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2018年中に新型が発表!?スズキ ジムニーってどんなクルマ?

全世界に熱狂的なファンを持つ事で知られているスズキのシンボルとも言うべきコンパクトクロカン、ジムニー。クルマ好きでなくともその名前はなんとなく聞いたことがあるはずです。

更新日2018/07/11

特別仕様車「ランドベンチャー」 2007

※画像は2007年6月モデル、特別仕様車「ランドベンチャー」 です。

 

それもそのはず、ジムニーの歴史はとっても古く、誕生は1970年まで遡り、今日まで淡々と、しかも確実にその販売台数を伸ばしてきた超ロングライフモデルなのです。

 

その裏には、類稀な悪路走破性能と、世界での確かな評価が存在します。コンパクトな車体には、頑なに守り続ける独自のメカニズムが潜んでいるのです。

 

ここでは、そんなジムニーの歴代モデルの特長をまとめていきたいと思います。

 

 

初代(1970.4~1981.4) LJ10/LJ20/SJ10

文字通り、スズキのシンボル車であるジムニーですが、ここまでのネームバリューを持ちながらも、最初に開発したのはスズキではなかった、ということはご存知でしょうか?

 

1967年、当時のホープ自動車が「ホープスター ON型 4WD」という四輪駆動車を完成させました。しかし、ホープ自動車での販売はうまく行かず、製造権譲渡を計画します。

 

しかし、最初に話を持ちかけた三菱重工業(三菱自動車工業の分離前です)では、すでにジープのライセンス生産を行っていたという事情から成立せず、鈴木自動車(スズキ)へと話が移ります。

 

話を受けた当時のスズキ東京支社長であった鈴木修(現スズキ会長)は、四輪駆動の軽自動車というコンセプトに強い関心を示し、幹部らの反対を押し切って製造権を買い取った。というのが「スズキ ジムニー」の誕生秘話です。

 

幹部らは「売れなくて撤退したクルマの製造権なんて買ってどうなるというんだ」という反対の声しかなかったものを、鈴木現会長が独断で買ったという逸話が、今やジムニーファンの間では、伝説と化しています。

 

1970年に産声を上げた初代ジムニー(LJ10型)は、ホープスター ON型をベースとしながら軽トラック キャリイの2サイクル直列2気筒エンジンと4速トランスミッションを流用するなど、可能な限り既存のパーツを使い完成されました。また商用車扱いで販売されるなど、可能な限り販売価格や維持費を抑えられました。

 

その結果、大型の四輪駆動車以上の悪路走破性能を発揮する反面、維持費が安いという「これまでにない軽自動車」という評価を得るに至り、大きな成功を収めました。

 

それから2年後の1972年、LJ20型となったジムニーでは、エンジンが同じ2サイクル2気筒ながら水冷になり、またバンモデルの追加によって雪国での販売を大きく伸ばしました。ジムニーの歴代モデルでもファンに人気がある後席向かい合わせの4人乗り使用は、この型式からになります。

 

1976年、軽自動車規格が変更され、ボディ、排気量ともに拡大されます。そのなかでジムニーは、ボディをそのままにエンジンのみ2サイクル直列3気筒の550ccへと変更したSJ10型に進化。愛称は、排気量に合わせて「ジムニー55(ゴーゴー)」とです。

 

SJ10型となった翌年のマイナーチェンジでは、燃料タンク容量を26Lから40Lに変更。航続距離が大幅に伸びています。

 

2代目(1981.5~1998.9) SJ30/JA71/JA11/JA12/JA22

 

SJ30型と型式こそSJのままですが、ジムニーがデビューして11年初のフルモデルチェンジを行い2代目になりました。

 

2代目の特長といえば、4WD性能はそのままに乗り味や使い勝手を乗用車に近づけ、初心者や女性ユーザーも意識したモデルに変更されていったという事でしょう。

 

例えば、後ろ向き着座だったリヤシートを前向きにしたり、トラックのような乗り心地だったリーフスプリングは、柔らかくなり、普通のクルマのように使用できるような仕様となったのです。

 

これが功を奏し、1981年には25,000台を超えるヒットを記録し一気にユーザーの間にジムニーブランドが浸透するきっかけとなりました。

 

1986年、型式がSJ30型からJA71型となり、エンジンは 電子制御燃料噴射装置付きのF5A 4サイクルターボにチェンジしました。5MTの採用と、4サイクルターボエンジンとの組み合わせは、高速走行に余裕を持たせる事に成功し、さらに1987年にはインタークーラー装着車が発売され、より一段とパワフルな走りが可能となります。

 

また、1989年にはジムニー史上初の特別仕様車「ワイルドウインド リミテッド」が発売。これ以降、特別仕様車が毎年のように発表されることになります。

 

1990年になると、軽自動車の規格拡大によりエンジンが660ccに拡大。型式はJA11で、すべてインタークーラ付きのF6A 4サイクルターボとなり、ボディは規格拡大に合わせ前後バンパーが大きなものとなりました。

 

1995年にはJA12型となり、サスペンションに3リンクコイルリジッド式を新採用し、オンロードでの操縦安定性と乗り心地を向上させました。前年に三菱よりパジェロミニが出て大ヒットとなった事もあり、ラインナップの中心が従来の4ナンバーから5ナンバーに変更された事も大きなポイントです。

 

また5ナンバー中心のラインナップとなったJA22型では、最新エンジンであるDOHC4バルブのオールアルミ製K6Aターボエンジンが搭載され、さらなるパワーの向上が図られました。

 

K6Aエンジンにハイギアード化されたミッションを組み合わせたことで、日常の使い勝手を向上させたJA22型に対し、本来のオフロードでの使い方を考慮して、F6Aエンジンを搭載したJA12型の4ナンバーモデルは、従来通りのギア比となっていたことが特徴です。

 

3代目(1998.10~2018.2) JB23

1998年の軽自動車の規格改正に伴い、ジムニーも3代目にフルモデルチェンジし型式がJB23となりました。

 

このモデルは20年近くも生産され、ジムニーの代名詞とも呼べるモデルにまで昇華されたと言えるでしょう。

 

ボディは、ラダーフレームやサスペンションを一新、幌やバンの4ナンバーモデルが消滅し、ワゴンタイプの5ナンバーのみ。トランスミッションは、 5速MTと4速ATになり、またフルモデルチェンジ翌年の1999年には、エアバッグとABSを全車標準装備とするなど年次改良も盛んに行われていきました。

 

2004年のマイナーチェンジでは、今までレバー式だったトランスファー切り替えが電子スイッチ式(スイッチの位置はインパネ)に変更され、MTのギア比変更とファイナルギアのATとの統一化、リヤシート格納方式の変更と、大きな変更を受けています。

 

そうして2018年、横滑り防止の装着義務化により2月をもって生産中止することが発表され、新型が出るまでの暫くの間、ジムニーがラインナップから姿を消す事になります。

 

4代目(2018.7~)JB64W

ジムニー 4代目 2018

 

2018年7月5日に、実に20年振りとなるフルモデルチェンジが行われ、ジムニーは4代目となりました。

 

グレード

グレード構成は、全部で3つあります。

ベースグレードの「XG」

上級グレードの「XL」

最上級グレードの「XC」

 

ベースグレードといえどXGにもSRSサイドエアバッグや、SRSカーテンエアバッグが標準装備されています。また自動ブレーキシステムの「スズキセーフティサポート」もXG・XLにメーカーオプションの設定という事で、今回のジムニーは特に安全装備に力を入れてきた事がよく分かります。

 

XLは、XGに比べてフルオートエアコンやフォグランプ、キーレスプッシュスタートシステム等豪華装備が一気に増える印象です。また、UVカット効果があり、プライバシーを確保できる、スモークガラスもXLから装備されます。街乗りで使用する女性は、このXLから上のグレードが現実的になりそうですね。

 

そしてXCはこれらにLEDヘッドランプや16インチアルミホイール、本革ステアリング、クルーズコントロール、スズキセーフティサポートが標準装備となります。今までのジムニーの特別仕様車のような装備内容と言えるでしょう。

 

悪路走破性能

ジムニーのフルモデルチェンジという事で、やはり気になるのはその走行性能・悪路走破性能でしょう。

4代目のジムニーは、主要なメカニズムが継承されていれるという事で、「ラダーフレーム構造」や「エンジン縦置きFRレイアウト」「パートタイム4WD」「リジッドサスペンション」というジムニー伝統のメカニズムは変わっていません。

 

簡単に説明しますと、例えばラダーフレーム。これは、はしご形フレームにエンジンやトランスミッション等の主要なメカをマウントし、その上にボディを重ねる構造の事で、現在主流のモノコック構造とは一線を画する造りです。

 

これにより、ボディを損傷しても中身のフレームが無事である限り走行への影響を限りなく少なくする事ができる為、過酷な環境からでも生還できるクルマの条件の1つと言えるでしょう。逆にモノコックではボディの損傷が全体に影響を及ぼし、走行にも支障を来す事となり、最悪行動不能に陥ります。

 

エンジン縦置きFRレイアウトは、悪路を乗り越える際のアングルを確保するため、パートタイム4WDは一部タイヤが空転するような場所での脱出性能を確保するため、リジッドサスペンションは凹凸の酷い道でもボディ下のクリアランスを確保し、ヒットを防ぐための機能です。

 

上記のメカニズムは全て、過酷な悪路を走破する為に必要不可欠な構造・装備であり、これらを順当に継承する事で、今回の新型ジムニーも本格オフローダーとして造られたものであるという事がよく見て取れます。

 

 

コンパクトなボディながら、本格的な4WD性能を持つ個性的なクルマとして世界に受け入れられてきた、ジムニーの2017年12月末までの世界累計販売台数は284万台。これは、時代を超えても色褪せない本物が持つ魅力を、ジムニーが持ち続けてきた証と言えるでしょう。