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ついに販売終了!トヨタ エスティマの販売が終わってしまう前に振り返ります

トヨタのみならず日本を代表する傑作ミニバンとして知られるエスティマ。1990年から長きにわたって人々を魅了し続けてきた「天才タマゴ」が、ついに2019年10月末をもって生産を終了します。独創的なエンジンレイアウトや画期的な機能でミニバン界をけん引し続けてきた、偉大なる業績をあらためて振り返ってみましょう。

更新日2019/10/09

長きにわたって愛されたトヨタの天才タマゴ

トヨタ エスティマ 初代1989年の東京モーターショーで展示された1台のコンセプトカーが、エスティマの始まりでした。

画期的な展示方法でも話題を集めたこのコンセプトカーは、半年後の1990年5月に、丸みを帯びたフォルムと驚きのエンジンレイアウトから名付けられた「天才タマゴ」というキャッチコピーとともに、市場に投入されました。

北米市場をメインに開発された初代エスティマは、当時のミニバンとしては大柄な全長4,750mm×全幅1,800mm×全高1,780mmというボディに、専用開発された2.4L 直列4気筒エンジンを搭載。トランスミッションは4速ATのみで、後輪駆動のほかに4WDも用意されていました。

当時のミニバンの既成概念をくつがえすコロンとした印象のフォルムもさることながら、注目はエンジンの搭載方法。ホイールベースのセンター、運転席の床下に横向きに75度寝かせてセットするミドシップレイアウトを採用していたのです。この画期的なレイアウトによって、優れたハンドリングと広々とした室内を実現していました。

しかし、日本国内では大きすぎるとの理由から販売がふるわず、1992年には5ナンバーサイズのエスティマ エミーナ&ルシーダが投入されることになります。

エンジンはエスティマ同様の2.4Lガソリンに加えて、2.2Lのインタークーラー付きターボディーゼルが登場。5MTも選べるようになりました。

またさらに1994年8月には、北米市場で非力が指摘されていたエスティマにスーパーチャージャー付きモデルが登場。1998年のマイナーチェンジでは、全グレードのガソリンモデルにスーパーチャージャーが付きました。

2000年に登場した2代目は、丸みのあるフォルムを受け継いでいたものの、エンジンをフロントに配置するFFレイアウトに変更。エンジンは、新開発の2.4L 直4と3.0L V6に加え、デビュー翌年にはハイブリッドもラインアップされました。

またスライドドアを両側に配置、一部グレードでは電動化するなど利便性を高めました。その結果、2代目はカローラやヴィッツに続く人気車種となりました。

トヨタ エスティマ 3代目2代目の人気を受け継ぐ3代目が登場したのは、2006年。精悍になった顔つきやピラー部分のブラックアウトによるフローティングルーフなど、洗練されたエクステリアへと変貌を遂げています。

プラットフォームは、当時のRAV4と同様のものでしたが、同じなのはフロントのみで、リアは専用設計に作り直されていました。このプラットフォームは。後にアルファード/ヴェルファイアにも使用されることになります。。

この3代目は2008年、2012年、2016年にそれぞれマイナーチェンジを行ないながらおよそ13年にわたって生産され、2019年10月末をもって生産終了になりました。

エスティマにあったルシーダ、エミーナ姉妹車の魅力

 

独特のスタイリングと広い室内空間

2代目 エスティマ
エスティマの特徴はなんといってもその丸みを帯びたフォルムにあります。初代エスティマはワンモーションフォルムと呼ばれる楕円形のカタチをしており、ワンボックスカーでありながら運転席よりも前に前輪を置いたミドシップレイアウトを採用していました。本来はコンパクトな大きさのS2エンジンを搭載する予定でしたが、結局S2エンジンの開発が頓挫。そのため一時はエスティマ自体の発売もままならない状況でしたが、それを2.4L直4エンジンを75度傾斜させて搭載することで、当初からの予定だったアンダーフロアミドシップを実現したのです。2代目エスティマではいわゆる一般的なフロントエンジンとなりつつも、丸みを帯びた独特のフォルムは受け継がれています。

初代エスティマが生み出したフラットフロアにより、フロントシートから3列目シートまではほぼ段差がない室内空間となり、ウォークスルーを実現しています。発売当初は前席と2列目シートがキャプテンシートの2:2:3による7名乗車で、のちに登場した「X」ではセカンドシートにもベンチシートを採用し2:3:3による8名乗車を可能にしています。2代目エスティマも基本的には7名もしくは8名乗車となり、フロントエンジンになることでフロア高が低くなりヘッドクリアランスに余裕が生まれています。

トヨタ エスティマ 3代目

また両側スライドドアになったこと利便性も高まりました。3代目エスティマはシートが大幅に向上し、7名乗りモデルでは800mmものスライドを可能にしたリラックスキャプテンシートを採用し、8名乗りモデルはチップアップ機構付きセカンドシートとサードシートの床下格納によって、圧倒的な広さのラゲッジスペースを生み出すことに成功しています。
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初代エスティマ はミッドシップレイアウトを採用するなど、こだわった作り方をしていた

2代目 エスティマ本来エスティマが搭載する予定だったのは、2ストロークのS2と呼ばれるエンジンでした。このS2エンジンの採用によってエンジンルームをコンパクトにするのが当初の目論見でしたが、諸般の事情により開発を断念。そこで代替エンジンに選ばれたのがハイエースの一部から流用された2.4L直4エンジンでした。発売当初はいわゆるNAでしたが、のちにスーパーチャージャーを搭載したモデルも登場します。2代目エスティマでは3.0L V6エンジン搭載モデルが先行販売され、のちに2.4L直4モデルも登場。さらに2001年にはプリウスに続いてトヨタでは2番目となるハイブリッドモデルがラインナップされています。

2代目 エスティマこのエスティマハイブリッドは4WDでありながらプロペラシャフトがなく、リヤを電気モーターで駆動させるという画期的な電気式4WDシステム「E-Four」を採用していることで話題となりました。3代目エスティマも2.4L直4、3.5L V6、ハイブリッドの3タイプがあり、V6モデルはFF車初の280PSを達成、直4モデルもパワーアップが図られ、ハイブリッドは燃費が向上されています。

安全性能に関しては代を重ねるごとに進化を遂げ、2代目エスティマではデュアルエアバッグ、フォースリミッター&プリテンショナー付きシートベルト、EBD付きABSを全グレードに標準で装備。

トヨタ エスティマ 3代目

3代目になると前席のアクティブヘッドレストが全グレード標準装備となり、2012年のマイナーチェンジの際にはS-VSC(ステアリング強調車両安定性制御システム)をV6モデルに標準装備、ハイブリッドモデルには車両接近通報装置を追加装備しています。さらに2016年のマイナーチェンジでは衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C(トヨタ・セーフティ・センスC)」を全グレードに標準装備しています。

本来搭載する予定だったエンジン開発の断念により一時は発売中止も噂されたエスティマ。しかし大胆な発想の転換で見事発売当初のコンセプトを守ることに成功し、以来トヨタのミニバンとして不動の地位を築き上げました。まだミニバンという言葉すらなかった時代からミニバン全盛期の現代まで、エスティマが残した輝かしい歴史は決して色褪せることはないでしょう。

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