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あえてFRレイアウトを採用したマツダ CX-60。FRのメリットとは?

マツダが2022年秋に販売を予定しているCX-60は、直列6気筒ディーゼルエンジンやプラグインハイブリッドなどのパワートレインを搭載し、FRベースの駆動方式を採用していることが特徴です。他社のSUVが前輪駆動(FF)や走破性能を重視した4WDを組み合わせているのに対し、CX-60がFRをベースにした理由は何なのでしょうか。 今回は、CX-60がFRベースの駆動方式を採用した理由や他社がFRベースのSUVを販売しない理由などを解説します。

更新日2022/11/01

CX-60は「人馬一体」を具現化するためにFRを採用

マツダ CX-60 2022
マツダ CX-60が、フロントエンジン+リアドライブのFR駆動を採用した第一の理由は、コンセプトの「どんな道でも、心昴るドライビングエンターテイメント」を具現化するためです。

マツダは、30年以上作り続けてきたスポーツカーであるロードスターの「人馬一体」を、SUVのCX-60でも開発の基本としています。

また、ラージ商品群のために設計された新しいプラットフォームの「SKYACTIVマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャ」は、FRレイアウトを前提に設計されたもので、今後マツダの大型モデルはFRレイアウトに移行すると考えられます。

マツダがFRレイアウトを採用する理由


マツダがFRレイアウトを積極的に採用する理由は、走る愉しさや操る楽しさをダイレクトに感じられることにあります。

フロントエンジン、フロントドライブのFFレイアウトは、駆動と操舵を前輪が受け持つため、フロントサスペンションの構造が複雑になり、一般的にステアリングインフォメーションがスポイルされハンドリング性能が落ちるといわれます。

また横置きエンジンのFFは、ドライブシャフトの長さを左右で均等にすることが困難で、トルクステアが発生しやすくなるという欠点を秘めています。近年では優れた電子制御によって、FFのトルクステアを感じることはほぼありませんが、レイアウト的には無理をしているということです。

対するFRレイアウトは、前輪は操舵だけ、後輪は駆動だけど仕事をわけることができることから、ハンドリングに優れ、走りも上質になります。

またエンジンを縦置きにすることで、エンジン、ミッションが一直線に並ぶので動力の伝達ロスが少なく、またフロント左右の重量配分も均等になります。

駆動力を後輪で路面に伝えるFRをベースにしたCX-60は、そういった数々のメリットから思いどおりのライン取り(ライントレース)を実現していることが特徴です。

開発主査である和田宜之氏は、CX-60日本プレミアにおいて、「マツダブランドの醍醐味である『走る歓び』をエンターテイメントと言えるレベルまで高めることに注力した」とスピーチしています。

このことからも、CX-60はロードスターで培ってきた人馬一体やFRの心地よさを取り入れたSUVになっているといえるでしょう。

車両価格は299万2000円〜


CX-60の車両本体価格は、2.5L直列6気筒ガソリンの25S S package(2WD)がもっとも安価な299万2000円で同じグレードの4WDが321万7500円、中間グレードのL Packageは341万5500円と364万1000円、上位グレードのExclusive Modeが384万4500円と407万円。

3.3L 直列6気筒ディーゼルは、廉価のXDが323万9500円と346万5000円、XD S packageは358万500円と380万6000円、XD L packageが400万4000円と422万9500円、XD Exclusive Modeは443万3000円と465万8500円。

3.3L 直列6気筒ディーゼルハイブリッドは、グレード構成がほかとことなり、XD-HYBRID Exclusive SportsとXD-HYBRID Exclusive Modernが505万4500円、XD-HYBRID Premium SportsとXD-HYBRID Premium Modernは547万2500円。

PHEVモデルは、PHEV S packageが539万円、PHEV Exclusive SportsとPHEV Premium Modernが584万6500円、PHEV Premium SportsとPHEV Premium Modernが626万4500円となっています。

なぜ他社のSUVがFRを採用しないのか?


他社が縦置きエンジン+リアドライブ(FR)のSUVを開発しない理由は、室内が狭くなり、部品点数が増えて車両重量が増加、ひいてはコストアップするためです。

一般的に縦置きエンジンにすると、エンジンルームが長くなります。

長いエンジンルームのクルマで室内空間を広げようとすると、ボディの全長を長くしなければなりません。逆に、ボディの長さをコンパクトにしようとすると、長いエンジンルームによって室内空間が狭くなってしまいます。

このように、エンジンルームの長さとボディの全長と室内の広さは比例するため、限られたボディサイズで室内空間を広くしようとするとFRレイアウトは不利なのです。

また、縦置きエンジンのFRの場合、駆動力を伝達するトランスミッションやドライブシャフトがフロントからリアまで通るため、車内の足元スペースを圧迫したり、車両重量が増加したりします。

いまやSUVはミニバンに代わるファミリーカーとして使われたり、キャンプやアウトドアなどアクティブなライフスタイルのパートナーとして利用されたりします。室内空間の広さを重視する場合、横置きエンジンにFFを組み合わせた方がスペース効率が良いため、縦置きエンジンFRが採用されにくいのです。

このようなことから、多くのメーカーはFFレイアウトを採用し、FRレイアウトを採用するのは一部のプレミアムブランドだけになっているのです。

縦置きエンジンFRのネガティブな要素よりも多様性を選んだCX-60

CX-60は、新開発のエンジンやトランスミッション、プラットフォームなどにより、縦置きエンジンFRのデメリットを最小限に留めています。また、さまざまなパワートレインに対応できるパッケージングにしていることが特徴です。

マツダは、CX-60から始まる「SKYACTIVマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャ(ラージ商品群)」に、直列4気筒並みのエンジン重量の直列6気筒ディーゼルエンジンや新開発のコンパクトなトルコンレス8速ATなどを組み合わせました。

これら新開発の部品などによって、CX-60はFRのデメリットである室内空間の狭さを最小限に留めています。

また、縦置きエンジンのプラットフォームにすることで、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンに対応できるだけでなく、プラグインハイブリッド(PHEV)や48Vマイルドハイブリッドといった異なる大きさのモーターやバッテリーを同じレイアウトで搭載することが可能となりました。

CX-60は、FRのネガティブな要素より、さまざまなパワートレインを搭載できる多様性を選んだ結果、縦置きエンジンFRベースのパッケージングになったといえるでしょう。

FRレイアウトは、室内空間が狭くなったり、部品点数が増えたり、車両重量が増加したりします。

しかし、CX-60は、マツダブランドの醍醐味である「走る歓び」を具現化しつつ、FRのネガティブ要素を最小限に留め、多彩なパワートレインを搭載できるパッケージングを追求した結果、縦置きエンジンFRレイアウトになったといえるでしょう。

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文・SUV FREAKS編集部

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