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BMWのSUV進出を切り開いたX5の歴代モデルを振り返る
2000年に登場したBMW初のSUVであるX5、現在では豊富なラインアップを誇るBMWのSUVですが、このX5の成功がなければ現在の豊富なラインアップは実現しなかったでしょう。今回はそんなBMWのSUV進出の礎を気づいたX5の歴代モデルを振り返っていきます。
更新日2020/08/11X5はBMW独自のジャンル、SAVモデルとして登場
1998年に登場したレクサス RXがアメリカ市場で大ヒットとなります。これに影響され各自動車メーカーが高級クロスオーバーSUVという市場に注目し、新たなSUVが次々と市場に投入されていました。そんな時期である2000年秋にX5はデビューしました。
BMWはX5のことをSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)とは表現せず、BMWセダンのコンセプトにSUVの実用性を兼ね備えたSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と表現しました。これはSUVとは異なる、BMW独自の新しいモデルであるという主張の現れであり、その後登場するX3やX1などといったモデルでもこのSAVという表現が使われています。
初代は背が高くてもBMWらしいこだわりを感じる新たなモデルとして登場
2000年10月に日本市場での販売が開始された初代モデル(E53型)は、当初4.4L V8エンジンのみのラインアップでした。FRのイメージが強いBMWですがX5ではフルタイム4WDを採用、サスペンションは新設計の電子制御エアスプリングの4輪独立懸架とし、乗り心地と高いロードクリアランスを確保しています。しかしながらハンドリングの楽しさを重視した38:62というリア寄りの駆動配分、50:50の重量配分などと言ったメカニズムから随所にBMWらしさが感じられるのもX5の特徴と言えます。
2001年1月に日本市場に3.0L 直列6気筒エンジンが導入され、同年4月には左ハンドルモデルが追加、ラインアップを拡大しつつ2003年10月にはマイナーチェンジが行われました。デザインの小変更が行われたほか、エンジンに手が加えられ最高出力と最大トルク、燃費の性能向上を実現。さらに4WDシステムは電子制御多板クラッチを用いたxDriveシステムが採用されました。
2004年5月にはトップグレードとなる4.8Lモデルが追加。初代X5は日本市場でも人気を博し、そのラインアップを徐々に増やしSAVの裾野を広げました。
利便性の向上とラインアップの拡充が行われた2代目
2代目(E70型)は、2006年末に開催されたロサンゼルスモーターショーで初公開され、日本市場には2007年6月に導入されました。
ボディ剛性の向上、エンジンのリニューアル、アンチロール・スタビリティ機能とアダプティブ・ダンパーの装備による運動性能の向上などといった走りに関する部分も大幅に改善。しかしながら、実際に購入するユーザーにとっては室内の利便性の向上が嬉しいフルモデルチェンジとなりました。BMWのモデルとしては初めて3列目シートがオプションで設定されたほか、ラゲッジルームの容量が100L以上拡大され620Lとなりました。
日本市場には3.0Lモデルと4.8Lモデルが導入。4.8Lモデルで左ハンドルを選ぶこともできました。
2010年5月にマイナーチェンジではエンジンとトランスミッションが新しくなります。3.0Lモデルが3.0Lターボに、4.8Lモデルが4.4Lターボへと変更となり、従来の6速から多段化された8速ATが採用されたほか、回生ブレーキシステムが採用されました。
また、2009年にSAVでは初となるハイパフォーマンスシリーズ「M」に属するX5 Mが登場したり、2012年にはクリーンディーゼルモデルであるxDrive35d ブルーパフォーマンスが日本市場に導入されたりするなど、X5ファミリーが一気に増えた世代となりました。
3代目は環境性能と安全性能が大きく進化
2013年11月に日本に導入された3代目(F15型)は環境性能と安全性能に磨きがかかったフルモデルチェンジとなりました。
環境性能面ではアイドリングストップ機構や50km/h以上でアクセルオフとなると、エンジンとトランスミッションを切り離し、エンジンブレーキを効かせず空走させるコースティング機能など燃料消費に低減に効果のあるメカニズムを採用したほか、軽量素材の採用により約20kgの軽量化を実現しました。
また安全面では前車接近警告機能や衝突回避・被害軽減ブレーキなどの運転支援技術を装備しています。そのほかにも車載モジュールを用いたBMWコネクテッドドライブも装備、事故時の救急や消防の迅速な手配や、メンテナンスの告知などができるようになり次世代のモビリティとしての装備も進みました。
2014年には高性能モデルX5 M(F85型)。2015年9月にはプラグインハイブリッドモデルであるxDrive40eも追加されました。
まだまだ進化していくであろう4代目
2019年2月に国内販売が開始された現行4代目は、より進化した先進運転支援技術とインフォメーションシステムが特徴的です。
運転支援技術は従来のものよりも進化しており、あらかじめ駐車スペースを測定しドライバーの代わりに駐車を行ったりサポートをするパーキング・アシストや、直近50メートルのルートを記憶し、誤って細い路地などに侵入した際に、後退時自動でステアリング操作をしてくれるリバース・アシストを装備。2019年夏からは高速道路渋滞時の加減速やステアリング操作を支援してくれるハンズ・オフ・アシストも装備され、高速道路での移動時のドライバーの負担を大幅に減らします。
インフォメーションシステムは、AIを活用した音声会話による車両操作を実現したBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントを採用しており、各種操作を直感的に行えるようになりました。
また2019年12月にはプラグインハイブリッドモデルや、より高性能なM50iが追加されました。ラインアップの拡充や新技術の導入タイミングを見るとまだまだ進化していくモデルでしょう。
最新テクノロジーでトレンドを牽引していくモデル
X5の進化の歴史を紐解いていくと、ラインアップの拡充や最新装備の導入などニーズと自動車技術のトレンドに合わせた進化であったことがみて取れます。今後も最新のテクノロジーによってSUVのトレンドを牽引していくモデルとなっていくことでしょう。