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オフロードでもオンロードでも大活躍、デリカスペースギアを振り返る
1994年に誕生した三菱 デリカスペースギアは、現在主流となったフロントエンジンミニバンのさきがけとなった1台です。デビュー後、約13年もの間、1度もモデルチェンジをすることなく、後継のデリカD:5に道を譲りました。国内での販売が終了して10年以上が経過しているデリカスペースギアですが、現在でも通用する魅力がたくさん詰まっています。今回は懐かしのデリカスペースギアについて、解説していきます。
更新日2019/04/11ワゴン?クロカン?どっちもOK
1990年代初頭、当時大人気だった本格クロカン車のパジェロをベースに作られたのが、デリカスペースギアです。全長4,685㎜(ロングは5,085㎜)×全幅1,695㎜×全高1,960㎜という背の高いボディに、7名から最大10名乗りまで対応できるラインナップが用意されました。
シャシーは、パジェロ譲りのラダーフレームにモノコックボディをドッキングさせたビルトインフレーム構造。フロントのエンジン搭載スペースが衝撃を吸収するクラッシャブル構造となっていたこともトピックでした。
1,960㎜という全高がもたらす室内はとても広く、多人数乗車を求められるミニバンとして、十分な性能を持っていました。
エンジンは、スポーツカーのGTOに採用されていた、3.0L V型6気筒と、パジェロに採用されていた2.8Lターボディーゼルのほか、2.4L直列4気筒と2.5Lのターボディーゼルの4種類が用意されました。ハイパワーかつ高トルクのエンジンは、大型のボディを走らせるのにも十分な性能で、パワー不足を感じることはありませんでした。
駆動方式は、2WDと4WDを用意。4WD には、パジェロと同じスーパーセレクト4WDシステムを搭載し、サブトランスファーレバーで、燃費の良い2WD、ビスカスカップリング付きセンターデフ方式のフルタイム4WD、悪路走行時に威力を発揮するデフロック状態の4WDハイ、4WDローの切り替えを行うことができました。
これがデリカスペースギアの最大の特徴であり、アウトドア派のミニバンユーザーに大人気となりました。
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オンロードでも乗り心地は悪くない
悪路走行ができるクルマというと、オンロードでの乗り心地がイマイチというイメージがありますが、デリカスペースギアには無用な心配でした。
フロントサスペンションにはダブルウィッシュボーン形式を採用し、オンロードでの乗り心地を確保しながら、リアサスペンションには車軸式をベースにした5リンク式コイルスプリングを採用して、オフロードでのサスペンションストロークを稼ぐ構造になっています。
ロイヤルエクシード以上のグレードには、INVECSファジィECSと呼ばれる電子制御サスペンションを用意。Gセンサー、車速センサー、舵角やアクセル開度などの情報から、減衰力を制御し、市街地走行では柔らかめ、高速走行ではしっかりとした足回りに調整され、背の高いミニバンには思えないほど、高い操縦安定性と乗り心地を実現していました。
デリカスペースギアは見えない部分にまで、しっかりとコストをかけて開発されており、これにより多用途、多機能かつ高性能なクルマになっていたのですね。
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今日のミニバンの礎を作り、クロスカントリーとミニバンの本格的なクロスオーバーを具現化したデリカスペースギアは、名車として語り継がれるべきクルマの1台です。求められる性能を高次元で実現した当時の三菱のクルマ作りから、学ぶべきものがたくさんあると思います。