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エスティマにあったルシーダ、エミーナ姉妹車の魅力
2006年に刷新された以降、モデルチェンジをせずに販売が続けられているほどの人気車種となっているトヨタ エスティマですが、初代の販売不調により、派生車が誕生していたのをご存知でしょうか。初代の発売から2年後に誕生したルシーダ/エミーナという「救世主」について解説していきます。
更新日2019/03/27天才タマゴの欠点
初代エスティマ
多人数乗車の乗用タイプミニバンの先駆けとなったエスティマですが、初めから販売好調であったわけではありませんでした。エスティマが市場に投入された1990年ごろは、5ナンバーサイズのクルマが全盛でした。
そんな時代にデビューした初代エスティマのボディサイズは、全長4,750mm×全幅1,800mm×全高1,780mm〜1,820mmというかなり大柄なもの。特に、全幅がネックになり、ライバルの日産 セレナに遅れを取っていました。
そこで、エスティマのパッケージングはそのままに、全長と全幅を5ナンバーサイズに収めたエスティマ ルシーダとエスティマ エミーナが市場に投入されることにありました。全長4,690mm×全幅1,690mm×全高1,780〜1,790mmと、エスティマをひと回り小さくしたルシーダ/エミーナは、子エスティマとも称され、販売台数を伸ばします。ちなみに、車名が2つあるのは、販売系列店の違いによるものです。
幅広いグレード選択が可能だった子エスティマ
エスティマ ルシーダ
本家エスティマには2.4Lのガソリンエンジンモデルしか用意がなかったのに対し、5ナンバー登録を可能とするため、ルシーダとエミーナには2.2Lのディーゼルターボが用意されました。
また幅広いグレードを選択できるのも、ルシーダ/エミーナの特長でした。本家エスティマがワングレード展開だったのに対し、ビニールシートの廉価版にくわえ、スポーツグレード、エスティマ同様の豪華版という選択肢があり、幅広いユーザーに支持されました。
ルシーダ/エミーナの負った宿命
エスティマ エミーナ
エスティマの良いところを残し、開発されたルシーダ/エミーナは、販売好調だったものの利益が少なく、モデルチェンジができない状態でした。ライバルであるセレナの存在もあり、車両本体価格を上げることもできず、薄利で販売を続けたのですが、1990年代が終わりに近づくと、時代は大型ミニバンブームになり、ルシーダ/エミーナの役割は終わりました。
いまや、コンパクトカーでさえ3ナンバークラスの全幅を持つことが当たり前になりましたが、1990年代はじめごろは、5ナンバーが主流で、3ナンバーがとても大きなクルマに見えたものです。そんな時代に生まれたエスティマ ルシーダ/エミーナは、トヨタの思惑通り好調な販売を記録し、2代目エスティマにバトンを渡しました。この子エスティマがなければ、エスティマはいまごろ“時代を先取りしすぎたクルマ”として話題になっていたかもしれませんね。