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近年、悪路走破性に優れたラダーフレーム構造が採用されなくなった訳とは?
自動車のボディ構造のひとつである「ラダーフレーム」は、その優れた耐久性から、林道やぬかるみなどの悪路走破を目的とするオフロード4WDに多く採用されている構造です。しかし最近では、基本骨格をラダーフレームからモノコックへとするSUVもあり、ラダーフレーム自体が減少傾向にあるようです。なぜラダーフレームを使う車種が、減っているのでしょうか?
更新日2019/02/19ラダーフレームとは?
ラダーフレームとは、縦方向の2本のサイドレールに横方向のクロスメンバーを結合して構成される、まさに「はしご(ラダー)」のような形状のフレームです。
その歴史は古く、馬車の時代までさかのぼることができます。シンプルな構造でありながら、、サイドレールの厚みや断面の大きさ、2本の組幅を最適化することにより、ねじれや曲げに対して高い強度や剛性を確保することが可能です。
ラダーフレームの車両は、ざっくり言ってしまうと、しっかりした骨格の上にエンジンやミッション、サスペンションを搭載し、その上からボディを被せた構造です。
そのためボディがダメージを受けても、フレーム自体が無事であれば、そのまま走行することが可能であり、そのタフさがラダーフレームの長所となっています。現在でも、主に軍用車両、路線バスやトラック、クロスカントリーSUVなどに採用されています。
ラダーフレームが減少している理由とは?
ラダーフレーム構造では、ボディとフレームが別々であるため、ボディへのダメージが基本骨格のフレームに伝わりにくいというメリットがあります。
ではなぜ、ラダーフレームが減少しているのでしょうか?その理由は、多くが鉄でフレームを作るので車重増加を招きやすいこと、トヨタのGA-Cプラットフォームのようにモジュラー化してコストダウンが図りづらいこと、車体全体に入力を分散できるモノコックに比べて乗り心地が悪く感じること、衝突時にボディ全体で衝撃を分散できるモノコックに比べて力が集中しやすいことなどがあげられます。
つまり、現代の車づくりには、あまり向かない方式なのですね。
ラダーフレームからモノコックに変更したクルマ
スズキ エスクードは、クロスカントリー車の性能を持ちつつ、低燃費で、市街地走行にも使える乗用車「クロスカントリーセダン」として、1988年にデビュー。この初代から2005年に生産終了する2代目までが、ラダーフレーム構造でした。その後、3代目でモノコックとラダーフレームを一体化させた、ラダーフレームビルトインモノコックボディ構造を採用し、クロスオーバーSUVへと変貌を遂げました。
また、海外のクルマでいえば、1990年に登場のフォードエクスプローラーは、当初、ラダーフレームでしたが、2010年のフルモデルチェンジではモノコックボディを採用。クロスオーバー色を強めました。
2018年にモデルチェンジを受けて話題となったジムニーによって、その構造が再注目されているラダーフレーム構造。いまでは少数派の骨格ですが、本格的なオフロード車には、今後も採用されていくことでしょう。
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