初代ジムニーが日本自動車殿堂「歴史遺産車」に選定

軽自動車規格の本格クロカンとして人気のジムニーは、1970年に初代モデルを発売。以来50年以上に渡って、商用から趣味用まで幅広く愛されてきました。そんな初代ジムニーが日本自動車殿堂の「歴史遺産車」に選定。初代ジムニーが「歴史遺産車」に選ばれた背景や、ジムニーの歴史について解説していきます。

更新日2022/07/29

日本自動車殿堂が選ぶ「歴史遺産車」とは

日本の自動車産業は、当初欧米の技術や産業を学ぶところからの出発ではありましたが、現在は世界の水準を凌駕するところにまで到達しており、それは多くの先人たちの努力や工夫によって切り拓いてきたものです。

ところが、こうした努力の足跡は、時間の経過とともに埋もれ、多くが忘れ去られてしまいます。

日本自動車殿堂は、そんな日本の自動車産業、学術、文化などの発展に寄与し、豊かな自動車社会の構築に貢献した人々の偉業をたたえ顕彰することで永く後世に伝承していくことを目的に活動する団体で、その理念、目的に基づいて「殿堂者」を選定しています。

2022年現在、「歴史遺産車」に選定された車両は、2輪車、4輪車合わせて30種類。そこには、スバル360やマツダ コスモスポーツ、初代トヨペット クラウンをはじめ、2輪車ではヤマハ SR400やホンダ スパーカブなどが含まれます。

日本の自動車産業に名を残す初代ジムニー


初代ジムニー誕生のきっかけは、レジャーブームが到来しようとしていた1960年代後半に、当時の鈴木修常務が「もっと軽の特長が生かせるユニークな車を」と考えたことが始まりだったようです。

ほぼ同時に、ホープ自動車が開発した軽規格の4WDモデル、ホープスターON型の製造権譲渡の話が持ち上がり、それをベースにジムニーの設計と開発が進められました。

そして1970年、頑丈なラダー(はしご型)フレームに、最高出力25PS/6,000rpm、最大トルク3.4kgm/5,000rpmを発揮する空冷2サイクル2気筒360ccエンジンと4速マニュアルミッション、副変速機を備えた本格的なパートタイム式4WDを搭載した初代ジムニーが誕生しました。

ボディには高い走破性を発揮する16インチの大径タイヤや、取り外しのできる幌などを装備し、営林署や土木建築業から“プロの道具”として高く評価されるいっぽう、手軽にアウトドアを楽しめる本格4WDモデルとして、国内で新たな市場を開拓しました。

オフロード走行は、車体が軽くてタイヤが細い方が走りやすく、ぬかるんだ道でもスタックしにくいと言えます。ジムニーは小さくて扱いやすいというだけでなく、オフロード走行の本質的な部分についても理にかなったモデルでした。山間部や積雪地の重要な交通手段として、また気軽にアウトドアに出ていける道具感は、初代からの美点です。

ジムニーの歴史

・ジープの影響が色濃い初代

北米やオーストラリアにも輸出され、その価値が世界的にも高く評価された初代は、1972年に新開発の水冷2サイクル2気筒360ccエンジン(最高出力28PS/5,500rpm、最大トルク3.8kgm/5,000rpm)に置き換えられます。

最高出力よりも中低速のトルクがアップしたこのエンジンは、登坂能力35度という粘り強さと静粛性、高い信頼性を実現させています。またフルメタルボディのジムニーバンが登場し、全天候での使い勝手を向上させています。

1976年1月には軽自動車規格が改定されたことを受けて、ジムニーは取り急ぎエンジン排気量を拡大した「ジムニー55」へ進化。2サイクル3気筒の550ccエンジンは、最高出力こそ26PSとややダウンしたものの、その発生回転数を4,500rpmとするとともに、最大トルクを5.3kgmに大幅アップ、さらに発生回転数を3,000rpmとし、クロカン向きのセッティングとなりました。

翌1977年にはボディサイズも軽自動車新規格に対応。この変更で前後輪のトレッドは100mm拡大し、全く新しい「NEWジムニー55」となりました。

2代目は角張ったデザインが特徴

1981年、ジムニーは初めてのフルモデルチェンジを実施します。前向きの後部座席を設置した4人乗り仕様で、キャンバスドア、ハーフメタルドア、フルメタルドア、バンの4タイプを用意しました。

エンジンは当初、先代モデルをそのまま引き継ぎましたが、1986年には新開発の4サイクル3気筒550ccエンジンにEPI(電子制御燃料噴射)ターボを装着し、おおきな進化を遂げました。

1990年1月には、ふたたび軽自動車規格が見直しを受けたことで、エンジン排気量が660ccに拡大されます。これを期に、ジムニーは全車にインタークーラーターボを装備した新開発のF6Aエンジンを搭載。中低速で扱いやすく、また悪路での走破性も向上しています。

1995年には、前後サスペンションをリジッドアクスルのリーフスプリングから、3リンクのコイルスプリングに変更し、オフロード性能とオンロードの走り、乗り心地ともに向上。初めて乗用車仕様を設定し、後席の快適性を大幅に向上させています。同時にエンジンは、K6Aオールアルミ製インタークーラーターボとなり、最高出力も64PS/6,000rpmという高出力を実現しています。

全モデル乗用車になった3代目

1998年にジムニーは2度目のフルモデルチェンジを実施しました。3代目は全車乗用車モデルです。ジムニー伝統のメカニズムはそのままに、モダンなデザインと乗用車としての快適性を追求しています。

2001年には、ジムニーのアイコニックなデザインをファッションとして街中などで気軽に楽しみたいというニーズに答え、2WD(後輪駆動)の「ジムニーJ2」が登場。ファッショナブルなデザインや充実した装備という個性的なジムニーでした。

現行型となる4代目ジムニーが登場したのは2018年のこと。ラダーフレーム、FRレイアウト、副変速機付きパートタイム4WDなど、ジムニー伝統のメカニズムを継承しつつ、ブレーキLSDトラクションコントロールの装備などで走破性を向上させています。また最新の安全運転支援システムや専用チューニングのエンジン搭載で動力性能と信頼性、安全性を高めました。

スズキ ジムニー 2018

半世紀にわたって日本はもとより世界中の人々に愛されてきたジムニーは、軽自動車規格の本格オフローダーとして唯一無二の存在であると言えます。軽量な車体と頑丈で信頼性の高いボディというシンプルなモデルは、これからもずっと愛されてゆくことでしょう。

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