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BMWのハイパフォーマンスSUV X3M、X4Mに搭載されたエンジンは3Dプリンター技術を採用!
2019年にMのラインナップに加わった、X3MとX4Mという2つのモデル。BMW M社が「サーキット走行を想定し開発した」とアナウンスしたことでも話題になりました。その最大のポイントは、新開発の直列6気筒Mツインパワーターボエンジンです。今回はこのエンジンについて紹介していきます。
更新日2020/07/10X3MとX4Mってどんなモデル?
X3 MとX4 Mは、X3とX4をベースとしたBMWミドルクラスSUV初のハイパフォーマンスモデルです。
この2モデルに採用されているパワーユニットやパワートレインは共通のもので、スペックも同じ。どちらも標準グレードと、ハイパフォーマンスのCcompetition(コンペティション)が用意されています。
エンジン以外の特筆すべきメカニズムは、素早いシフトチェンジを実現するドライブロジック付き8速AT、優れたトラクションとFRのようなコントロール性を両立したインテリジェント4輪駆動システム BMW M xDrive&アクティブMディファレンシャルなどが挙げられます。
またサスペンションや空力デバイスといった部分にもモータースポーツ由来のMテクノロジーが投入されていて、車高の高いSUVでありながらサーキット走行を楽しめるようしつけられています。
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新開発のエンジンは、なにがすごいの?
X3MとX4Mに搭載されたS58B30Aというパワーユニットは、BMW伝統の直列6気筒レイアウトにツインターボを備え、標準グレードで353kW(480PS)、コンペティションでは375kW(510PS)を発生します。このスペックは、これまでの量産型の直列6気筒エンジンにおいて、もっとも高出力となっています。
Z4などに搭載されるB58ユニットがベースで、構成パーツの約90%が新開発。シリンダーヘッドのヘッドコアは、3Dプリンター技術によって成形されています。これにより、冷却水の循環経路を効率的なものにすることが可能になり、同時に軽量化にも貢献しました。
近年注目を浴びている3Dプリンター技術は、自動車生産の分野でも採用が進んでいますが、量産エンジンでの採用は前例がありません。
また、燃焼室に吹き込む燃料の噴射圧力は、従来の1.75倍に高められ、燃料と空気の混合効率向上を実現し、燃料効率を大幅に改善しています。
そのハイパワーに対応するため、冷却系はまずラジエーターは大型(1基)と小型(2基)を組みわせ、効率的な水温コントロールを実現。オイルクーラーやトランスミッションクーラーなども装備しており、熱対策はバッチリです。
オイル供給は、つねに最適なオイル量を吐出するようコントロールされます。
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これからのスタンダードになるエンジン
X3M、X4M発表時、BMWはこの新開発パワーユニットを「次世代のスタンダード」ともアナウンスしており、今後登場するM3、M4にも搭載されてることになりそうです。
例えば2014年から販売されているM3とM4の2モデル、販売期間を考えてもそろそろフルモデルチェンジの発表があってもおかしくありません。どちらも直列6気筒ターボエンジンを搭載するハイパフォーマンスモデルですが、カタログモデルの出力はX3 M、X4 Mの方が50馬力以上上回っています。次回のフルモデルチェンジ時にはX3 M、X4 Mで新たに採用された新開発の直列6気筒ターボエンジンが採用される可能性が高いと見ていいでしょう。
ターボに適した新技術
3Dプリンター技術をエンジン生産に採用することにより、より効率的に冷却水を循環させることに成功したS58B30AというBMWのパワーユニット。近年のエンジン開発はダウンサイジングターボが流行となっていて、過去に大排気自然吸気エンジンを搭載したスポーツモデルであっても、排気量を小さくしてターボ過給をするという流れになっています。
自然吸気エンジンとターボエンジンを比較した際に、ターボエンジンの弱点と言える部分はズバリ熱です。ターボエンジンはターボチャージャーで急速に圧縮した空気をシリンダーに送り込みます。そのため自然吸気エンジンに比べ吸入空気の温度が高くなり、燃焼温度も高くなるため、シリンダーヘッドがより高熱になります。
しかし、この新開発ユニットに採用された新技術は、シリンダーヘッド周りの冷却水をより効率的に循環させることができ、温度を下げることができるので、ターボエンジンとのマッチングが非常にいい技術と言えます。
ほかのMモデルはもちろん、ダウンサイジングターボを採用するこれからのBMWのニューモデルたちにこの技術の採用が広まっていくかもしれません。