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発売から3年で販売終了!?90年代のRVブームに登場したホンダ ジャズとは?

1990年代に起こったRVブームに乗り遅れまいと、当時、RVをラインナップしていなかったホンダが取った政策は、他社の車両をOEM供給してもらうことでした。そのなかの1台に「ジャズ」というクルマがあったことをご存知でしょうか。今回は、知る人ぞ知るホンダ ジャズについて解説します。

更新日2019/04/03

いすゞ ミューのOEM車、ジャズ

ホンダ ジャズ 1993

ホンダのSUVといえば、いまではCR–Vやヴェゼルを思い浮かべることが多いと思いますが、1990年代はじめごろのホンダは、自社でSUVを製造していませんでした。

ホンダ ジャズ 1993

それを補うためホンダは1993年から、ジープ チェロキーの販売にくわえ、イギリスのローバーや日本のいすゞとは、お互いの商品を補完する契約を結び、SUVのラインナップを増やして行きました。そのなかの1台が、いすゞ ミューのOEM車、ジャズでした。

ホンダ ジャズ 1993

実用性よりもクルマの楽しさを前面に打ち出したジャズでしたが、時代が早すぎたのかそれほど販売台数を延ばすことができず、1995年にホンダ初となる自社製SUVのCR–Vの発売と前後して販売終了となったのです。

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全長4,135mm×全幅1,780mmのショートでワイドなボディ

ホンダ ジャズ 1995

全長4,135mm×全幅1,780mm×全高1,695mmのサイズに、2,330mmというホイールベースのショートでワイドなボディに、最高出力120ps/3,600rpm、最大トルク27.5 kgm/2,000rpmを発生する3.1Lの直列4気筒ターボ付ディーゼルエンジンを搭載。駆動方式は、副変速機を備えるパートタイム4WDシステムで、トランスミッションは5速MTと4速ATから選ぶことができました。

ブリスターフェンダーが特徴的なエクステリアは、フロントバンパー、リアバンパー、ドアハンドルにメッキパーツを採用し、ボディと同カラーの電動格納式ヒーテッドドアミラーは標準装備でした。

オリジナルのミューには、ソフトトップの2人乗りも用意されていましたが、ホンダは4人乗り3ドアワゴンタイプのみ。リアシートは左右独立リクライニングできるヘッドレスト付きです。
いすゞのロデオやビッグホーンをベースとしていることもあり、悪路走破性に優れていることも特徴でした。

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いすゞミューとの違いは?

基本はいすゞのミューであり、一見大きな変化は無いように思われますが、いくつかの違いがあります。

ミューには、荷台部にハードカバーを付けた2人乗りと、ソフトトップを付けた2人または4人乗り、さらにメタルトップの4人乗りがラインナップされていましたが、ホンダからジャズとして販売されたのは、4人乗りのメタルトップ(ワゴン)のみ。

専用アルミホイールを標準装備し、ハンドルにはホンダのロゴがあしらわれるほか、シートの素材、ドアトリムもジャズ専用、さらにブレーズピーコックマイカという専用のボディカラーも用意されました。

ちなみにジャズ(Jazz)という車名は、よほど馴染みが良いのか、1982年から1986年まで販売された初代シティの欧州名に始まり、1986年から2001年はアメリカンタイプの原付オートバイ、2001年からはフィットの海外名、2005年からカナダで販売される原付スクーターの名称と、ミューのOEM車も含めれば、これまでに5つのホンダ車に使用されており、2018年には、ジャズ XロードというフィットのライトSUV版も登場しました。

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ショートでワイドなルックスに、SUVでは珍しい3ドアが印象的なホンダのジャズですが、CR-Vの登場によってわずか3年という短い期間で販売を終えました。OEMということもあり、販売台数が少なく、現在では知る人ぞ知る幻の車種となっているのです。

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