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SUVの常識を覆したX5 MとX6 M
“M”とだけ聞いてBMWの高性能部門を思い浮かべたあなたはまぎれもなくBMWフリークです!BMWが貫く「駆けぬける歓び」の最高峰に位置するMモデルが存在するのは、クーペやセダンだけではありません。今回は、BMW MのSUVモデルについてご紹介します。
更新日2019/08/08あくまでもモータースポーツのために
そもそも、“M”とどういう意味なのでしょう?ライバルであるメルセデスベンツの高性能部門であるメルセデスAMGは、創立者のハンス・ヴェルナー・アウフレヒト、エンジニアのエアハルト・メルヒャー、アウフレヒトの故郷であるグロース・アスパッハの頭文字に由来しています。
“BMW”がバイエルンのエンジン工場を意味する「バイエリッシェ・モートレン・ヴェルケ」の頭文字から来ているように、地名に由来するのでしょうか?
結論から言うと、「モータースポーツ」の頭文字をとっているのです。あまりにシンプルでひねりがないように思われますが、これこそがBMW Mを理解する上でもっとも重要な要素の1つなのです。
BMW M社が設立されたのは、1972年のことです。その名の通り、BMWのモータースポーツ関連の研究開発やモータースポーツ用車両の生産を行う子会社でした。初めての市販車を発表したのは、1979年のことでした。ミッドシップエンジンを搭載した2シータークーペ、M1です。
これは当時の市販車の高性能モデルではなく、ハンドメイドで生産された正真正銘のスーパーカーでした。その後、1980年代から現在にかけてBMW M社はBMW市販車の高性能モデルを開発するようになりました。
出自がモータースポーツということもあり、Mモデルもそうした思想のもとに開発されています。例えば、モータースポーツにおいて、必要以上の大きなエアロパーツは悪影響です。同じく、パワーも大きければ大きいほどよいというものでもありません。
また、限られた燃料で多くの周回をするためには、燃費性能も追求する必要があります。Mモデルが、時にライバルのハイパフォーマンスモデルと比べて控えめな印象を持つことが多いのは、こうした思想が背景にあるからなのです。
X5 MとX6 MはBMW M社初のSUVモデル
2000年に発表されたX5は、BMW初のクロスオーバーSUVであり、その後の世界的な高級SUVブームを作った重要なモデルです。それまで、悪路走破性能に特化したクロスカントリービークルが多かった中で、オンロードでの性能も気が来上げたX5は、まさにBMWらしいモデルでした。
好評を博したX5は、2007年にフルモデルチェンジを行い、第2世代へと進化しました。そして2009年、BMW Mとしては初となるSUV、X5 Mが発表されたのです。
X5 Mは、7シリーズ搭載されるエンジンをベースにチューニングした、最大555馬力を発揮する4.4リットルツインターボエンジンを搭載し、0-100km/h加速は4.7秒、最高速度は当時のSUVとしては世界最速となる275km/hに達するモンスターマシンでした。
同じく、BMW M社としては初となる4WDシステムも搭載していました。ライバルとなるポルシェ・カイエンのトップモデルであるターボSを上回る性能を誇った最強のSUVでした。
現在販売されている新型X5 Mには、さらに強化された4.4リットルツインターボエンジンが搭載、最大出力は575馬力、新開発の8速ATと組み合わされたことで、0-100km/h加速は4.2秒へと進化しています。
BMWの高級SUVにはX5と並んでX6というモデルがあります。X6は、X5をベースにクーペスタイルの流麗なスタイリングへと仕上げた意欲作であり、こちらもまた、現在多くのブランドが発表しているクーペSUVの先駆けとなるモデルでした。
X6にも同様にMモデルが用意されました。発表もX5 Mと同じ、2009年のニューヨークモーターショーでした。X5 Mと同じエンジンを搭載したX6 Mのスペックは同じくモンスターマシンのそれでした。
エポックメイキングなSUV
X5 MとX6 M、現在の高級SUVの先駆けとなったという意味で、どちらもエポックメイキングなモデルと言えるでしょう。しかし、この両モデルが、ただ単に大排気量のハイパワーエンジンを搭載しているモデルと一線を画しているのは、あくまでもMがモータースポーツを前提としたチューニングを行うブランドだからです。
残念ながら、X5 MやX6 Mでサーキット走行を行うような方は少数派かもしれませんが、もしチャレンジすることがあれば、相当なパフォーマンスを発揮することは間違いないでしょう。
現在では、ベントレー・ベンテイガやランボルギーニ・ウルスといったハイパフォーマンスなSUVが登場していますが、X5 MとX6 Mもまた、それらと並ぶSUVとして、語り継がれていくことでしょう。