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先代(3代目)トヨタ ハリアーとレクサス NXって何が違うの?
トヨタ自動車とレクサスには、見た目こそまったく違うけれど、中身のパーツやプラットフォームなどを共有している隠れた兄弟モデルが存在しています。そこで今回は、2020年にフルモデルチェンジを行なったばかりのトヨタ ハリアーの先代モデル(3代目)とレクサス NXを比較して、何が同じで何が違うのかを検証してみたいと思います。
更新日2021/01/15トヨタ 3代目ハリアーとは?
トヨタ自動車が当時は珍しかったプレミアムSUVという位置づけで1997年に発売したハリアー。SUVでありながら高級感あふれる佇まいとインテリア(内装)デザインで、新しいSUVの顧客層を獲得した人気モデルです。なお日本国外では、レクサスブランドから「RX」として販売されていましたが、3代目ハリアーからはRXと切り離されており、ハリアーとRXは別のSUVとして進化を続けています。
2013年から2020年まで販売されていた3代目ハリアーは、RXと切り離されたこともあり大幅なフルモデルチェンジを敢行。スタイリングは一新されスタイリッシュなデザインへと生まれ変わりました。ヘッドランプはLEDを全モデルで標準装備し、ナンバー灯もLEDが採用されています。
パワートレインは2.0Lのガソリンエンジンのほか、2.5Lのハイブリッド、さらに2.0Lのターボエンジンを設定。トランスミッションはエンジンによって組み合わせが異なり、CVTや6速AT、電気式無段階変速機などが組み合わされています。また駆動方式はFF(2WD)と4WDが用意され、ハイブリッド車にはE-Fourと呼ばれるトヨタ独自の電気式4WDシステムが採用されています。
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レクサス NXとは?
「プレミアム・アーバンスポーツギア」というコンセプトのもと、2014年にデビューしたレクサス NX。レクサスSUVシリーズでは、LX、RXに続く3番めの位置づけで、その下に末弟モデルのUXがラインナップされています。
レクサスのアイコンでもあるスピンドルグリルを中心に構成されるフロントマスクは、高級感にあふれ、テールレンズの形状などもレクサスらしいデザインを採用。パワートレインはレクサス初のターボエンジンとなる2.0Lツインターボエンジンのほか、2.5Lエンジンに電気モーターを組み合わせたハイブリッドもラインナップしています。
トランスミッションはガソリン車が6速AT、ハイブリッド車が電気式無段階変速機を組み合わせ、駆動方式はハリアーと同じく、FF(2WD)のほか、2種類の4WD(ダイナミックコントロールAWDとE-Four)が用意されています。
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共通ポイントはどこにある?
3代目 トヨタ ハリアーとレクサス NX。どちらも同じミドルサイズのSUVですが見た目は大幅に異なります。しかし仔細に眺めていると意外と共通する項目が見つかりました。
3代目ハリアーとNXは、ともにトヨタ自動車のCセグメントFF車用の「MCプラットフォーム」を採用しています。MCとは「ミディアムコンパクト」の略称で、サスペンションはフロントはマクファーソン・ストラット、リアはFFがトーションビーム、4WDがダブルウィッシュボーンとなっています。ちなみにこのMCプラットフォームは日本未発売の3代目RAV4でも採用されていました。
またパワートレインでも3代目ハリアーとNXには共通しているものがあります。レクサス初となった2.0L 直4ツインスクロールターボチャージャーエンジンは、型式が「8AR-FTS型」というエンジンですが、これは3代目のハリアーでも搭載されているエンジンと同じもの。水冷エキゾーストマニホールド一体型のシリンダーヘッドを持ち、ターボ専用の直噴「D-4ST」や、連続可変バルブタイミング機構の「VVT-iW」を搭載しています。ただしスペックにはやや違いがあり、3代目ハリアーは231PS(170kW)/5,200〜5,600rpmなのに対し、NXでは238PS(175kW)/4,800〜5,600rpmとなっています。
またガソリンエンジンだけでなくハイブリッド機構でも共通しているものがありました。3代目ハリアーとNXのハイブリッドモデルは、いずれも「2AR-FXE型」と呼ばれるアトキンソンサイクルを採用した2.5L 直4エンジンにリダクション機構付きの電気式無段階変速機を備えたハイブリッドシステム「THSII」を組み合わせています。
さらにハイブリッド車の4WDシステムはどちらもE-Fourを採用するなど、細かなスペックこそ異なるものの基本コンポーネントは両車ともに同じシステムが用いられています。
違いはどこにある?
ひと皮剥けばプラットフォームもパワートレインの構成も、そしてハイブリッドシステムや4WDシステムも同じものが用いられている3代目ハリアーとNX。しかし見た目にはまったく異なる2台だということが分かります。
どちらも同じプレミアムSUVという位置づけながら、ボディサイズは3代目ハリアーが全長4,720〜4,770mm×全幅1,835mm×全高1,690mmなのに対し、NXは4,630〜4,640mm×全幅1,845mm×全高1,645mmという大きさ。ハリアーが正統派のミドルサイズSUVなのに対し、NXは全長が短く全幅が広めで全高も低いというロー&ワイドなスタイリングになっていますが、これはレクサスのSUVシリーズにRXが存在しているためといえるかもしれません。RXとハリアーがもともと同じモデルだったことを加味し、RXとの差別化を図る上でNXはこのようなボディサイズになったといえるでしょう。
またボディサイズだけでなくスタイリングも大きな違いがあり、3代目ハリアーはスタイリッシュかつスポーティなのに対し、NXはスピンドルグリルをはじめレクサスらしいプレミアム感を演出。インテリアデザインもNXはシックなカラーで仕上げられ、シート表皮やガーニッシュパネルにも高級感のある素材を用いています。さらにタッチパッドを用いた「リモートタッチ」を全車標準装備にしたり、ヘッドアップディスプレイをオプションで用意するなど、装備面でもNXの方がやや充実しています。なお安全装備として左右確認サポート付きのパノラミックビューモニターはいずれのモデルにも採用されています。
気になる中古車相場は?
3代目ハリアーの新車価格は最終年では300万4100〜504万5700円となっており、最も高額なモデルは「プログレス メタル アンド レザーパッケージ」というハイブリッドモデルとなっています。
対するNXの現在の新車価格は454万6000〜612万7000円で、最も高額なのは「NX300h Fスポーツ」というこちらもハイブリッドモデル。3代目ハリアーの新車価格は300万円台が中心だったのに対し、NXは発売当初から全グレードとも400万円台以上で、300万円台のモデルは存在していませんでした。このように価格差の大きな2台のSUVですが、中古車市場はどのようになっているのでしょうか。
3代目ハリアーは2013年から発売されており、2017年にマイナーチェンジを行なっています。中古車市場はかなり好調で、流通量が非常に多いのはトヨタ車ならでは。価格もこなれており、中には100万円台から見つかる個体もあります。メインの価格帯は200万円台で、マイナーチェンジ後のモデルでも200万円台後半で見つけることも可能。また3代目のハリアーには多くの特別仕様車が存在し、装備内容を考慮するとお得なお買い物ができるので狙い目です。
一方のNXの中古車ですが、こちらも数こそハリアーより少なめですがそれでも市場には数多くの中古車が出回っています。新車価格こそ高額だったものの、中古車であれば300万円台前半でも見つけることが可能。このNXは2017年秋にマイナーチェンジを行なっており、これによってエクステリア(外装)の雰囲気も変わりました。そのため2017年を境目にして、2017年以前のモデルは比較的安価で、2017年以降のモデルはやや割高感があるかもしれません。このあたりを参考にしながらお気に入りを探すのがおすすめです。
いかがでしたでしょうか。見た目や装備、そして何より車両価格がまったく違う2台のSUVも、その中身には多くの共通項があることが分かりました。基本コンポーネントは一緒でも、目指すゴールが異なることによって両車ともまったく違った魅力持つSUVへと仕上げられています。貴方はどちらのSUVがお好みですか?