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同じプラットフォームの兄弟車、どっちが買い？【ハリアー vs NX】
エレガントなクロスオーバーSUVとして、人気のトヨタ ハリアーとレクサス NXが、同じプラットフォームを使用して製作された兄弟車だという事実は、クルマ好きなら周知の事実です。同じ基本骨格を使いながら、別ブランドで販売するために、どのように差別化を図っているのでしょうか。
更新日2021/04/05ボディサイズもよく似たハリアーとNX
トヨタ ハリアーとレクサス NXが使うプラットフォームは、もともと2013年1月に北米で発売された4代目(先代)RAV4から採用されたものでした。
それぞれのボディサイズは以下。ホイールベースは、いずれも2,660mmです。
トヨタ ハリアー
ボディサイズ：全長4,725mm×全幅1,835mm×全高1,690mm
(室内サイズ：室内長1,965mm、室内幅1,480mm、室内高1,220mm)
レクサス NX
ボディサイズ：全長4,640mm×全幅1,845mm×全高1,645mm
(室内サイズ：室内長2,080mm、室内幅1,520mm、室内高1,180mm)
【参考】4代目RAV4
ボディサイズ：全長4,600mm×全幅:1,855mm×全高:1,690mm
全長こそ異なるものの、3台とも似通ったプロポーション。全幅はどれも1,800mmを超えており、踏ん張りの効いた力強いスタイルとなっています。
おもしろいのはNXで、高級ブランドであるレクサスのコンパクトクロスオーバーとして、ハリアーよりも塊感とスポーティな印象を強めたものとなっています。
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後発のNXは、ハリアーとの差別化を図るためなにをしたか？
ハリアーとNXのサスペンションは、フロントマクファーソンストラット、リアはダブルウィッシュボーンという構成です。
ハリアーでは、ショックアブソーバーにFADとよばれる振動数感応タイプが採用されると同時に、スプリングのばね定数やブッシュの特性、摩擦特性の最適化を図っています。
それに対し後発のNXでは、同じサス形式ながら基本設計から新開発。上級モデルには、電子制御によって、30段階の減衰力調整を可能にしたNAVI-AI-AVSが装着されます。
またフロントアクスルには低負荷走行時の差動を抑制するプレロードディファレンシャルを採用。滑りやすい路面での旋回性、高速走行での直進安定性はSUVとは思えない精度の高いものとなっています。
ボディは、高張力鋼板に使用を拡大することで高い剛性と軽量化を実現したハリアーに対し、NXではアルミニウム材を効果的に使用。さらにルーフサイドレールやセンターピラーに、従来のスポット溶接よりもも細かいピッチで溶接するレーザースクリュウウェルディングや、パネルを面で結合し、剛性の向上と振動の減衰特性を高める構造用接着剤などによって、より高剛性＆軽量なボディを完成させています。
現在でこそ同じハイブリッドシステムと、2.0Lターボがともに用意される2台ですが、デビュー時のハリアーはハイブリッドの4WDモデル、E-Fourと2.0Lガソリンエンジンの2種類。NXは、ハイブリッドにE-Fourと2WD、ガソリンエンジンは”水冷式エキゾーストマニホールド一体シリンダーヘッド＋ツインスクロールターボチャージャー”を搭載した2.0Lターボを初採用という違いをもたせていました。
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その他、ハリアーとNXの違い
販売するブランドの違いもあり、装備や高級感でもNXがうわ回るよう製作されています。
たとえば、NXではベースモデル以外では標準装備となるステアリングヒーターですが、ハリアーではオプションでも設定がありません。
また、NXでは運転席・助手席8ウェイ調整式パワーシートが全車採用となりますが、ハリアーでは助手席は4ウェイに簡略化されたり、一部グレードでは設定がありません。
内装はレクサスブランド統一のデザインでNXはやはりシックかつ高級感が感じられます。アナログ時計も高級車の一員であることをうかがわせてくれますね。
エントリーグレード同士でも150万円近く価格差があるのは、主要装備の違いも大きく影響しています。
同じプラットフォームを使うハリアーとNXですが、レクサスというブランドで販売するにあたり、NXは走行性能はもちろん質感、満足感といった点でもハリアーを凌駕するよう、こまかな部分まで手を加え、上級モデルにふわさしい仕上がりとなっています。
ひとことで”同じプラットフォーム”といっても、詳細に見比べてハンドルを握れば、その差は歴然としていることに気づくでしょう。