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ミニバンの背を低くするとなにが良いの?

更新日2019/03/26

走行安定性が高まる+燃費が良くなる

オデッセイ 2017

背の高いミニバンは、高速道路を走行中、強風にあおられて恐怖を感じることがあります。単純に背が高くなると、ボディサイドの面積が広くなるため、横風の影響を受けやすくなります。その影響を小さくするには、車両を横から見たときの面積を小さくすることで対処できます。

また、車を前から見たときの前面投影面積の大きさは、燃費に影響します。小さくするほどに空気抵抗も小さくなり、燃費改善につながります。

もちろん他にもエンジン、タイヤ性能、車両重量など、燃費にはさまざまなファクターがあり、いちがいに前面投影面積だけを小さくすれば良いとはならないのですが、他のコンポーネント設計も自由度が無いことが多く、メーカーはドアミラーやアンテナのデザインまで配慮し、全面投影面積を小さくする努力をしています。

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ボディモーションが改善する

オデッセイ ハイウェイスター ジェットブラックアーバンクロム
一般的なクルマは、天井部まで金属製ですから、背が高ければ高いほど車両重心も高まります。車両重心が高いと、カーブでの車体の傾きが大きくなったり、加減速で前後に傾きやすくなったりと、姿勢変化が大きくなります。車体が大きなミニバンは、コーナリングでのふらつきがセダンよりもシビアに現れます。

コーナーでの傾きを低減するには、スタビライザーやスプリングといったサスペンション設定を固める必要がありますが、これらは、乗り心地にも影響をおよぼします。

ふらつきを嫌った場合、車両重心が高いほどに、サスペンションを固める度合いが高まるため、路面からの衝撃はダイレクトに伝わるようになり、乗り心地悪化につながります。

このように、高い車両重心を他のコンポーネントで補おうとすると、他の部分への跳ね返りが起きてしまいます。クルマ設計の基本は、「車両諸元をいかによくするか」であり、車両コンセプトを立てるときに考え抜く必要があります。

 

低床化で居住性の高さ

ホンダ オデッセイ

全高とは直接関係はないのですが、背を下げたぶん、床面を低めたクルマもあります。

ホンダのオデッセイは、1,685mmという全高のボディに、日産 エルグランドと変わらない1,305mmという室内高を実現しています。日産 エルグランドの全高が1,805mmですから、低床がどれほど室内空間の確保に貢献しているかわかります。そのためホンダは、床下にある燃料タンクやサイレンサーなどの大物部品に工夫こらして低床化を実現しています。

具体的には、床下の隙間を有効活用するため樹脂製の燃料タンクを複雑に成型し、排気管などの位置をずらし、スペースを確保しています。

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乗り降りもしやすい

3世代の家族が利用することも多いミニバンは、天井までの高さがあるので、子供は立ったまま、お年寄りも体を大きく曲げることなく乗り込むことができます。また低床化したミニバンなら、乗用車とほぼ変わらない高さで乗り降りもしやすくなります。

 

ミニバンの全高を下げることで、車両安定性や燃費が改善し、さらには乗り心地にも影響するとなれば、各メーカーが注目するのは当然です。しかし、それに合わせて低床化も行って、広い室内空間を確保することが求められます。そのため各メーカーでは“その1ミリを削り出す”技術開発を日々続けているのです。