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シトロエンのSUVに4WDがない理由

2019年夏に発売されたC3 エアクロスをはじめ、DSブランドを含むシトロエンのSUVは、すべてのモデルがFFベースとなっています。アバンギャルドなデザインに、カジュアルさが魅力のシトロエン製SUVは、車両価格もこなれており、ユーザーへの訴求力はライバル以上です。そんなシトロエンのSUVに、4WDがない理由をさまざまな面から検証してみることにします。

更新日2019/11/14

4WDを搭載するメリット・デメリット

4WD

4WD(4輪駆動)とは、その名の通り4つの車輪を駆動するシステムのことで、4輪すべてが駆動することから、海外ではAWD(All Wheel Drive=前輪駆動)とも呼ばれます。
かつては、2WDがベースでシチュエーションに応じて4WDに切り替えるパートタイム式4WDが主流でしたが、最近ではフルタイム式4WDが増えています。

フルタイム式4WDのメリットといえば、悪路における優れた走行性能と、つねに4輪を駆動することで高速走行時でも安定した走行を担保することができることが挙げられます。またスポーツカーではトルクを4輪に配分できるため、加速性能が高いというのも見逃せないところです。
一方のデメリットは、前後車輪の回転差を吸収するセンターデフなどの装置を始めとした複雑なシステムによる車両重量の増大と、足まわりの見直し。それにともなう車両価格の高騰などが挙げられます。

そんなフルタイム式4WDのシステムを簡略化してコストを抑えたシステムが、オンデマンド式4WD(スタンバイ4WD)というものです。
以前はビスカスカップリングという装置がセンターデフのかわりに使われていたオンデマンド式ですが、現在は電子制御によるカップリングが主流。必要に応じて2WDから4WDへと切り替わるお手軽なシステムとして、エントリーモデルからミドルサイズまで、幅広く採用されています。
とはいえ車両を4WD化するには、なんらかのシステムを搭載しなければならないことに変わりはなく、コストアップは避けられません。そこで一部の自動車メーカーでは、SUVのスタイリングに駆動方式はFFのみというモデルが登場しています。

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クロスオーバーSUVの立ち位置

DS 3 CROSSBACK

未舗装路や悪路で高い走破性を持つ4WDシステムですが、流行中のクロスオーバーSUVはおもに街乗りが中心となっていて、持てる性能を活かすシチュエーションに遭遇することなど滅多にありません。
その一方で、クロスオーバーSUVが世界的なトレンドとなり、最近ではセダンやハッチバック、ステーションワゴンはもちろん、ミニバンからもSUV市場にユーザーが流入しています。
ですから砂漠や道なき道で活躍する本格的な4WD車よりも、適正な車両価格で普段使いにちょうど良いクロスオーバーSUVが求められるのは必然ともいえるでしょうし、そのなかには4WD機構そのものの必要性を感じることがないというユーザーも少なくありません。
そこでベースのFFに進化した現代の電子制御技術をプラスすることで、オンデマンド式4WDに近い走行を可能にすれば、メーカーもユーザーもメリットがあるとシトロエンは判断し、FFベースで優れた走破性を持つライトなクロスオーバーSUVという答えが導き出されることになったのでしょう。

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シトロエンの決断

シトロエン C3 エアクロス 2019

JATO JAPANの公開した資料によれば、2018年の欧州新車市場は、前年を346万台うわ回る1,560万台を記録。2007年以降(1,602万台)では、最高の数字となり、欧州の新車市場が安定的に成長していることを表しています。
動力別では、ディーゼル車の需要が大きく落ち込み、代わりに代替燃料自動車がシェアを伸ばしました。その成長は、2017年の132,800台から2018年の195,300台へと47%も上昇した電気自動車(バッテリーEV)がけん引しています。
またボディタイプ別では、SUVが全体の34.6%を占めるという結果に。過去4年を見れば2倍を超える伸びを記録しています。
そんな状況を受け、欧州ではVWグループを筆頭に各社がSUV市場でしのぎを削っおり、マーケットシェアで2位の位置にいるシトロエン擁するPSAグループは、もっとも人気があり、成長率も高いSUVを強化することで販売の増加を狙っているのでしょう。
とはいえ、PSAグループでは、2023年までにラインナップの80%、2025年までに100%を電動化することを宣言しており、持てるリソースをそちらに振り向けていることは想像に難くありません。
そのいっぽうで、既存のFFモデルに進化した電子制御を用いることで、通常のユーザーが使用する環境では不満のない走破性を持たせることで、投資をすくなく流行のクロスオーバーSUVに仕立てるやり方を採用しました。

シトロエンおよびDSブランドのSUVは、駆動方式をすべてFFのみとし、リソースをEV開発に振り向ける。この選択の結果は、数年後に現れます。

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