動が前後50対50に固定され、ESCが作動し、ギア比も大幅に低められる。岩場などをジックリと進むとき、泥濘や砂に足をすくわれたときの脱出などのときに有効なモード。

どうでしょう? この副変速機の働きの幅を知るだけで、ちょっと心が躍ったりはしませんか? 僕なんぞは、なんだか“男の子”の気持ちがひょこっと顔を出したような気分になっちゃうのです。

それはそれとして、悪路における実際のクルマの動きはどうだったかといえば、あえて4H AUTOモードに固定して走ってみたところ、後輪が泥濘にさしかかって空転気味になり、その瞬間にさらに柔らかく泥濘んでいる方へと後輪から横方向に流れていくような場面が何度かありました。が、流れはじめた瞬間にはすでに前輪が駆動を開始していて、逞しく前へ前へとクルマを引っ張っていってくれます。

ドライバーがすることは、わずかにハンドルを逆側に切って車体の向きを調整するだけ。速度を上げて走る場面でもないので、ほとんど鼻歌まじりでした。

北海道の一般道と特設コースで新型ラングラーをテストしたこともあるのですが、そのときもまったく一緒。

舗装の上で雪や氷がシャーベット状になっている路面、完全な圧雪路、圧雪路のなかにところどころ凍結部が散らばるハイブリッドな路面、圧雪路の上に新雪がうっすら積もった路面、そして深さ20cmほどの新雪と、さまざまな路面状況に遭遇し、ときどき副変速機のモードを切り替えてあれこれ試してみたりはしましたが、最終的には4H AUTOに固定したまま走ることになりました。

パートタイム4WDのモードを選ぶ必要性を感じなかったのです。

僕は雪道に慣れているとはいえないドライバーなので、はじめのうちは緊張感たっぷりでしたが、ラングラーは一度も危なげな素振りを見せることなく、ひとつひとつを呆気なくクリアして、自信を持って走り回らせてくれたのです。

もちろん歩いては登れないかもと思える雪が固められてるような急坂など、4H PART TIMEモードのほうが有用な場面もありましたが、基本、4H AUTOのままで何事もないかのように、それもドライブすることを楽しめるくらいのレベルで、元気よく走れてしまったのでした。ちょっと鳩が豆鉄砲な気分です。

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー

このある種の無敵感のようなものを味わってしまうと、ワケもなくもっと刺激的な冒険に出てみたくなりますね。そして普通のSUV並みの快適さで冒険の大地まで運んでくれて、現場で待ち構えてるたいていのシチュエーションを、ラングラーはおそらく余裕綽々でクリアしてくれるのです。行けるところまで行ってみたい気持ちになりませんか?

いや、もちろん足湯は足湯でたっぷりと刺激的だったのですけどね。

 

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー■ 御殿場高原 時之栖
静岡県御殿場市神山719番地 TEL:0550-87-3700

東名高速道路 御殿場インターから約15分の場所にある「御殿場高原 時之栖」は、広大な敷地にレストラン、天然温泉、手作り工房、宿泊施設にくわえ、スポーツ施設やさまざなアクティビティまで備えるレジャーリゾート。日帰り温泉もあり、富士山を眺めながら1日中楽しめます。

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー時之栖 御殿場高原ホテル内にあるカジュアルダイニング「アルトピアノ」。ランチは、2ヶ月毎に変わるメイン料理に、焼き立てパン各種、サラダ、デザート&ドリンクのバイキングが付いて、1,500円(お一人さま)とリーズナブル。いつも多くの人で賑わっています。

 

【SUV映えを探して】 進化した本格オフローダー、ジープ ラングラー■ 道の駅 すばしり
国道138号のほか、東富士五湖道路の下り須走ICからもアクセスできる道の駅。富士山須走口五合目にいたる「ふじあざみライン」にも直結しており、富士登山や富士山観光の際にも重宝する施設です。施設2階に無料の足湯があります。

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