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いまやSUV=4WDじゃない?SUVによく採用される駆動方式とは?
クルマの駆動方式には、前輪駆動(FF)、後輪駆動(FR、MR、RR)、4輪駆動(4WD)といった種類があります。では、SUVによく採用されるのはどの駆動方式なのでしょうか?なんとなく「SUVは悪路に強いから4WD」と思っている方もいるでしょう。そこで今回は、それぞれの駆動方式の違いや、メリット・デメリットについて触れながらSUVに採用される駆動方式を紹介します。
更新日2019/11/25前輪駆動(FF)、後輪駆動(FR、MR、RR)、4輪駆動(4WD)の違いは?
そもそも、クルマの駆動方式と聞いてても、イマイチなんのことか、ピンとこない方もいるでしょう。前輪駆動(FF)、後輪駆動(FR、MR、RR)、4輪駆動(4WD)の違いを見ていきましょう。
前輪駆動(FF)とは?
FFとは、「フロントエンジン・フロントドライブ」の略で、車両の前方にエンジンを搭載し、前輪を駆動する(動力を伝える)方式のことです。現在販売されているほとんどのクルマがこのタイプです。
FFはエンジンと駆動系をまとめて前方に配置することができるため、部品点数が少なくコストを下げることができ、また室内空間を多くとることができるというメリットがあります。そのため、コンパクトカーやファミリーカー、ミニバンなど幅広い車種に採用されています。コンパクトカーからミニバン、SUVまで、幅広く採用される駆動方式です。
後輪駆動(FR、MR、RR)とは?
後輪駆動には3種類の方式があります。まずFRですが、これは「フロントエンジン・リアドライブ」の略で、車両前方にエンジンを搭載し、後輪を駆動します。エンジンの動力を後輪に伝えるためのプロペラシャフトが床下を通るため、居住空間はそのぶん狭くなります。
MRとは「ミッドシップエンジン・リアドライブ」の略。前輪と後輪の間、フロントシートの背後にエンジンを搭載し、後輪を駆動する方式です。エンジンのスペースによって居住空間がかなり犠牲になるため、ほとんどの場合、2人乗りのスポーツカーに採用されています。
RRとは「リアエンジン・リアドライブ」の略で、後輪の車軸の上、もしくはそれより後ろにエンジンを搭載し、後輪を駆動する方式です。ポルシェ911シリーズが有名ですが、スマート フォーフォー/ルノー トゥインゴも採用しています。
駆動と操舵輪が別々な後輪駆動車のメリットは、自然なステアリングフィールを得られることで、コストやボディサイズに制約が少ない中型クラス以上の高級車や、スポーツカーによく採用されます。加速やコーナリング特性が味わえることです。
4輪駆動(4WD)とは?
4WDは「フォー・ホイール・ドライブ」、すなわち4つのタイヤすべてを駆動させる方式です。ぬかるんだ道や雪道などのすべりやすい路面や、高速走行時の直進安定性にメリットがあります。SUVにも、4WDモデルを設定している車種は多くあります。
なぜSUVにはFFと4WD以外の駆動方式が採用されないのか?
4WDには主に2種類ある
4WDについてもう少し掘り下げてみましょう。4WDの方式には、大きくわけるとフルタイム4WDとパートタイム4WDの2種類があります。
フルタイム4WDは、いつでも4輪に駆動力が伝達されるようになっている方式で、近年の乗用4WDのほとんどは、乾いた舗装路では前後どちらかだけを駆動し、すべりやすい路面や駆動力を必要とする状況になったら残った2輪に駆動を伝えて走行を安定させます。
スポーツカーや高級車では、四輪の駆動力をさらに細かく制御することによって、コーナリング性能や高速走行時の安定性を向上させるために4WDシステムが活用されています。
一方、パートタイム4WDは、ドライバーが4WDと2WDを任意で切り替えることができる方式です。主にトランスファー(副変速機)レバーか、スイッチによって切り替えます。この方式はメカニズムも簡単でコストもかかりませんが、ドライバーが路面状況を見極めて適切な切り替えを行う必要があります。
シンプルな構造なため、一般的にフルタイム4WDよりも耐久性に優れていると言われ、国産車では、スズキ ジムニーやトヨタ ハイラックス、軽トラックなどに採用されています。
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現在はSUV=4WDではない
SUV=4WDというイメージを持っている方も多いと思いますが、最近では必ずしもそうではありません。現在のSUVはオンロードでの快適性や居住性、広いラゲッジルームの確保などの実用面が重要視される、いわゆるクロスオーバーSUVが人気の中心となっており、なかには4WDの設定がないモデルもあります。
それでもSUVですから、大きなタイヤを装着し、車高を高くしてオフロードでの走破性能を高めることに加え、近年では滑りやすい路面や積雪路面などで、トルク配分とブレーキを細かく制御して、高い走破能力を確保するプジョーのアドバンスト・グリップ・コントロールや、ルノーのエクステンデッドグリップといった機能があり、日常使いで十分な性能を発揮してくれます。
4WDは、車重と機械抵抗によって燃費の低下は避けられません。本格的なオフロード走行を楽しむのでなければ、2WDのSUVに乗るメリットは十分あります。
現在、主流の駆動方式は、FFです。多くのSUVは、そのプラットフォームを共用することで作られています。しかし今後、EV(電気自動車)やHVの開発が加速すれば、FFベースでリアはモーター駆動、または前後にモーターを配置して制御によって4WD化する仕方が増えることが予想されます。そうなるとプラットフォームの設計も大きく変化していくに違いありません。