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マセラティ初のSUV、レヴァンテってどんなクルマ?

プレミアムSUV市場には、SUVブームの火付け役となったポルシェ カイエンを筆頭に今ではランボルギーニからウルス、ベントレーからベンテイガ等、高級車メーカーもSUVの流れを無視できず多くのライバルがひしめく市場となっています。そんな中、100年以上の歴史を誇るイタリアのスポーツカーメーカー マセラティが販売するSUVレヴァンテがどんな車なのか詳しく見ていきましょう。 ※2018年9月時点に日本で販売されているモデルについて解説しています。

更新日2020/05/26

マセラティ レヴァンテってどんなクルマ?

マセラティ レヴァンテ 2019

マセラティ レヴァンテは2016年のジュネーヴモーターショーで華々しくデビューを飾りました。「レヴァンテ」という名称は、これまでの風をモチーフとしてきたマセラティのネーミングルールに法って「地中海の暖かな風」から命名されています。

この地中海の風は普段は暖かい穏やかなものの瞬時に強風に変化することでも有名で、その特性からも日常の使い勝手とスポーツカーとしての性能を両立したレヴァンテにぴったりです。まったくのブランニューモデルとなるレヴァンテのプラットフォームは、4ドアセダンの「ギブリ(サハラ砂漠の熱風)」をベースに開発されました。

 

エクステリアの特長

マセラティ レヴァンテ 2019

レヴァンテのエクステリア最大の特徴となっているのが、何と言ってもフロントマスクでしょう。マセラティ100周年を記念して発表された創始者の名を冠したコンセプトモデル「アルフィエーリ」に共通する意匠を取り込んでいます。

また、格子状のグリルやそこに燦然と輝くネプチューンのトライデント、フロントフェンダーの3連ダクトなど伝統的モチーフが随所に織り込まれており、一目でマセラティだとわかります。

他のSUVではエッジを強調した男性的デザインで力強さをアピールする風潮も流行していますが、レヴァンテはその真逆のデザインです。美しいクーペを思わせる流麗なデザインで、空力性能もCD値(空気抵抗係数)0.31を達成しており、まさにデザインも一つの性能と言うわけです。

 

インテリアの特長

※画像はレヴァンテGTS

インテリアに関しては近年のマセラティの流儀に沿ったもので、使いやすくモダンでスッキリしながらもエレガントさを失わないレベルに仕立てられています。以前のマセラティを知る身としては少々物足りなさを感じるもののこの当たりは好みの問題と割り切ることもできるでしょう。

スポーティなグランスポーツと、高級感を強調したグランルッソの2タイプから選択可能で、それぞれシートやステアリングなど運転する上で重要となる部分の形状や素材が変更されます。

 

パワートレイン

パワートレインは、発売当初から用意されていた3.0リッターV型6気筒ツインターボ・ガソリンエンジン(最高出力350psと430ps)と3.0リッターV型6気筒ターボディーゼルエンジン(最高出力275ps)が用意されていました。

また、2018年に8月19日に日本で初披露されたレヴァンテGTSには3.8リッターV8ツインターボが搭載されます。このV8エンジンはマセラティ史上もっともパワフルなエンジンの一つ数えられ、最高出力550ps/6,200rpm、最大トルク730Nm/2,500〜5,000rpmを発生します。ZF製8速ATと組み合わせた結果、0〜100km/h加速4.2秒、最高速度292km/hを誇ります。

 

サスペション&足回り

サスペンションは、フロントがダブル・ウィッシュボーン式、リアはマルチリンク式となっています。また、マセラティ自慢のアクティブ・エア・サスペンションとスカイフックシステムを組み合わせることで、車高と減衰力が常に最適に制御されています。

また、150ミリ秒のインターバルで常に路面状況をモニタリング、それに合わせて電子制御デファレンシャルを制御し、最大で全トルクの90%までリアアクスルに配分します。これにより舗装路だけでなく、オフロードにおいても高い走破性を発揮します。

 

グレード&新車価格

レヴァンテのグレード構成は以下の4タイプとなります。

■レヴァンテ

車両本体価格:10,908,000円

3.0リッターV型6気筒ツインターボ・ガソリンエンジン搭載。最高出力350ps/5,750rpm、最大トルク500Nm/4,500〜5,000rpmを発揮。

■レヴァンテS

車両本体価格:12,918,000円

レヴァンテと同じエンジンながらも制御の最適化により最高出力430ps/5,750rpm、最大トルク580Nm/4,500〜5,000rpmを発揮。

■レヴァンテ ディーゼル

車両本体価格:9,867,000円

3.0リッターV型6気筒ターボディーゼルエンジン、最高出力275ps/4,000rpm、最大トルク600Nm/2,000rpmを発揮。

■レヴァンテGTS

車両本体価格:未発表

3.8リッターV型8気筒ツインターボエンジン、最高出力550ps/6,200rpm、最大トルク730Nm/2,500〜5,000rpm

 

当初は、100年以上の歴史と伝統を誇るマセラティまでもがSUVを開発することに懐疑的でした。そして、レヴァンテは本当にマセラティなのだろうかと疑いました。レヴァンテはもちろんこれまでのマセラティのどのモデルにも似ていません。しかし、形や大きさこそ違えど細部の作りこみや搭載される性能・機能は紛れもなくマセラティです。

スタイリッシュで前衛的なデザインや実用性と高い性能の両立、取捨選択の上、洗練された装備、それらをまとめるコンセプトや実現する情熱こそがマセラティをマセラティたらしめているものなのではないでしょうか。

価格・性能・デザインが高次元でバランスされているレヴァンテは、よりスポーティなSUVをお求めの方には十分選択肢になり得ると言えます。

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