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アウトランダーPHEVに搭載される回生ブレーキってどんなシステム?

プリウスをはじめとしたハイブリッドやプラグインハイブリッド、また、リーフに代表されるEVのクルマが増えている昨今、回生ブレーキは珍しいシステムではなくなってきました。今回は、回生ブレーキが従来のブレーキシステムと何が違うのか、解説していきます。

更新日2019/02/15

運動エネルギーを熱エネルギーに変えて、クルマは止まる。

ブレーキパッド

クルマは走行している際に、運動エネルギーを持ちます。このエネルギーはもともとガソリンを燃やすことでエンジンが発生したものです。駆動系によって動力が伝達され、タイヤに伝わり、地面を蹴りだしてクルマは前へ進みます。

クルマが止まるためには、運動エネルギーを少なくしなければなりません。そのために、ブレーキを使い、摩擦抵抗をかけて熱を発生させ、運動エネルギーを熱エネルギーに転換します。すると、運動エネルギーが小さくなり、クルマは停止することができます。この時に発生する熱エネルギーは、外に放出され、クルマの中で再利用することはありませんでした。

しかし、ハイブリッドカーの登場により、クルマの中にエネルギーをため込むことができる大きなバッテリーが搭載され、「運動エネルギー→電気エネルギーとして回収」といった考えが登場します。これが回生ブレーキシステムへとつながっていくのです。

 

運動エネルギーを電気に変える回生ブレーキシステム

運動エネルギーを「資源」と捉え、電気エネルギーに変換して「回収」するのが回生ブレーキです。そのシステムは、アクセルを踏んでいないときに、クルマを動かしている運動エネルギーで、ブレーキ部分につけられたモーターを回します。

モーターは外部から力を受けると、電気を発生する特性があります。手動充電の懐中電灯や、自転車に取り付けられているダイナモ式のライトが分かりやすい例です。

アクセルOFFの空走状態になった時に、モーターを動かすための抵抗をつくり、ブレーキペダルONとリンクさせ、抵抗値を大きくしていきます。すると、今までクルマを停止させるために、熱エネルギーとして消費されていたものが電気に代わり、走行用バッテリーの中に貯蔵されます。

ハイブリッドカーやEVでは、モーターが充電できる許容量になるまでは回生ブレーキを使い、それでもクルマを停止するためにエネルギー変換が必要になった時には、ブレーキパッドを使った従来のブレーキを併用します。

そのため、短距離で強くブレーキをかけるよりも、長い距離で緩やかにブレーキをかけたほうが、エネルギー回収効率が高く、走行用バッテリーへ多く充電できます。

充電された電気エネルギーは、クルマを駆動させる側のモーターの駆動電力として使うことができ、運動エネルギーをすべてガソリンで作る必要がなくなり、燃費が良くなるのです。

 

アウトランダーPHEVの回生ブレーキは強弱が付けられる

三菱 アウトランダーPHEV 2018

従来、空走時の回生ブレーキの効きは一定でしたが、アウトランダーPHEVでは、回生力を選択できる回生レベルセレクターが搭載されました。これにより、回生ブレーキもフットブレーキのような強弱をつけることができ、操作次第では、回生ブレーキだけでクルマの停止までを行うこともできるようになりました。

回生レベルセレクター

6段階に分けられた回生ブレーキの強さは、ステアリングホイールについているパドルシフトで操作することができ、シフトダウンによるエンジンブレーキに似た作用で、使い勝手も良好です。

日産 ノートe-POWERにも回生レベルを変動させる仕組みがありますが、6段階にまで細分化され、使いやすい仕組みは、国産の市販車ではアウトランダーPHEVが初めてです。

 

環境問題が大きく取り上げられ、リサイクルが叫ばれる昨今、クルマの中でもエネルギーのリサイクルが起こっています。回生ブレーキの使い方次第で、ハイブリッドやEVの燃費を格段に伸ばすことができるので、その仕組みを良く知り、積極的に活用していきましょう。

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