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1990年代に人気を博したRV5選

現在人気のSUVモデル。その呼称が根付く前は、RVモデルなんていわれていましたよね。バブルの時期を中心に、各メーカーから様々なRVモデル達が販売されていたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。今回はそんなかつてのRVモデル達を振り返ってみましょう。

更新日2019/01/16

RVってどんなクルマ?

近年、SUVモデルという呼称が定着していますが、これは「Sport Utility Vehicle=スポーツ用多目的車」という意味になっており、いわば乗用車と変わらない走行性能を持ちながら、様々な路面・用途に対応したモデル…というような位置づけになっています。

さて、かつてよく使われていたRVモデル…というのは「Recreational Vehicle」の略。レクリエーションビークル、つまり余暇にレジャーなどを活発に楽しむためのモデルという訳になります。ここ日本においては、クロカン仕様など、ハードな局面での走行が可能なモデルというようなイメージでスタートしていたと記憶しています。

また既存モデルにルーフやグリルガードを装備させ、アウトドア、キャンプといったアクティビティに対応するモデルとして販売された仕様にもRVというワードが添えられていきました。

こうして考えると、現在のSUVの定義とは少々異なる点もありますね。

さて、時代を彩ったRVモデルをチェックしていきましょう。

 

RVの草分け的存在、いすゞ ビッグホーン

初代ビックホーン

1981年、世のRVブームに先立ち、いち早くマーケットに投入されたのが、いすゞ ビッグホーンです。ピックアップトラックがベースとなっており、日本におけるRVモデルの草分けとなりました。

しかし、初代モデルは各種装備が貧しかったので、トヨタ ハイラックス サーフ、三菱 パジェロなど他社の後発モデルに遅れを取ってしまいました。

初代モデルは、何度か改良されており、1984年に5ナンバーワゴンを追加。翌1985年には、全車OD付き5速ミッションの採用。1987年にはフロントフェイスのデザイン変更、サスペンションの大幅改良などが行われています。

またビッグホーンは、海外のチューニングメーカーに開発を依頼した特別仕様をラインナップしていたことも特徴で、1987年には、ドイツのイルムシャー社との共同開発により、最高出力110psを誇る直噴ディーゼルエンジンを搭載したスポーツ仕様。1988年には、超ワイドタイヤやオーバーフェンダー、ブラッドレイ社製アルミホイールを装備した、イルムシャーR。
さらに1990年には、イギリスのグループロータスパブリック社のサスペンションチューニングによって、おもにオンロードでの操縦安定性と乗り心地を向上させた、スペシャルエディション・バイ・ロータスが発売されました。

2代目ビックホーン

2代目は1991年に発表。3ナンバーになりボディが拡大したほか、新開発された最高出力200psの3.2L V6DOHCガソリンエンジン、最高出力125psの3.1L ターボディーゼルエンジンが搭載されました。

RVブームに乗って販売を伸ばすことになる2代目は、1991年にデビューします。
3ナンバー専用のボディに、搭載エンジンは最高出力200psの3.2L V6ガソリンエンジンと、最高出力125psの3.1Lターボディーゼルを用意。サスペンションをはじめ、エクステリア、インテリアも一新され、乗り心地、操縦安定性などを向上させていました。

結果、92~93年度の日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員会特別賞を受賞。また1994年のパリ・ダカールラリーでクラス優勝をはたすなど、いすゞの栄光の時代を彩りました。

2代目は1998年にフェイスリフトを実施。ディーゼルエンジンをコモンレール式にするとともに、ガソリンエンジンは排気量をアップしました。
しかし残念ながら、2002年にいすゞの乗用車事業からの完全撤退により販売が終了。多く方々の記憶に残るモデルとなっています。

 

パリ・ダカールラリーで活躍した、三菱 パジェロ

初代パジェロ キャンバストップ-2

日本におけるRVブームを牽引した、三菱 パジェロは1982年にデビューしました。ベースとなったのは同社のピックアップトラック、フォルテでした

発売時には、ショートボディにキャンバストップ仕様とメタルトップ仕様の2種類だったボディは、翌1983年に5ナンバーのワゴンと、3列シートロングボディのエステートを追加。1985年には、ハイルーフであったエステートのルーフを低く抑えたミッドルーフ(ワゴン/バン)が登場し、その後ミッドルーフワゴンがパジェロシリーズの中心となります。

エンジンは、当初2.3Lのディーゼルとディーゼルターボ、2.0Lの直4ガソリンというラインナップでしたが、マイナーチェンジで2.0Lガソリンターボが追加され、後期ではディーゼルの排気量が2.5Lにアップされました。

のちにパジェロの代名詞になるパリ・ダカールラリーへの初挑戦は1983年で、市販車無改造クラスで優勝。翌年には、市販車改造クラス優勝、さらに翌年にはプロトタイプクラスで初優勝と、着実な進化を遂げました。

2代目パジェロ SUPER_EXCEED 1991

1991年には2代目が登場。初期のエンジンは、3.0L V6ガソリンと、2.5Lディーゼルターボおよびインタークーラー付きターボで、後に、3.5L V6ガソリンと2.8Lディーゼルターボが追加されます。

ボディはショートとロングが用意され、それぞれのミッドルーフとメタルトップにはワイドボディも設定。世界初のスーパーセレクト4WDやマルチモードABSなど、動力性能が高められていました。

パリ・ダカールラリーへの参戦も継続され、1997年にはレギュレーション変更によって必要になったホモロゲーションモデルが、パジェロ エボリューションとして2,500台限定で発売されました。

2代目の大ヒットを受けて、三菱自動車は、軽自動車規格のパジェロミニと、1.1Lエンジンのパジェロジュニアを発売しました。

3代目パジェロは1999年に登場。ラダーフレーム・ビルトイン・モノコックボディと4輪独立懸架サスペンションにより、オン/オフの両方のドライビング品質が高められました。

4代目は2006年に登場。毎年のように改良が行われ、現在も販売されています。

 

 

RV版ハイラックス、トヨタ ハイラックスサーフ

ピックアップトラックのハイラックスにFRP製キャノピーを被せ、1984年に発売されたモデルが、ハイラックスサーフです。

1989年に2代目がデビュー。4ドアモデルが用意され、ボディもトラックの荷台にキャノピーを乗せたスタイルから、一般的なワゴンスタイルとなり、使いやすくなりました。

エンジンは、2.0Lガソリン、2.4Lディーゼルターボ、2.8Lディーゼル(バン専用)の3つで、1993年に3.0Lディーゼルターボが追加されました。足回りには、走行中でも2輪駆動と4輪駆動を切り替えられるADD(オートマチックディスコネクティングディファレンシャル)が全車に採用されたことがトピックです。

ハイラックス サーフ 2000

3代目は1995年に登場。エンジンは、3.4L V6 DOHCガソリン、2.7Lガソリン、3.0L ディーゼルターボの3つ。10・15モード燃費は、3.4L V6が7.7km/L(ECT)、2.7Lガソリンが9.1km/L(5MT)/8.5km/L(ECT)と、当時のクラストップの低燃費を実現。駆動方式は、パートタイム4WDに、フルタイム4WD走行が可能な4モードパートタイム4WDが用意されていました。

2002年に登場した4代目は、2009年に国内販売を終了。海外では、販売が続けられていましたが、日本国内では2018年まで販売が途絶えていました。

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レクサス LXの礎となった、トヨタ ランドクルーザー80系

ランドクルーザー80系

1989年にデビューした80系は、乗用車としての魅力を高めたモデルで、内外装の質感向上と装備の充実が図られています。現在のSUVモデルに近いコンセプトであったといえるでしょう。日本国内では、8人乗りのワゴンと5人乗りのバンが用意されていました。

ボディはラダーフレーム構造で、バックドアには観音開きと、上下分割のものが用意されているなど、オフローダーらしさも備えています。

エンジンは、4.0Lガソリンと、4.2Lのディーゼルおよびディーゼルターボの3つで、1992年のマイナーチェンジでガソリンエンジンが4.5L 直6に変更されました。

この80系は、フロントグリル、ヘッドライト、フロントバンパー、アルミホイールを専用のデザインとし、本革シートや木目パネルといった豪奢な装備を奢り、レクサス初のSUV、LX450として北米を中心に販売されました。

80系は1997年まで生産され、1998年には100系にバトンタッチをしますが、その走破性の高さから現在でも評価の高いモデルとなっています。

 

2019年に新型が発売!トヨタ RAV4

これまで紹介してきたRVモデルは、いずれもラダーフレーム構造の、悪路走行に重きを置いたモデルばかりで、コンパクトサイズのスズキ エスクードやダイハツ ロッキーなども同様でした。
そんな状況のなか、1994年にデビューしたトヨタ RAV4は、乗用車のモノコックをベースに開発され、RVの設計に一石を投じることになります。

全長3.695mm×全幅1,695mm×全高1,655mmというコンパクトサイズに、キュートなフォルムとボディ下部を樹脂パーツとした得意なデザイン、さらにSUV特有の見切りの良い着座位置などによって、女性ユーザーにも支持され、フォロワーが多く生まれることになりました。

当初、2ドアモデルのみだったRAV4ですが、1995年にホイールベースを延長した5ドアモデルが追加されています。

2000年には2代目が登場。初代の室内空間が狭いという弱点を克服するため、ボディサイズを拡大し、全車3ナンバーとなりました。

RAV4 2005

2005年には3代目がデビューし、2016年まで販売。ただし、北米では2013年にモデルチェンジが行われており4代目が発売。2018年11月には、北米で5代目が発売されています。

この5代目RAV4は、2019年春に日本でも販売開始される予定。5代目は、C-HRの上位モデルという位置づけとなりそう。こちらも楽しみですね。

 

90年代初頭はバブル期でもあり、各社かなり意欲的なモデルをリリースしていました。ランクルの高級志向、乗用車のモノコックを利用したRAV4など、現在の世界的流行は、ここから始まったのかもしれませんね。

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