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東京モーターショーのコンセプトカーから誕生した、いすゞ ビークロス

現在ではトラックやバスを生産しているイメージが強い、いすゞ自動車。しかし、かつては乗用車やSUVを豊富にラインナップさせ、その中には今見ても個性的なモデルが存在しました。今回はその中の一台、「ビークロス」についてご紹介いたします。

更新日2019/04/03

コンセプトカーから誕生した個性的な一台

いすゞ ビークロス

1993年、第30回東京モーターショーに独特のデザインで注目を浴びたSUVが出展されました。それが「VehiCROSS(ヴィークロス)」と名付けられたコンセプトカーです。

モデルのデザインコンセプトは、「ワイルド&フレンドリー」。全体に丸みを帯びたスポーティなデザインながらも、太いピラーや張り出したフェンダーアーチは骨太感と躍動感があり、若々しくて活動的な印象を与えています。

大径タイヤとワイドトレッド、ショートオーバーハングによる絶妙な塊感が、あらゆる走行シーンに見合った走りの機能の高さを予感させます。

いすゞ ビークロス

内装もスパルタンでスポーティなものでしたが、スタイリッシュな外観との調和も取れており、個性的でありながら親しみやすさや機能性も感じられる、今見ても非常に秀逸なデザインだと感じます。

いすゞはこのコンセプトカーの好評を受け、市販化の開発を進めることになりますが、経営改革に乗り出していたいすゞは、商用車とRV事業に注力することをすでに決定していたことから、ベース車両はジェミニではなくビッグホーンのショートモデルを採用することになりました。

そして市販されたモデルは、どんなクルマだったのでしょうか。

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コンセプトモデルとほぼ同じデザイン

ビークロスのエクステリアデザインは基本的にコンセプトモデルのデザインフィロソフィーを引き継いでいます。しかし、ベース車両が変更されたことから、ボディサイズは大きくなり、コンセプトモデルのような絶妙なサイズ感とは違ってしまったのも事実です。

それでもこのモデルの開発にあたっては、かつてのいすゞの名車「117クーペ」や「初代ピアッツァ」の量産化で培った、高度な生産技術が生かされていると見え、躍動感のあるデザイン性は損なわれていません。有機的でアグレッシブなスタイルはそのままに、ビッグホーンの走破性の高さと基本性能が見事に融合されていました。

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オーソドックスなデザインのインテリア

エクステリアデザインと比較すると、インテリアはかなりオーソドックスな印象です。スイッチ類やシフトレバーのデザインも特に独自性のあるものではありませんでした。

しかし、フロントシートがレカロ社製のスポーツシートであったり、ステアリングもモモ社製のスポーツタイプが装着されていること、ボディサイズの割にはリアシートがタイトであることを考えると、コンセプトを優先させた、かなり割り切ったモデルであることがうかがえます。

デザインを優先し、3ドアの4名乗車というスペックからも想像できるとおり、ラゲッジスペースはそれほど広くありません。2名乗車+荷物という使い方がメインであれば、不満はないレベル、というところでしょう。

 

3.2L V6ガソリンエンジンを搭載

エンジンは3.2LのガソリンV6 DOHC、出力は215psと余裕がありますので、トルクフルな走りが楽しめました。

いすゞといえばディーゼルエンジンが強いイメージがありますが、ガソリンエンジンのみのラインナップとなっていました。

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「オールラウンドリアルスポーツ」というコンセプトに沿った足回り

足回りは、フロントはダブルウィッシュボーン、リアはセンター4リンク式のコイルサスペンションを装備していますが、セッティングはスポーティでハードな味付けとなっており、いすゞが掲げる「オールラウンドリアルスポーツ」というコンセプトに沿ったものに仕上げられていました。ちなみに、タイヤサイズは245/70R16、ブレーキは前後ともベンチレーテッドブレーキが採用されていました。

安全装備としては、衝突エネルギーの吸収効率が良いように設計された剛性の高いボディや運転席、助手席にエアバッグ、ABSといった基本的な安全装備に加わっています。当時は珍しかったリアバックモニターも装着されています。これはリアゲートに収められたスペアタイヤによる後方視界の悪さをカバーするものにもなっていました。

 

今見ても色あせない未来的なデザインは非常に魅力的です。実際に販売した当時のいすゞの判断は、英断だったといえるでしょう。クルマファンとしては、今後もこんな個性的なモデルの誕生に期待したいところです。

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