悪路走破性が高い!最低地上高が200mm以上の国産SUV19選
今日の自動車業界の激戦カテゴリーと言えばスポーツ多目的車のSUVですが、SUVに悪路走破性を求めるユーザーは数多く、実際各メーカーはオフロード走行を前提として4輪システムや路面に合わせて走行モードを選択できるように車両を設計しています。今回はそのような優れたシステムを持つ国産SUVを19台紹介します。
更新日2022/03/10最低地上高が高いSUVを選ぶメリット
SUVと言っても、どんなSUVでも悪路に強いわけではありません。クーペのような流麗なスタイルを持ったSUVもあれば、そもそも4WDの設定もなく、オンロードでの使用を前提としたアーバンユースのSUVもあります。
SUVに悪路走破性を求めるのであれば、4WDであるのはもちろん、それに付随する様々な機能にも注目できます。たとえば、車輪が一輪浮いてしまうほど凸凹の激しいモーグル路面では、デフロックやアクティブトラクションコントロールがあると良いですし、急な坂道の下りでは、安全に走行できるヒルディセントコントロールといった装備があると良いでしょう。
さらに、悪路走破性を高めたモデルには、カタログに「アプローチアングル」、「デパーチャーアングル」「ランプブレークオーバーアングル」の数値が記載されているはずです。これは、路面とボディとのクリアランスを示す数値となるので、悪路走破性の高さを知る目安となります。
また、サスペンションのストロークも、オンロード向きのモデルより長く取ってあるかどうかも重要です。ストロークが短ければ、大きな障害物を乗り越えるときにタイヤがすぐに浮いてしまい、簡単に駆動力を失ってしまうからです。
それに加え、オフロードでの走行性能を上げたオールテレインタイヤを装着しているモデルやまた、障害物からボディを守るアンダーガードが装備されているモデルもあります。
こうした本格的な悪路走破を目的した機能や装備のある車種では、障害物に対するクリアランスを十分取るために、最低地上高を200mm以上を確保しているモデルがほとんどです。それで、今回紹介するモデルは悪路走破性に優れたモデルとして、最低地上高200mm以上という基準で選んでみました。
現行モデル
Chapter
トヨタ ランドクルーザー
トヨタを代表する本格クロカンがランドクルーザーです。最低地上高は225mmと、兄弟分にあたるランドクルーザー プラドよりも5mm高く設計されており、あらゆる路面で優れた悪路走破性を発揮します。
また、車内に設置されたモードセレクトスイッチを切り替えることで、路面に合わせてトラクションやブレーキ性能を調整することが可能なマルチテレインセレクトも搭載されています。
さらに、切返しが必要になるようなタイトなコーナーでも小回りが効くターンアシスト機能や、スリップを感知し車両の安定性を回復させるアクティブトラクションコントロールも搭載されるなど、オフロードで活躍する装備が充実した一台となっています。
トヨタ ランドクルーザー プラド
トヨタ ランドクルーザー プラドはトヨタ ランドクルーザーの弟分に当たるSUVで、最低地上高は220mmとなっています。
道路状況に合わせてスタビライザーの効力を調整するKDSSや、前後のトルク配分を調整するトルセンLSD、リヤ電子制御サスペンションなどを装備しており、悪路での走破性だけでなく、舗装路での快適性も高いのが特徴です。
さらに、最大安定傾斜角42°、登坂能力42°という道なき道も走れる十分なスペックを備えています。
日産 エクストレイル
日産 エクストレイルはキックスと並んで日産のSUVラインナップを支えるSUVです。
最低地上高はハイブリッドモデルで200mm、ガソリンモデルで205mmで、4WDモデルには、走行状況に合わせて前後トルク配分を調整することができるインテリジェント 4×4が標準装備されています。
これにより、雪道などスリップしやすい路面でも、思い通りのコーナリングラインを実現することができ、スキーなどのレジャーでも活躍できる一台となっています。
スズキ ジムニー/ジムニーシエラ
スズキ ジムニー/ジムニー シエラはスズキを代表するSUVです。軽自動車のジムニーの最低地上高は205mmで、普通車のジムニーシエラの最低地上高は210mmとなっています。
パートタイム4WDやブレーキLSDトラクションコントロール、ラダーフレーム、そして十分に確保されたアプローチアングル、ランプブレークオーバーアングル、デパーチャーアングルによって高い走破性を備えた一台です。
マツダ CX-5
マツダのミドルサイズSUVとして、洗練された力強さを表現するのがCX-5です。最低地上高は210mmを確保します。舗装路はもちろん、荒れた路面でもしっかりと路面とのクリアランスを保ちながら、質の高い乗り心地を体感できます。
パワフルなクリーンディーゼルエンジンのSKYACTIV-Dと、直噴ガソリンエンジンのSKYACTIV-Gは、滑らかで力強い加速感と、高い静粛性を誇り、ロングドライブでも疲労しにくい乗り味が魅力です。
AWDシステムにはi-ACTIV AWDを採用し、前輪スリップ予兆検知システムを使った駆動力制御は、様々に変化する路面状況でも安定した走行性能を実現しています。
マツダ CX-8
マツダのフラッグシップSUVとして、上質なカーライフを体感できるのがCX-8です。最低地上高は200mmを確保しています。
また、タイヤの回転数やGセンサーなどの情報から前後トルク配分を最適化することで、未舗装の荒れた路面でも安定した走行が可能。
さらに、タイヤの空転を抑え、スタックを回避するオフロード・トラクション・アシストや、悪路登坂時の後退を抑制するヒル・ローンチ・アシスト(HLA)を搭載するなど、あらゆる路面状況でドライバーの意のままの走りを実現するクルマです。
3列シートSUVとして、後席の居住性を十分に確保し、2列目はベンチシートとキャプテンシートから選択できるなど、ユーザーの使い方に合わせたクルマ選びが可能です。
ドライバーも同乗者も、誰もが心地よく、気持ち良く乗ることができるラグジュアリーSUVとして、オンでもオフでも様々な使い方ができる一台となっています。
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スバル XV
スバル XVはスバルSUVのエントリーモデルです。最低地上高は200mmとなっています。
低重心で前後左右のバランスに優れるスバル独自のシンメトリカルAWDや、四輪の駆動力及びブレーキをコントロールするX-MODEが採用されていることで、悪路でも安定した走行が可能です。
スバル フォレスター
スバル フォレスターはスバルのミドルサイズSUVです。最低地上高は220mmで、スバルのSUVのなかで最も高いのが特徴です。
4WDシステムには、XVと同じくシンメトリカルAWDやX-MODEを採用。さらに、アプローチアングル、ランプブレークオーバーアングル、ディパーチャーアングルを最適化しており、悪路走破性を高めています。
スバル レガシィ アウトバック
スバル レガシィ アウトバックは、スバルのフラッグシップSUVで、最低地上高は213mmとなっています。
XVと同じようにシンメトリカルAWDやX-MODEといったシステムを採用することによって悪路走破性を高めています。
ホンダ CR-V
ホンダ CR-Vは、7名乗車も可能な広い室内空間と、iVTECを搭載したパワフルな走りが特徴のSUVです。
4WDモデルの最低地上高はハイブリッドモデルで200mm、ガソリンモデルでは210mmとなっており、高い悪路走破性も備えています。
オンロードでの静粛性や乗り心地の良さを磨き上げたCR-Vは、高速道路を使ったロングドライブでも、安定感と安心感のあるツーリングを楽しむことができます。
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トヨタ RAV4
1車種に3つの4WDシステムを用意したトヨタ RAV4は、ガソリンエンジンのアドベンチャーと、G ZパッケージにダイナミックトルクベクタリングAWDという、新しいシステムを採用。この2グレードが最低地上高200mmとなっています。
ダイナミックトルクベクタリングAWDは、これまで4WDが苦手としてきた、コーナリング性能と燃費性能を圧倒的に高めるとともに、ランドクルーザーシリーズにも搭載されるマルチテレインセレクトを装備し、さまざまな路面状況に対応できる優れた走行性能が魅力です。
オフロードからオンロードまで、あらゆるシーンにしっかりとマッチするクロスオーバーSUVです。
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三菱 RVR
三菱のコンパクトSUVであるRVRも、Mを除くグレードで、最低地上高205mmもの最低地上高を備えています。
4WDモデルには3つのドライブモードを選択できる電子制御4WDを搭載。
前後に適切な駆動力を分配する「4WDオート」、悪路やタイヤがスリップしやすい場面で強力なトラクションを発揮してくれる「4WDロック」、燃費が良い「2WD」を切り替えることで、道路状況に合わせた走りが可能な一台です。
三菱 アウトランダーPHEV
三菱 アウトランダーPHEVも、Mを除くグレードで、最低地上高200mmを確保しています。
国産PHEVで唯一7人乗りを用意しているのが特徴で、家族での移動や、部活の送り迎えなど幅広い用途に使えるのも魅力です。
駆動方式は全グレードで4WDとなっており、電子制御4WDシステムであるS-AWCを搭載。常時4輪を統合制御することで優れたハンドリングと、さまざまな路面に対応する悪路走破性を備えています。
それに加えて、道路状況に合わせた7つのドライブモードが選択可能。ワインディングでキビキビ走れる「ターマックモード」や、泥道や深い雪でスリップを抑制する「マッドモード」などあらゆるシーンに対応するモードが用意されています。
レクサス RX
高級セダンの乗り心地と快適性を兼ね備えたSUVとして、1997年にデビューし大ヒットを記録したレクサスRX。
現在販売されているのは2015年に発売された4代目で、コンセプトは「RXでありながらRXを超えていく」。洗練されたスタイリングと高級感あふれるインテリアは、およそ悪路の似合わないイメージですが、最低地上高は200mmを確保し、悪路における走破性能にも配慮されています。
プラットフォームは高い剛性を得るためにスポット溶接を増やし、構造用接着剤の使用範囲を拡大。さらにボディパネルの一部にアルミニウムを用いることで、軽量かつ高剛性を実現させています。
レクサス LX
レクサスのフラッグシップSUVに君臨するLXは、トヨタ ランドクルーザーの姉妹モデル。最低地上高は225mmも確保されています。
かつては海外向け専用モデルとして展開されてきましたが、現行型の3代目より日本でも発売をスタート。ランクル譲りの大柄なボディに、レクサスのデザインアイコンとなるスピンドルグリルが採用されています。
レクサスで初めてCUSTOMIZEモード搭載のドライブモードセレクトを採用したモデルであり、パワートレイン・シャシー・空調それぞれの制御の組み合わせを自由に選択できるほか、さまざまな状況に合わせて車高を自動制御する4-Wheel AHC&AVSも搭載。エンジンを切ると車高が自動で下がり、乗り降りも容易にしています。
販売終了モデル
三菱 パジェロ
三菱 パジェロは三菱を代表する本格クロカンで、最低地上高は225mmを誇っていました。
走行路面に合わせて使用するスーパーセレクト4WD Ⅱや、アクティブスタビリティ&トラクションコントロールを備えており、舗装路と悪路の両方で安定した走行が可能です。
トヨタ ハイラックスサーフ
1983年から2009年まで、日本国内で販売されていたハイラックスサーフは、ピックアップトラックのハイラックスをベースに誕生したモデルです。現在も海外では4Runnerとして販売が継続されています。
国内で販売されていた最終モデル(2005年7月〜)の最低地上高は、SSR-G、SSR-Xで240mmを確保します。昨今ではあまり見かけなくなった、無骨なスタイリングの本格クロカンとして、現在でも中古車市場では高い人気を誇ります。
全長も4,805mmと長く、2列シート5人乗りを設定。広々としたキャビンと、大きな荷室容量を確保しています。高い居住性が人気の要因の一つです。
走行性能にも手を抜かず、相互連携ショックアブソーバーシステムのX-REAS(SSR-G 4WDに装備)、センターデフ付きのパートタイム4WDシステムの採用、走行中でも2WDと4WDを切り替えられるA.D.D機構を備えるなど、路面状況の変化に応じた走りができるSUVとなっています。
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トヨタ FJクルーザー
2006年から2018年まで製造されていた、本格クロカンがFJクルーザーです。最低地上高は230mmを確保しています。
ラダーフレームを採用しており、プラドとシャシーを共用するなど、ランドクルーザーのクロカン性能を引き継いだ、オフロードもしっかりと走行できる一台となっています。
また、オフロード走行をメインに考えたオフロードパッケージというグレードが存在し、ビルシュタイン製モノチューブショックアブソーバーを採用するなど、悪路走行をしっかりと考えられているクルマです。
4WDシステムはトランスファーレバーで切り替えを行うことができるパートタイム4WDを採用、厚手の手袋をしていても、室内のスイッチをスムーズに操作できるよう、スイッチ、レバー類が大型になっているのも特徴的です。軍用車のような、乗用車離れしたエクステリア(外装)デザインと相まって、現在でも中古車市場では人気の高いクルマとなっています。
トヨタ ラッシュ/ダイハツ ビーゴ
2006年から2017年まで販売されていた、コンパクトSUVがラッシュ/ビーゴです。ダイハツテリオスの後継車としてビーゴが生産され、トヨタがOEM供給を受けラッシュを販売しました。最低地上高はどちらも、フルタイム4WDモデルで200mmを確保します。(FRモデルは、最低地上高180mm)
SUVの力強さや都会派のクールさを兼ね備えたエクステリアや、街中や狭い道でも運転のしやすい、最小回転半径4.9mと小回り性能の高さも魅力的です。
ビルトインラダーフレーム式モノコックボディの採用するなど、オフロード走行性能もしっかりと兼ね備えています。また、メカニカルセンターデフロック付きのフルタイム4WDを採用し、すべりやすい路面でも安定した走行ができるVSCを採用するなど、当時としては先進的な走行機能を備えました。
くわえて、車内には撥水フルファブリックシートを採用するなど、遊べるクルマとして、アウトドアレジャーでも活躍するクルマです。
今回は国産SUVで最低地上高200mm以上の車種を19台紹介しました。同じ国産SUVでも車高の高さで10-25mmほど差が出てきていることからもわかるとおり、各メーカーや車種によっても違うのです。最低地上高やそれぞれの採用システムなどを理解したうえで、購入を検討している車種を試乗・購入するようにしましょう。