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これがあると本格派?に見える装備5選
クロカン4駆に独自のカスタムを行っているクルマをときどき見けます。それらはすべて必要にして行われているものですが、それぞれの用途がいまいち分からない。なんで、あんなものが付いているの?という方のために、それぞれの装備について解説しましょう。
更新日2020/06/12カスタムの素材は、キャメルトロフィー
その昔、キャメルトロフィーという道なき道を行くオフロード競技がありました。1980年に始まり、1981~1998年までローバー社は、ディフェンダーやディスカバリーを供給。その装備こそ究極の4WDスタイルでした。
どれも実用から生まれた物で、現在も純正・後付けを問わず、4WDファンには憧れ。そんな装備を紹介します。一部でもあれば、愛車がグーンと格好良くなりますよ。
動物避けのカンガルーバー
カンガルーバー、またはカンガルーバンパーは、現在はグリルガードと呼ばれています。
フロントグリルの前に装着して、動物などがボディ正面から当たっても、ボディやエンジンルームへの被害を最小限に抑えるためのパーツで、鉄、ステンレス、アルミなどのパイプや角断面材でできています。
その名前からわかるとおり、有名なのはオーストラリアで使うもので、おもな対象動物はカンガルー。でも、愛くるしいカンガルーを可哀そうに思ったのか、現在はブル(牛)バーと呼んだりします。
また、各地域でガードする対称動物や物の違いから、形状や大きさも異なり、ブッシュをかき分けるならブッシュバー、猪対策ならしし狩りガード(日本)。アメリカのパトカーだと追跡した犯罪車にブツけるためのプッシュバー。変わったところでは、一時期パリで流行った、縦列駐車時に前後のクルマを押すためのプッシュバンパーがありました。
世界中、どの地域で走っても、進路上に出てきた動物を避けてはいけない、と教えられます。路肩はダートというところも多く、避けて路肩に落ちると横転したり大事故になったり、2次災害を起こすことがあるからです。
ただしガードなしで動物がぶつかると、大型の鹿や牛だとエンジンがバルクヘッドを押して破るぐらいになりますし、最低でもラジエーターとラジエーターファンが損傷して走行不能になることがあります。地域によっては、走行不能イコール遭難になりますから、エンジンを守ることはとても重要なのです。
カンガルーバーは、1980年代からバブルがはじけるまでの4駆ブームのころに流行って、小型のガードを純正装着したモデルもありましたが、対人にも厳しいことが指摘されるようになり、徐々に純正品はなくなってきました。
しかし海外では純正や社外品が現在もあり、規定以内の寸法(全長30mm以内、全幅20mm以内)や正しい取り付け方法なら車検もOKです。
空気を確実に取り込むためのシュノーケル
日本のクルマ業界では、シュノーケルですが、正しくはスノーケル(Snorkel)で、ダイビング用語でもスノーケルです。アクスルハウジング(Axle Housing)を、アクスルホーシング(これだと馬です)と呼んでしまっていたの同じですね。
スノーケルは、要するに長く上に出した空気吸入用ダクトのことです。通常エアクリーナーのインテイク(吸入口)はエンジンルーム内にあって、川を渡るときなどにそこから水が入ってしまうを避けるために、ルーフまで高くしているわけです。砂や土ボコリが酷い場所でも使われれます。
構造は簡単で、エンジンルームにあるエアクリーナーケースからボディを貫通し、片側のAピラーに沿ってルーフまで、インテイクホースを伸ばしているだけです。
オーストラリア仕様のトヨタ ランドクルーザーには、標準装着モデル(現在は200GX)がラインナップされていて、スノーケル内にサブクリーナーも内蔵しています。
その吸入口は、ランクル純正装着品もダカール用ハイラックスEVOも後ろ向きに開口しています。いっぽう、アフターマーケット品は前向きが多いです。後付けする場合は、ボディに孔を開けるので覚悟が必要です。
車内に載らないものはルーフラックへ
文字通り、ルーフに取り付ける荷物積載用のラック(かご)で、ルーフトレイとも呼ばれます。本格的なキャンプにいくなら荷物が多くなるので必需品でしょう。
ルーフを全部覆うような大型の物や、半分以下のものまで、サイズはさまざまですが、大型でゴツイほうがらしいですね。
材質は、鉄やアルミ(軽量)。積載重量はルーフラック自体の強度もそうですが、クルマのルーフ回りの構造や強度にもよるので、むやみに選べません。ランクル200の純正ルーフトレイ(オーストラリア仕様)では、125㎏です。
取り付けはレインガーター(雨どい)やルーフレールで、ルーフラック本体とは別にラックベースが必要になる場合も多いです。また、クルマによっては取り付けポイントがあって、そこしか取り付け個所がありません。
キャメルトロフィーではスタックラダー(脱出板。現在の物は丸められますが、昔は長い1本物で2本装備)、スコップなどの他に、大きな水溜まりなど見通しが悪い個所での案内役の人間もここに乗せました。
緊急事態から脱出するためのウインチ
ウインチは長いワイア/ロープを巻き取る装置で、自車や他車がスタック・横転したときに引っ張り脱出します。
フロントバンパー(ウインチバンパーという専用のゴイツ物に交換します)の中央に装着。昔は、エンジンをかけ、トランスファーを4Lにして駆動する機械式(PTO=パワーテイクオフ)でしたが、現在の製品は電動になっており、リモコンで車内外から操作できます。
ワイアはスチールの他に、軽い化学合成素材もあります。長さは15~30mぐらいで、木を利用する場合はテープ(ツリートランクプロテクター)を木に巻き、そこにフックやスナッチブロック(滑車付き。ダブルラインで使う場合)を取り付け、ワイアに接続します。
ウインチを選ぶ場合は引っ張る物の重さ(クルマの装備重量)×1.5~2倍の最大牽引力が推奨。ただ、ラダーフレーム車でないと、ウインチで牽引時にクルマ自体が壊れてしまう可能性がありますね。
ウォーン(WARN)、ラムゼイ(RAMSEY)、スーパーウインチ(SUPERWINCH)、アイシン(日本)といったメーカーが有名です。
悪路に強そうをアピールするブロックパターンタイヤ
ゴツいブロックパターンタイヤは、いかにもラフロードを走るというアピール満点です。
各メーカーからいろいろ出ていますが、昔から有名なのがBFグッドリッジ(BF Goodrich)のオールテレン T/Aとマッドテレイン T/Aで、オールテレインのほうがブロックの目が細かく、舗装路、ダート、雪まで万能。マッドテレインは、完全に土・砂などのオフロード向きです。
通常タイヤより路面抵抗が大きく(=ロードノイズも大きい)ので、燃費は確実に低下します。またハンドリングは重めになり、ロールしやくくなる傾向です。
初めて履くなら、他社でもオールテレインタイプがいいでしょう。スタッドレスタイヤではないのでアイスバーンはどちらもグリップを期待できませんが、雪なら空気圧調整次第(かなり落とします)でけっこうトラクションします。
ただ、製品によりますが、同じサイズでも外径が変わる場合があるので、注意が必要です。
オフロードタイヤとセットで欲しいマッドフラップ
マッドフラップ/マッドガードは泥よけで、ホイールハウス後部に取り付け、オフロード走行時にタイヤ巻き上げる泥や石からボディを守るパーツです。また、後続車への飛び石も防ぎます。
特にブロックパターンタイヤは巻き上げが多いので、あったほうがいいでしょう。昔は乗用車にも取り付けましたが、最近はないですね(デコトラは必需品みたいですが)。
実用性が高く、ワイルドさが増すのでドレスアップにもなります。注意したいのは、ここに泥や雪の付着が多くなると、切れたたり取り付けボルトごと落ちたりします。
こうした装備をつねに使う方は、林業や相当なオフロードマニアぐらいでしょうが、そのワイルドな装備スタイルは、ちょっと憧れますよね。クロスカントリーモデルに乗っていればなおさらです。実用品なので、ドレスアップパーツとは一線を画す本物の雰囲気がたまりませんね。