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あのムラーノにカブリオレがあるのって知ってますか?
ヴェネツィアングラスで有名なイタリアのムラーノ島から名前を頂いたSUVが、日産のムラーノです。日本では、初代と2代目が販売されたのみで、現行型となる3代目は残念ながら手に入れることはできません。そんなムラーノには、かつてカブリオレモデルが存在していました。現れる時代がちょっと早すぎた、幻のモデルを振り返ってみましょう。
更新日2019/06/11ムラーノの歴史
ムラーノは、2002年から北米で販売を開始したSUVです。日本では、一般公開された2003年の東京モーターショーでの反響を受け、2004年から販売をスタートしました。
有機的なデザインで、それまでのSUVの常識を大きく覆した初代は、北米や日本のみにとどまらず世界80か国を超える国々で販売されるなど、それなりの成功を収めました。
その後2008年にはフルモデルチェンジを行ない第2世代へと進化。世界170か国で販売されるようになります。
そして現在の3代目では、生産拠点を日本から米ミシシッピー州のキャントン工場へと移転。中国向けモデルのみ日産東風(中国)で生産が行なわれています。
SUV×オープンエアという奇抜なコンセプト
2007年のLAオートショーでデビューした2代目ムラーノは、初代同様の人気を博します。そんな人気を受けて2011年に新しく仲間入りしたモデルが、クロスカブリオレでした。
SUVにオープンエアを掛け合わせるという、それまでどのメーカーも手をつけていなかったスタイルに挑戦したクロスカブリオレは、乗り味や販売よりも、その奇抜なコンセプトで記憶に残るクルマとなっています。
そのスタイリングは、ドアの数を従来の4枚から2枚に変更し、折りたたみ式の電動ソフトトップを装備。高い開放感を実現しながらも、ポップアップ式のロールバーを標準搭載するなど安全面でも、先進の装備を備えていました。しかし、販売は伸び悩み、また日本に導入されることもなく、2014年には生産を終了しました。
通常のムラーノとは違い、2ドア4シーター
ムラーノのボディサイズは、全長189.9in(4,825mm)×全幅74.1in(1,885mm)×全高68in(1,700mm)、ホイールベースは111.2in(2,825mm)となっています。
※()内は日本国内仕様の数値。
これに対し、クロスカブリオレは、ホイールベースこそ変わらないものの、全長190.1in×全幅74.5in×全高66.2inと、若干の寸法変更を受けてます。
とはいえ、最大の違いはムラーノが5ドア5シーターであったのに対し、クロスカブリオレは2ドア4シーターになっていること。そのためフロントドアは、通常のムラーノよりも7.9in長くなっています。
クロスカブリオレのアイデンティティでもある電動ソフトトップは、トランク内に完全に収まる仕様になっていて、オープン時の美しいスタイリングは特筆もの。クローズドにしたときもスタイリングの破綻がないのも大きな魅力です。テールランプは日産370Z(フェアレディZ)からインスパイアされたLEDライトが使われています。
高級感あふれるインテリア
4名乗車となり後部座席が大きく変更されたクロスカブリオレですが、同時にフロントシートも専用設計のものが採用されています。
ソフトトップは、ウィンドウが後方とその上方、2か所に設けられるというユニークな形状。内装デザインは高級感にあふれており、ラグジュアリーな風格さえ漂わせています。
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3.5L V6を搭載
2代目ムラーノには、2.5L直列4気筒(QR25DE)、3.5L V型気筒(VQ35DE)、2.5L直列4気筒ディーゼル(YD25)の3種類が用意されていましたが、クロスカブリオレは、3.5Lの V6エンジンのみ。
トランスミッションは、6速マニュアルモード付のエクストロニックCVTで、駆動方式はフルタイム4WDのみでした。
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いまとなってみれば、レンジローバーからイヴォーク コンバーチブルが発売され、そのアプローチは決して間違いではなかったことが証明されていますが、当時は革新的すぎて理解されなかった不遇のモデルが、ムラーノ クロスカブリオレです。
2代目の生産終了とともにカタログから姿を消したことで、希少性が高まり、現在でもその人気は衰えることを知りません。ここ数ヶ月、なにかと話題になっている日産ですが、今後、ムラーノに、カブリオレの復活はあるのでしょうか?