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SUVにもホモロゲーションモデルがあった?三菱 パジェロエボリューションとは?
ホモロゲーションモデルと言えば、モータースポーツ参戦のために生産されたスペシャルなスーパーカーというイメージが強いかもしれません。しかし、過去にSUVのホモロゲーションモデルが存在していました。それがダカールラリーの為に誕生したスペシャルSUV、パジェロエボリューションです。
更新日2020/07/22パリダカとパジェロの深い関係
1982年にデビューしたパジェロはダカールラリーと深い関係があります。パジェロは世界一過酷な自動車競技と言われるこのラリーに、販売開始直後の1983年から参戦を開始し、初参戦ながら市販車無改造クラスで総合優勝、そして1985年には総合優勝に輝きます。その後もパジェロは数回優勝し知名度を上げていきました。パリダカでの活躍がヨーロッパを中心とした海外市場での人気のキッカケとなったのです。
ダカールラリーへの参戦を続けていく三菱とパジェロですが、1997年にレギュレーションが大きく変更されました。改造範囲に大きく規制が加えられることとなり、パジェロは市販車改造クラスへ参戦するクラスを変更することを決めます。
市販モデルの性能が勝敗に大きな影響を及ぼすこととなったので、三菱に対して高性能な市販モデルを開発して欲しいという声がプライベーターチームを中心に集まりました。こうして登場したのが、パジェロショートをベースにし、ダカールラリーを主眼に開発したパジェロエボリューションなのです。
パジェロエボリューションのエクステリア(外装)&インテリア(内装)
一目見てパジェロと認識することができるエクステリアですが、ノーマルとは異なるインパクト抜群のエアロパーツが目を引きます。
フォグランプを装備したフロントバンパーや空力を配慮したリアスポイラー、冷却を考えエアインテークが開けられた軽量なアルミボンネットや大きな開口部を与えられたラジエーターグリルなどといったエアロパーツが専用で与えられ、只者ではない雰囲気を醸し出しています。しかし、最もインパクトがあるのは大きく膨らんだフェンダーです。全幅で90mm広げられたこのオーバーフェンダーは、コーナリング性能や悪路走破性を向上するために装着されました。しかし一番の目的は専用開発されたサスペンションARMIE(アーミー)サスペンションを収めるためとも言われています。
ここまでスパルタンなエクステリアからは想像できないほど、インテリアは快適装備満載の豪華仕様となっています。インパネに取り付けられたカーボン調のパネルやレカロのスポーツシートなどがスポーティな印象を演出していますが、フルオートエアコンやオーディオシステム、セーフティ機構付きパワーウィンドウやプライバシーガラスなどといったラリーベース車とは思えない豪華装備が充実しているのです。
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パジェロエボリューション独自のメカニズムとは?
見た目の凄さもインパクト大ですが、やはり採用された専用メカニズムにも注目ポイントが多くあります。
まずはエンジン、1997年からダカールラリーでターボエンジンが禁止となったため、三菱はパジェロエボリューションに専用チューニングを施した大排気量の自然吸気エンジンを搭載することを決定します。既にラインアップに含まれていたV6 3.5Lエンジンをベースに、三菱の可変バルブタイミング機構MIVECを採用しあらゆる回転数から高トルクを発生する扱いやすい仕様となっています。最高出力は当時の自主規制いっぱいの206kW(280PS)/6,500rpm、最大トルク348.1Nm(35.5kgm)/3,000rpmスペックを実現しました。
専用開発されたARMIEサスペンションは、本格オフロード4WDモデルとしては初めての4輪独立サスペンションとなっていて、フリクションが少なく安定したロール軸特性を実現。ショックアブソーバーの減衰力を最適化することで、フロント240mm、リア270mmという超ロングストロークを実現し、オフロードとオンロード両方の性能を向上させつつ乗り心地も良くなっています。
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パジェロエボリューションは中古で狙えるのか?
37年のパジェロの歴史の中でも最もスペシャルと言えるパジェロエボリューション、現在中古車で手に入れようとした場合選択肢は限られてきます。全国の販売台数は約10台となっており、価格帯は130万円から300万円と開きがあります。中古車の在庫が少ないので、個体を選んでいられない状態とも言えるでしょう。
パジェロエボリューションにはマニュアルとオートマチックの2種類のトランスミッションがありますが、中古車個体数としてはマニュアルの方が少なくなります。トランスミッションによる価格差はあまりなく状態や走行距離によって価格差がついているという印象です。
これほどまでにキャラの濃いSUVは他にない
競技のために生まれたホモロゲーションモデルでありながら、快適装備満載のスペシャリティカーとしての要素も持っていたパジェロエボリューション。これほどまでにキャラクターの濃いSUVは他にはなかなか存在しないでしょう。今後もこのようなモデルは出てこないと思うので、もしかするとこのようなスペシャルなSUVに乗れるのは今がラストチャンスかもしれません。