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時代を先取りしすぎたSUV、いすゞ ミュー

いすゞと言えば、現在はトラックやバスといった大型商用車のイメージが強いメーカーですが、1990年代まで乗用車やRVも多く製造販売し、数多くの名車を生み出してきました。なかでも1989年にデビューしたミューは、特異な存在として人々の記憶に残っています。

更新日2020/10/08

ミステリアスでユーティリティ

いすゞ ミュー 初代

初代の全長4,135mm×全幅1,765mm×全高1,695mmというショート&ワイドなボディは、それまでのクロカン四駆に求められていた実用性と大きくかけ離れたもの。エンジンは、当初、直列4気筒2.6Lガソリンと、2.8Lディーゼルの2種類で、1993年に3.1Lディーゼルターボを追加。組み合わせるトランスミッションは、当初5速MTのみという硬派ぶりで、1991年のマイナーチェンジでようやく4速ATが加わりました。

いすゞ ミュー 初代

遊び心あふれるボディの中身は、マニュアルミッションの本格クロカンという通好みの設定。さらに、5ドアだったら…と思えるほど大きく見えるボディに2ドアという割り切りなど、“ミステリアス”と“ユーティリティ”の頭文字を取った車名同様、なにかと不思議なクルマでした。

いすゞの万能SUV、ミュー ウィザードを振り返る

 

ボディはさらに摩訶不思議

堅牢なラダーフレームに、フロントがダブルウィッシュボーン+とションバー、リアはリジッドアクスル+半楕円リーフスプリングという組み合わせは、当時のいすゞ製SUVのスタンダードで、性能は折り紙付きです。

ボディ形状は、ハードカバーまたはソフトトップと、デビュー翌年の1990年に追加されたメタルトップがあり、メタルトップ以外はボディ後半部を開放部としたスタイルが特徴的でした。

一方メタルトップは、それまでのピックアップトラック的なボディ形状から、荷室部分にスチール製のハードトップを取り付けることで剛性を高めました。

いすゞ ミュー 2代目

ボディ後半部分が開放できるオープントップは、2代目のミューにも引き継がれることになり、ミューのトレードマークにもなりました。四方を囲まれたガッチリ感を出すことがクロカンSUVの王道だった時代に、あえてオープンエアを感じられる作りとしたところが、いすゞらしさといえるでしょう。

 

スペシャリティ感は忘れない

ミューは、当時いすゞが販売していたクロカンSUVと多くを共用してため、他車に似ている部分もあったのですが、大きく張り出したブリスターフェンダーに代表されるエクステリアデザインはもちろん、サイドアンダーミラーや後席ヘッドレストの装備など、安全面にもいち早く気を使っていたクルマでした。

またインパネ周りは当時レバー式やダイヤル式スイッチが多い中、クラスタースイッチにこだわり、スッキリとした印象かつ、シンプルな高級感がありました。

飾らない、だけど良いものを黙々と作り続ける、いすゞ自動車というメーカーの神髄が、ミューの中に詰め込まれていたように感じます。

いすゞの万能SUV、ミュー ウィザードを振り返る

 

販売台数で見れば、トヨタや日産にはおよばなかったものの、いすゞの乗用車はそれぞれに個性があり、乗用車の生産中止が発表されたときには、うなだれるファンも少なくありませんでした。

中でもミューは、いすゞの自由闊達なカラーが発揮された1台だったと思います。現在は、世界的にSUVが注目されており、それまでおよびもつかなかったスタイリングやパッケージのSUVが登場しています。そういった意味でミューは、時代を先取りしすぎたクルマだったと言えるかもしれません。

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