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ポップアップルーフを搭載していた国産車3選
アウトドアやレジャーで大活躍するポップアップルーフ。限られた車内に、屋根裏部屋が現れるという便利な装備です。最近は、カスタムで後付けするのが一般的ですが、かつてはメーカー純正として搭載していた車種もありました。そこで今回は、ポップアップルーフを搭載していた国産車を3車種紹介します。
更新日2019/07/19ポップアップルーフってどんな装備?
ポップアップルーフは、ミニバンやワンボックスカーのルーフの一部を可動できるようにして、周囲をテント素材などで囲うことで、車両の屋根裏に小部屋を設けるシステムです。
ルーフは使用するときのみ開き、それ以外の場合は閉じてコンパクトに収納できるのが、最大のメリットでしょう。
開き方は大きくわけて2種類で、ルーフの前後どちらかだけを引き上げ可能とし、三角形の空間を作るタイプと、前後ともに上昇して立方体の部屋ができるエレベータータイプがあります。ポップアップしたルーフのなかは、思いのほか広々としており、車中泊程度なら快適に過ごせます。
ルーフ部分はFRP(強化樹脂)、収納される側面部分は、テント生地やウレタンフォームなどで出来ているのが一般的です。
それほど便利なポップアップルーフですが、周囲を覆う素材が布やウレタンフォームなので夏は断熱が悪く、冬は外気の影響を受けやすいことや遮音性が悪いこと、室内の天井の一部から出入りしなければならないこと、さらに雨に濡れたら乾かすなどのメンテナンスが必要になること、といったいくつかのデメリットがあります。
そんなことから、メーカー純正のポップアップルーフは淘汰されていったと想像できます。
しかし、車中泊の際に車内スペースを手軽に拡大できる装備として重宝することも事実。以下に、かつてポップアップルーフが搭載されていた国産車を3車種紹介していきます。
マツダ ボンゴ フレンディ
ボンゴ フレンディは1995年に登場したワンボックスカーで、ボンゴワゴンの後継モデルです。メーカー純正でオートフリートップという装備が設定されていました。
ボンゴワゴンはもともと車内が広く、居住性は抜群でしたが、オートフリートップを装着することで、アウトドアでの利便性がさらに向上。荷物が多くなりがちなレジャーシーンや車中泊でも大いに活躍するモデルとして、一定の人気を得ることに成功しました。
オートフリートップのなかには、大人2人が就寝可能な広さを確保。ルーフの固定式サンルーフは、明かり取り窓として活躍します。また、ディーラーオプションには、オートフリートップ用マットが用意されているなど装備も充実していました。
またフリートップを格納すれば、ルーフ高は標準よりも若干高い程度で、全高の高さを意識することなく運転できました。
ホンダ ステップワゴン フィールドデッキ
人気のミニバン、ホンダ ステップワゴンにも、かつてポップアップルーフを搭載したモデルが用意されていました。フィールドデッキと呼ばれ装備が設定されていたのは初代モデルで、1998年に登場しました。
ポップアップルーフには、大人2人が就寝できるスペースを確保しつつ、ルーフ格納時の全高を1,955mm(4WDは、1,970mm)に抑え、大型立体駐車場が利用できるように配慮されていました。
ポップアップ部分の生地は、防水性に優れたウェットスーツと同じ素材。内部への昇降口を前後に2か所設けることで、1人が就寝中でももう1人の昇降を可能にするなど、ホンダらしい配慮がなされていたのも特長です。
ほかにも、正面と両サイドに虫よけネット付き窓がある3面採光となっており、明るさと通気性が確保されていました。
ホンダ オデッセイ フィールドデッキ
ホンダの上級ミニバンとなるオデッセイにも、フィールドデッキが用意されていました。初登場は、ステップワゴンよりも早い1996年。
こちらも2人分の就寝スペースを確保。キャンプや釣り、マリンスポーツなどアウトドア好きの行動範囲を広げ、オデッセイの楽しさや使い勝手を拡大しました。
初代オデッセイは、もともと低ルーフのミニバンだったため、テント部収納時は全高1,830mm(4WD)と大型立体駐車場に余裕で収まるサイズとなっていました。
その他の特長は、前述したステップワゴン フィールドデッキと同等ですが、上級装備として、夜間に便利な専用車内灯などがありました。
ポップアップルーフは、簡単な操作で多人数の車中泊を楽しめる便利な装備です。アウトドアによく出かける方にとっては、テントを張る手間が省けることもメリットといえるでしょう。
2018年12月現在、メーカー純正でポップアップルーフを装備する国産車は皆無ですが、特別仕様車や限定車として用意して欲しいモデルです。