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四輪操舵(4WS)ってどんな機能?4WSのSUVってあるの?

ハンドルを切ると向きを変えるタイヤは、フロントタイヤだけだと思っていませんか?最近のクルマの中には4WS(4輪操舵装置)という機構を備え、4輪すべてに切れ角を与えて、小回り性能や、走行安定性能を向上させています。今回は、この4WSが装備されたSUVについて紹介していきます。

更新日2019/02/01

そもそも4WSって何?

ホンダ プレリュード

4WS(四輪操舵装置)の歴史は古く、装置の機構としては、第二次世界大戦前から存在していました。市販車に搭載されるようになったのは、1987年に機械式4WSを搭載したホンダ プレリュードからです。1989年には、R32型のスカイラインGT-Rに電子制御式の4WSが採用され、日本車では4WSブームが起きました。

4WSには、前輪と同じ方向に後輪が動く「同位相」と、前輪と後輪が逆の舵角を与えられる「逆位相」があります。同位相は、高速走行時のレーンチェンジで発生する横滑りを防止し、方角の変化(ヨー )を抑える効果があります。逆位相では、最小回転半径を小さくし、小まわりを効かせることができます。

 

一旦消えた技術が復活

ポルシェ 911 カレラS

1980年代後半から採用された4WSは、1990年代初頭には搭載車両が減少の一途をたどっていきました。これは、当時一般的だった4WS非搭載のクルマに対して、4WSを採用したクルマの動き方が不自然だったことが理由でした。慣れ親しんだ挙動をしないクルマに違和感を覚え、レースの世界でも4WSをキャンセルする動きが多くありました。

しかし、2000年代に入ってから再度注目され始めました。それは、各カテゴリーのクルマの基準サイズが衝突安全性能の向上などの理由により年々拡大される中、走行中のクルマの安定性やコントロール性をより良くするための解決策の一つとして挙げられたのです。

見直され始めたのは2000年代に入ってからです。走行安定性の向上や、衝突安全性能の向上のために大型化してきた、サルーンやスポーツクーペモデルでは、車両の取り回し性能の向上と、走行安定性の確保が難しい状況でした。

そうしたなか、センサー技術の向上により、走行速度や縦横G、4輪のトラクションをより正確にクルマ自体が感知することができるようになり、4WSのセッティング範囲を増やすことができるようになりました。以前のような、違和感のある動きではなく、何も制御されていないと感じるほどに自然に4WSを作動させることができるようになったのです。

そのため、BMW7シリーズや、ポルシェ911、レクサスGSなどから、4WSが採用されるようになり、各社で独自の技術名称を付けるようになりました。4WSの効果は、タイヤが太いクルマ、ホイールベースが長いクルマ、ヨーイングモーメントを受けやすいクルマ(背の高いクルマ)が、より効果を得やすく、SUVにはうってつけの技術なのです。

 

4WSが採用されているSUV

そのため、セダンやスポーツクーペだけでなく、SUVの中にも4WSが採用されているクルマがあります。例えば、アウディ Q7、ランボルギーニ ウルス、ポルシェ カイエンなどが、非常に有効に4WSを採用しています。

特にカイエンの制御はよくできていて、車速とGを感じ取って、同位相と逆位相を使い分け、大げさな介入をすることなく、高速走行時に少しだけステアリングを切った際には同位相でのヨーを消し、市街地走行中に大きくステアリングを切り込むと逆位相で最小回転半径を小さくする方向へ、自然に導いてくれます。

ポルシェ カイエン 2017

4WSが作動していることもわからないほど自然で、単純にクルマの性能が高いから、このような動きをするのかとも思ってしまいます。ナチュラルな4WSはこれからも多くのクルマで採用されていくでしょう。

 

一時期は一過性の技術と思われていた4WSですが、あらゆる側面での技術力の向上により新たに注目されるようになりました。

今回はアウディのオールホイールステアリングについて記述しましたが、各メーカーにおいて考え方は様々で、いろいろな可能性を探ることができるであろう4WS。今後も進化が止まることはないでしょう。

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