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トヨタ グランエース発売!SUVに押され気味なミニバンの復権なるか?
初めて実車を見た方のほとんどがその大きさに驚くトヨタの新型フルサイズバン、グランエース。先般行われた東京モーターショーで初披露され、2019年中の発売予定とアナウンスされました。グランエースの登場により、最近SUV人気に押され気味のミニバン市場が、再び活性化する可能性はあるのでしょうか?グランエースの特徴とともに考察いたします。
更新日2019/11/26どんなクルマなのか?
グランエースの一番の特徴は何といってもその迫力のあるボディサイズです。全長5,300mm×全幅1,970mm×全高1,990mmと、トヨタのミニバン アルファードや、本格クロカン4WDランドクルーザーよりも大きなサイズです。
トヨタはグランエースを上質かつ快適な移動空間を持つモデルだと紹介していますので、個人で所有するパーソナルカーやファミリーカーというよりも、社長や会社役員、重役を乗せて移動するショーファードリブンやハイヤーのような、快適な室内空間を優先させたモデルだと言えるでしょう。
セミボンネットのパッケージはワゴンスタイルをより洗練されたものにしており、3列シート6人乗りと4列シート8人乗りの2タイプが設定されています。
フロントマスクは大型のグリルとヘッドライトに一体感のあるクロムフレームで加飾されていますし、リアも先進的で落ち着きのあるデザインのガーニッシュが配置され、その圧倒的な存在感にふさわしい演出がエクステリアにも表現されています。
ちなみにグランエースは、2019年2月にフィリピンで初披露された、海外向けのハイエース新シリーズのワゴン版になります。新開発のシャシー、そして大型のボディサイズ、基本的なスタイリングはグランエースと同じです。
海外、特に新興国ではハイエースの人気が高く、日本と同様多くの荷物を積載する商用はもちろん、乗合バスのような多人数乗車のミニバスとしても活躍しています。そこで新型の海外向けハイエースは、最大で17名の乗車が可能なコミューターが設定されるなど、日本とは異なる規格でグレードや装備が設定されています。ですからグランエースのような高級路線のモデルではなく、あくまでもハイエース、つまり商用バンとしてのシンプルなデザインとなっています。
ゴージャスな内装
グランエースの内装は高級車と表現できる、質感の高いものです。直線を基調としたデザインのインパネは、機能的で落ち着いた雰囲気です。空調吹き出し口やドアオープナーはメタル調加飾が、助手席側正面やドアトリムのスイッチパネル、またセンタートレーは木目調で加飾され、高級感と上質さが演出されています。華美な装飾はなく、スイッチ類やパネルのデザインも比較的シンプルです、インパネは後席の視界にも入ってくる部分ですので、さりげなく、かつ上品な演出は、後席優先のモデルとして大切な要素でもあります。
セカンドシートとサードシートには、独立した本革のキャプテンシートが採用されています。広大な室内空間と調和した、ゆったりとした座り心地の良いシートには、ロングスライド機構やオットマン機構もあり、おもてなし空間としての快適性が備わっています。
フロントシートの背面からサイドトリムに向かって、木目調加飾のパネルが配されるとともに、加飾に沿ってLEDのサイドカラーイルミネーションがさらに上質な雰囲気を演出しています。
主な装備とパフォーマンス
グランエースのエンジンは、1GD型 2.8L 直列4気筒クリーンディーゼルを搭載しています。このエンジンはランドクルーザー プラドやハイエース バンなどにも搭載されている、実績と信頼のあるユニットです。さらにグランエースは、他の多くのミニバンと違いFRレイアウトを採用していますので、大柄なボディでも自然で安定した操縦性を確保することができます。また、トランスミッションは6速ATとなり、滑らかさと低回転からのトルクフルな走りが乗員への快適性を提供します。
リアには、新開発のトレーリングリンク車軸式リアサスペンションを採用。環状骨格構造による高いボディ剛性との組み合わせにより、優れた乗り心地を実現しています。
搭載されるエンジンはディーゼルのみとなりますが、徹底した防振、遮音対策により、高級ワゴンにふさわしい静粛性を得ています。
先進の安全装備も充実しています。歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼間)を検知対象に加えた自動被害軽減ブレーキをはじめ、前後の障害物に対してアクセルとブレーキの踏み間違いによる衝突の回避、被害の軽減をサポートするシステムなど、トヨタ予防安全パッケージ、トヨタ・セーフティ・センスが搭載されています。
また、先進のディスプレイオーディオも装備されており、スマートフォン連携機能によって、普段使用している地図アプリや音楽アプリなどを地図上で表示、操作することが可能です。
グランエースは後席優先の高級モデルという位置付けではありますが、これまでにはなかったサイズのワゴンモデルであり、大きな注目を集めています。クロスオーバーSUVの持つ、スポーツカー並の走行性能や高い自由度を持つデザインといった魅力とはまた異なる方向性のモデルではありますが、グランエースが新たな価値や需要を生み出していく可能性もあります。最近SUVの人気に押され気味のミニバン市場ではありますが、あらためてワゴンが注目されるようになるきっかけを作ってくれるかもしれませんね。今後の動向に注目してみたいと思います。