【SUVだからこその絶景】スノーシューとC-HR 4WDの意外な共通点

国内のSUVカテゴリーでもっとも売れているトヨタ C-HRの4WD モデルを使って、冬のアウトドアアクティビティを体験するため、奥日光を目指しました。そこで見つけたのは、スノーシューと4WD の意外な共通点でした。

更新日2019/08/19

TEXT:嶋田智之(Shimada Tomoyuki)、 PHOTO:山田真人(Yamada Makoto)
MODEL:杉原あやの(Sugihara Ayano)

C-HR 4WD

いまどきはスタッドレスタイヤも素晴らしく進化していますし、滑りやすい路面でしっかりとタイヤをグリップさせるための、クルマそのものに備わる電子制御系の技術の水準も、ものすごく高レベル。なので慎重さを失わない限りは、4WDでなくとも無理なく雪道へ足を踏み入れることができる、というのは確かです。

けれど、2つよりも4つのタイヤで路面に動力を伝えることのできる4WDのほうが走破性に優れるのは、いうまでもありません。

C-HR 4WD

前回は普段使いに便利なボディサイズで、年齢を問わず幅広く人気の高い日産 ジュークのFWD(前輪駆動)でスノーボードのコースを目指しましたが、今回はコンパクトSUVカテゴリーのなかでジューク同様の人気を誇る、トヨタC-HR、それも4WDモデルをチョイスしてみました。

C-HRは2016年の年末に販売が開始された、じつにデザインコンシャスなモデルです。そのシルエットは背が高いことを除けば、まるでスポーツクーペのよう。スピード感のあるフォルムと、彫刻的な面構成を持つ個性派です。

全長4,365mm、全幅1,795mm、全高1,565mmというサイズは、ライバルといえるジュークよりほんのわずか大きいのですが、それでも充分にコンパクトといえる数値です。

C-HR 4WD

そのスタイリングからも予想できることですが、一般的なSUVに較べるとリアシートやラゲッジスペースは、やや小ぶりなしつらえとなっています。

リアシートで大柄な人がのびのびと過ごすのは厳しそうですし、通常時で318Lという荷室容量は日常的にはまず問題はないでしょうけど、休日に道具を使ったアクティヴィティを楽しもうとするときには工夫が必要になるかも知れません。

とはいえ、つねにフル乗車で荷物も満載という使い方と照らし合わせてこのクルマを選ぶ人はいないでしょう。つまり事実上は問題らしい問題にはならない、ということです。

今回はウインタースポーツシーズンまんまんなかということで、カップルでスノーシューを楽しみに行く想定。

もちろんクルマにとって相応しい使い方の範疇ですし、実用上のウイークポイントになるようなものはなにも見つけることはできませんでした。

目指したのは、奥日光エリアの雪山/雪原です。

C-HR 4WD

C-HRの4WDモデルのエンジンは、最高出力85kW(116ps)、最大トルク185Nmをそれぞれ発生する1.2Lターボ。数値を見る限りではあまり期待感は沸いてこないのですが、じつは1500rpmから4000rpmまで最大トルクを発揮し続け、そこから上の回転域ではいつのまにかまっすぐに伸びてきていたパワーが受け持つという性格。これ、最近のスポーツエンジンにも多いタイプの性格づけなのです。

その美味しいところを、巧みにCVTが選んで使わせてくれる感じ。またCVTは、シーケンシャル操作で自分の意志に忠実に変速していくことも可能です。だから、雪原を目指すルート上にある長いワインディングロードが、思いのほか楽しかったのでした。

C-HR 4WD

もっともC-HRの場合には、考えてみたら基本構造からしてスポーティな走りに適しています。TNGAによるトヨタの軽量高剛性なプラットフォームを採用し、サスペンションも車体やクラスを考えたら充分以上に余裕のある設計がなされています。

そのうえ開発段階でニュルブルクリンク24時間レースに出場してデータ取りをしたり、ヨーロッパの道を走り込んだりするなど、スポーツカーのような開発プロセスを経て生み出されているのです。

曲がることを“こなす”のではなく“楽しめる”という、SUVにしては珍しいシャシーを持っているのです。素晴らしく軽快なフットワークを見せてくれ、かなりスポーティな走りを味わうことができました。

そして車体がしっかりしているので、サスペンションもしっかり役目をはたせる=乗り心地に粗さがない、という方程式も成立していました。

往きのワインディングロードに差し掛かった状態で、かなりの好印象。日頃は雪道などに縁のない人にとっては、この点がもっとも大切なのかも知れません。

C-HR 4WD

4WDシステムは、前輪駆動ベースのいわゆるアクティブオンデマンド式。通常は駆動力が前輪100%で、必要が生じたときには最大で前輪50対後輪50までの間で可変する、というかたちです。

このシステムは“ダイナミックトルクコントロール4WD”と名付けられていて、コーナーを曲がっているときにはステアリングを操作している角度の深さからドライバーが目指している走行ラインを計算し、クルマの動きに応じて後輪に駆動を送って安定した状態でコーナーをクリアできるようアシストしてくれる、という芸の細かさを見せてくれます。

その制御は、思いのほか細かく介入しています。というのは、体感からではなく、4WDの作動状況をメーター内に表示できるモードによって、そのときに前輪と後輪にどれくらい駆動力が配分されてるのかを知ることができからでした。

C-HR 4WD

というところからも、勘のいい方はお察しになっておられるかも知れません。そうなのです。C-HRの4WD、雪道の上であってもその表示をチラチラとチェックできるほど、余裕で走れてしまいます。

というか、チェックしないと駆動の推移が判らないぐらい、そのときのフィールが自然だったりもします。一般道なので常識的といえる範疇を超えるドライビングを試みたりはしていませんが、その領域では雪道の上でも軽快に、楽しいと感じられるフィールをつねに与えてくれました。

C-HR 4WD

そうして難なく辿り着いた、真っ白な雪の世界。スノーシューというのは、そうした雪原や雪山を気持ちよく歩き回るアクティヴィティです。

時代は移り変われど、雪の世界は何億年も前から地球上に存在したひとつの美しい原風景。音という音をそっと吸収してくれる、静寂に満ちた世界。スノーシューは“かんじき”の発展形で、雪上に接する部分の面積を広くすることで荷重を分散して沈み込みを防ぐとともに、裏側に備わるツメやエッジでしっかりと雪面を捉えることができるので、雪原や雪山を楽に安定した状態で歩くことができるのです。

C-HR 4WD

この日、雪靴を履きながらも、ときとして膝までズブリと埋まったり脚をとられて転んだりするカメラマンや僕を尻目に、モデルのあやのちゃんはスイスイと楽しそうに歩き回っていました。そのままあっさりと雪山を登っていっちゃうんじゃないか、というほどの勢いで……。

なにかに似てませんか?そう、スタッドレスを履いていても、カメラマンと僕がコンパクトハッチの2WDだとしたら、あやのちゃんはSUVの4WD。雪道も歩くことぐらいはできる靴とスノーシュー、2WDと4WDには、そのくらい大きな違いがあるのです。

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