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2人しか乗れないの?SUVの2シーターモデル5選
近年乗用車として大人気のSUV。最近では3列シート7人乗りのモデルも用意され、ファミリーカーとしての選択肢にもなるほどラインアップが充実し、各メーカーのライバル競争が激化しています。しかし本来「多目的」がウリのはずのSUVに、2人乗りのモデルがあることをご存知でしょうか。今回はそんな2シーターモデルのSUVをいくつか紹介していきます。
更新日2021/08/26現代のSUVのルーツとも言える伝説的なモデル|三菱 ジープ
ジープは第二次世界大戦中にアメリカ軍の要請によって開発された小型四輪駆動車で、その機動力や性能から戦後も生産が続けられたロングセラーモデルです。日本では三菱が部品を輸入し組み立てるノックダウン生産方式により製造されていましたが、ジープの国内ライセンス契約生産の認可が1953年に得られ、後にエンジンの独自生産化も果たし、純国産ジープが誕生することになりました。
その後自衛隊での採用の他に警察や消防、林野庁といった官公庁に納入されました。基本的にはキャンバス2ドアの幌型というパッケージングでしたが、2人乗りの他に4人乗り、メタルドアやワゴンスタイルといったバリエーションをラインアップし、様々な用途に応えています。
1975年には個人ユーザー向けのJ-58が登場し、アウトドアファンを中心に本格クロスカントリーを快適に楽しめるモデルがラインアップされました。もともと軍用車両という成り立ちから2人乗り仕様に違和感はなかったと思いますが、ジープで培ったノウハウが後に登場のパジェロにも受け継がれ、RVブームを作り出したきっかけにもなったことを考えると、このモデルがSUVに与えた影響は偉大だと感じます。
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“オフロードクーペ”はあまりにも異端児だった|スズキ X-90
“2シーターのオフロードクーペ”というあまりにも特異なパッケージングで1995年に登場したX-90。ベースとなっているのは初代エスクードですから、堅牢なラダーフレームを搭載し、パートタイム4WDシステムを搭載しているというのもポイントです。
最低地上高はエスクードよりも下げてクーペスタイルにし、ルーフには取り外してトランクに収納することができるガラス製のトップにTバールーフを備え、オープンライクなドライブも楽しめます。エンジンは1.6L 直4ガソリンNAで、4速ATか5速MTを選択できます。
タイヤ・ホイールはエスクードのようにオフロード走行を意識させるものが装着されていますが、全体的なデザインは角のとれた愛嬌のあるルックスで、力強いバンパーやクラッディングなどは装備されていません。
エスクードのメカニズムが採用されているため、悪路走破性はかなり本格的であるものの、2シーターであることや機能性がアピールされないルックスなどがユーザー層を狭め、販売は奮わず2年少々の期間で販売終了となりました。しかしその独特のコンセプトを市場に投入したスズキの勇気と大胆さに心からの敬意を表し、拍手喝采を送りたい一台です。
デビューした時期も人気を後押しした|いすゞ ミュー
現在では乗用車部門から撤退してしまったいすゞ自動車も、かつてはSUVカテゴリーで大きな存在感を示していました。特にビッグホーンは基幹車種でもあり、トラックやバスを得意とするいすゞらしい、パワフルなクロスカントリーモデルとして人気がありました。
そんないすゞ自動車から、1989年にユニークなパッケージングのSUVが登場しましたが、それがミューです。ボリューム感たっぷりの硬派な3ナンバーのボディスタイルに2シーター、メカニズムはビッグホーン譲りの本格的なラダーフレームとパートタイム4WD、そして5速MTのみという割り切ったラインアップ。「ミステリアス・ユーティリティ」の頭文字を取って名付けられたその車名の通り、どんな風に使うのか“謎”なSUVではありました。
しかし1989年と言えばユーノス・ロードスターやセルシオ、R32スカイラインGT-R、レガシィといった名だたる名車が続々と誕生した年。バブル景気の後押しでクルマ業界が勢いに乗っていた時代でもあります。そのまっ只中でのデビューでしたから、こうしたアメリカンテイスト溢れる潔いコンセプトが新し物好きの若者の心をつかんだのでした。
1990年にはメタルトップの4シーターが追加。その後ディーゼルエンジンの搭載や内外装のブラッシュアップなどで息の長い人気を獲得してきました。
おまけ:唯一無二の軽本格クロスカントリー|ジムニー
1970年の初代発売から、軽自動車の本格クロスカントリーモデルとして世界的に人気のSUVです。このパッケージングは初代から変わっておらず、またラダーフレームやパートタイム4WDといった基本的なメカニズムも伝統的に継承しています。ジムニーのようなモデルは他に存在しない、まさに唯一無二のモデルと言っても良いでしょう。
そんなジムニーも、初代と2代目の1995年モデルまではバン(4ナンバー)登録のみであったため、後席が補助的な役割となり、“基本的には2シーター”でした。初代は補助座席が1席で最大3名、2代目は2席で最大4名乗車できますが、乗用車登録ではないためドライブには向かないほど狭く、2シーターモデルと割り切って乗る必要がありました。
ちなみに現行型のジムニーでも、ヨーロッパには後席を取り払った完全に2シーターとなる“商用車”モデルが存在し、ビジネスシーンで活躍しています(ただしこちらはシエラがベース)。
おまけ:ヨーロッパには2シーター商用モデルが多い|ランドクルーザーコマーシャル
前述のジムニーの商用モデルのように、ヨーロッパには2シーターとなる商用車版がラインアップされることが多いようです。本格クロスカントリーのランドクルーザーにもコマーシャルと呼ばれる商用車版が設定されており、こちらは後席がない2人乗りのモデルとなっています。
デザインはランドクルーザープラドがベースで、2人乗りにも関わらず5ドアバージョンもラインアップされています。商用版のため快適装備はかなり簡略化されていますが、2.8LディーゼルターボエンジンやMTの設定、ランドクルーザープラドの持つ本格的なオフロード性能など、日本にもし入ってくるとしたらカスタムベースとして人気が出そうなモデルです。
現代的なSUVの解釈からすると実用的とは言いがたい2人乗りSUVモデルですが、その割り切ったコンセプトも非常に面白いですね。“本格的なオフロード性能があるのに2人しか乗れない”というのも、なんとも贅沢な話です。
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文・SUV FREAKS編集部
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