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ジュネーブモーターショー2019で発表されたID.バギーってどんなクルマ？
2019年3月7日から21日までスイス・ジュネーブにて開催されている第89回ジュネーブ国際モーターショー。世界5大モーターショー(フランクフルトショー、北米国際オートショー、東京モーターショー、パリサロン)のひとつにも数えられており、毎年多くの注目モデルやコンセプトカーがアンベール(世界初披露)されています。 そんなジュネーブモーターショーに出展したフォルクスワーゲンから、世間の耳目を集めるコンセプトカーが発表されました。その名は、ID.バギー。往年の車好きにとっては懐かしく、新しい世代にとっては新鮮に映る「ID.バギー」とはいったいどのようなクルマなのでしょうか。
更新日2019/03/20伝説のバギーをゼロエミッションでリプロダクト
「ID.バギー」とは、米カリフォルニアで生まれた“デューンバギー”を現代風に解釈したクルマです。かつて1960年代のアメリカにあるカリフォルニア州で流行したデューンバギーは、サーファーをはじめとするカリフォルニアに住む人たちのライフスタイルを豊かに彩りました。VWビートルのフラット4エンジンをリアに搭載し、GFRP（ガラス繊維強化プラスチック）製のボディを架装したバギーはカリフォルニアの風景にとてもマッチしていました。
そんな伝説のデューンバギーが、ID.バギーとして21世紀に帰ってきました。
クールな外観が目を惹くオープンエアタイプで、夏の海岸や街中を楽しく彩るのにまさにぴったりな一台です。このID.バギーの最大の特長は、車両の床下に高電圧バッテリーを搭載した電動バギーとなっており、ゼロエミッションを実現しているという点で、ID.バギーを担当した、VWチーフデザイナーのクラウス・ビショフは「ID.バギーのデザインは60年代のアイコンモデルを当時のデザインに縛られることなく現代的に解釈したもので、どこから見ても純粋なバギーに仕上がっています。しかしその内部は完全に設計し直しています」と話しています。
見た目はクラシカルでも中身は最先端
クラウス・ビショフの言う通り、ID.バギーには21世紀の新しい技術が惜しみなく投入されています。VWグループが開発したEVプラットフォーム「MEB」を採用し、車両のフロアには高電圧バッテリーを搭載。その性能は最高出力150kW(204ps)、最大トルク310Nmを発生するリチウムイオンバッテリーを備え、これをリヤの電気モーターに 62kWh の エネルギーを供給します。
舗装路でフル加速すればわずか7.2秒で100km/hに達成し、航続距離は約250kmにも及びます。さらにVWでは、このIDバギーの公開に合わせ、世界中のあらゆる場所で充電可能な新しい方法「フレキシブル急速充電ポスト」も初公開しました。この充電ステーションは最大100kWに対応するDC(直流)急速充電テクノロジーを用い、MEBプラットフォーム車であれば約30分で充電が完了します。
自由にカスタマイズも可能
このID.バギーのデザインの特徴をいくつかご紹介しましょう。フロントボンネットを取り巻くラインは、存在感のあるバンパー上に 浮かんでいるように見え、立体的なLEDヘッドライトの造形と存在感のあるバンパーが印象的です。18インチのホイールとラフロードタイヤを履くことでボディそのものが浮かんでいるように見え、アクティブなイメージを演出しています。インテリアには耐水性のある素材を用い、ビーチエリアでラフに乗りこなしても問題ありません。
さらにマルチファンクションステアリングホイールを中心としたデジタル化が徹底されており、クリックと視覚表現が連携して直感的な操作ができるようになっています。運転席と助手席シートが一体型になったピュア2シーターですが、2＋2に変更することも可能です。
ID.バギーの魅力は、デザインやパフォーマンスだけではありません。ボディパネルにも秘密が隠されています。ボディパネルはアルミニウム、スチール、プラスチックを組み合わせた複合ボディで、シャシー部から取り外すことが可能となっています。さらにIDバギーのコンセプトは外部メーカーに公開されているため、このID.バギーをベースに新時代のデューンバギーを製作することもできるようになっています。
VWは、コンパクトクラスの「ID.」からサルーンの「ID.VIZZION」までさまざまなID.シリーズが発表されており、今回のID.バギーはその5番目のモデルとなっています。今後もVWでは様々な楽しいEV車が次々と発表されていくことでしょう。
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