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【MX-30、FJクルーザーが使っている】観音開きドアって不便じゃないですか?
マツダのSUVラインアップのなかでも異色の存在であるMX-30。サイドドアの開き方は「フリースタイルドア」と呼ばれる観音開きタイプで、個性的なデザインとともに話題となっています。今回は観音開きタイプのメリットデメリットや、他に採用されている車種を解説していきましょう。
更新日2022/08/23そもそも観音開きってどんなもの?どうして観音開きと言うの?
観音開きとは、左右の扉が中央からそれぞれ両側に向かって開く仕組みのドアのことで、観音像を納める厨子によく使われているため、そのような名前がつけられています。
日本では1955年に登場した初代トヨペット クラウンが、このような開き方をするサイドドアを”観音開き”
と呼んだため、以降クルマでこの開き方が採用されるときには、そのように表現されることが多いのです。
観音開きは家具や建物など、あらゆる物や場所に採用されていますが、クルマの場合、特に現代の乗用車においてはほとんど採用例がありません。採用するのはパネルトラックのサイドやリア、ヨーロッパでは小型貨物車のリアドアに見られます。
もちろん少ないながらもサイドドアに観音開きを採用している車種もあり、それがひとつの個性となっています。では、乗用車に観音開きドアを採用するメリット、デメリットは何でしょうか。
観音開きドアのメリット&デメリット
まずリア=バックドアに採用される場合のメリットですが、軽い力でドアを開けることができることと、狭いスペースで少しだけ開けて荷物を取り出すといった使い方にも適しています。
下から上に一枚で開けるゲートは、ドア自体も重くなり、頻繁に小さな物を出し入れするような場合には使いにくいでしょう。
またサイドのドアに観音開きを採用するメリットは、ピラー(柱)をドアに内蔵することで、すべて開けると開放的で乗り降りのしやすい環境を提供できるということが挙げられます。もちろん見た目のインパクトで個性を主張することもできますが、SUVの多くは前述の理由で採用されています。
ロールスロイスなどが観音開きを採用するのは、セレブが乗る後席優先で設計されているからです。そのほうが、裾の広がったドレスでも乗り降りがしやすいということと、服が汚れにくいということが理由として挙げられます。自分でドアを開け閉めする機会が少ないからこそ採用できる開き方ですよね。
デメリットですが、センターピラーレスにすると車体剛性が低下するので、その補強のための重量とコストがかさんでしまいます。
またフロント側のドアを開けないとリア側のドアを開閉できない車種が多く、利便性という面では独立したドアに劣ってしまいます。
観音開きを採用したSUV
特徴的な観音開きドアを採用したSUVは、マツダ MX-30以外にも存在します。なかでも現在でも手に入れることできる車種を紹介します。
マツダMX-30
サイドドアに「フリースタイルドア」と呼ばれる観音開きを採用しています。温かみのあるデザインとサステナブルな素材をインテリア(内装)に積極的に使ったモデルで、すべてのドアを開けて開放的な空間を楽しみながら自分らしさを味わうことがコンセプトとなっています。
センターピラーレスですが後席ドアを単独で開閉することはできず、フロントドアを開けてからリアドアのレバーを操作して開閉します。
ロールスロイス カリナン
超高級SUVであるカリナンも、他のロールスロイスモデルと同様観音開きが採用されています。ロールスロイスでは観音開きドアのことを「コーチドア」と呼んでいます。
採用される理由は前述したとおりですが、ロールスロイスの場合はセンターピラーが付いたままであり、剛性がしっかり確保されています。乗降性をおもな目的としていることが分かりますね。
トヨタ FJクルーザー
FJクルーザーは、日本で2010年から2018年まで販売されていた本格オフロードSUVです。
ランドクルーザーファミリーの往年の名車FJ40型をモチーフとしたネオクラシックデザインが特徴で、サイドにセンターピラーレスの観音開きドアが採用されています。
MX-30と同様、リアドアを単独で開閉することはできません。
ホンダ エレメント
北米の若者向けに開発されたスクエアなデザインが特徴のユニークなSUVです。日本では2003年から2005年と比較的短い期間で販売されていました。
サイドドアはセンターピラーレスの観音開きで、すべて開けると開放的な空間を楽しむことができます。ちなみにリアゲートは上下二分割式で、下側はベンチのように腰掛けて座ることもできるなど、面白くて実用的な設計が特徴でした。
観音開きを採用したSUVは開放的な空間を楽しむことができ、レジャーの楽しさを広げてくれるアイテムになり得ます。後席の使用頻度など実用性とのバランスを考慮する必要がありますが、ひとつの個性としてアリだと思いますね。
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文・SUV FREAKS編集部
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