SUVなのに…車検証に「ステーションワゴン」と書かれているのはなぜ?
クルマのカタチには様々な種類があります。セダン、クーペ、SUV、ワゴン、ミニバン、ハッチバックやオープンカーなど、形状や用途によって呼び分けがあるのです。 近年人気が爆発しているSUV。購入していざ納車となった時に車検証を見ると、SUVの文字はありません。そこにはステーションワゴンと記載されているのですが、これはなぜでしょうか。車検証に書いてある「車体の形状」に関する謎を解明していきます。
更新日2022/06/16そもそもSUVの定義は?
SUVとはSport Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の略で、日本語に直訳するとスポーツ用多目的車となります。日常生活で起こる送迎や買い物以外にも、レジャーやキャンプで使用する、様々な路面を走行できるなど、多目的に対する意味は広くとられているのです。
厳密に、SUVというのはこういうクルマであるという定義はありません。販売する際に、メーカーが「このクルマはSUVです」と言ってしまえば、SUVとして認知されるのですが、大まかに条件を考えていくと次のようになるでしょう。
・荷室が広く、荷物がたくさん積み込める
・セダンやハッチバックなどと比べて最低地上高が高い
・比較的大きなタイヤを装着し、悪路走破性が高い
こうした条件に当てはまらないクルマがSUVにカテゴライズされるケースもあります。具体的な数字での区分が無いことから、原型となる車種よりも少し車高が高い場合、少し大きく荷物が積みやすい場合などでもSUVと名乗るケースも多いです。
多目的車といわれるだけに、曖昧な立場にあるのがSUVなのです。
車体形状は「箱型」「幌型」「ステーションワゴン」の3種類だけ
では、なぜ車検証の車体形状の欄にはSUVという記載がされないのでしょうか。規定が難しいという側面もありますが、車検証に記載できる車体形状には、乗車定員が10名以下の場合、「箱型」「幌型」「ステーションワゴン」の3種類しかないのです。
箱型が最もベーシックな形で、セダンやクーペ、スポーツカーなどは、ほとんどがココに括られます。トヨタ クラウンやカムリ、レクサスRCやLC、ポルシェ911も箱型です。
ステーションワゴンは、セダンを軸に考えて車体後方が大きく荷室として利用されているクルマを指します。スバル レガシィやトヨタ カローラツーリングはもちろん、少し背が高いミニバン)トヨタ アルファード等)やSUV(トヨタ ハリアー等)もステーションワゴンです。
幌型はオープンカーの事を指します。代表的なのはマツダ ロードスター等ですが、コンバーチブルやカブリオレ、スパイダーなども幌型です。頭上が完全に開放できるクルマが幌型となりますが、Tバールーフやタルガトップのように、頭上が開放されるものの骨組み部分が一部残るクルマは、幌型ではなく箱型として扱われることとなります。
スバル 新型レガシィアウトバックを4WD外車(輸入車)ステーションワゴンと比較
車体形状はメーカーの自己申請
車検証に記載される車体の形状については、基本的にメーカーの自己申請で定められます。例えば箱型とステーションワゴンの境界線にいるクルマでは、メーカーがどちらを選ぶかによって、表記が変わってくるということです。
例えば、スズキ スイフトとホンダ フィット。どちらもコンパクトハッチバックのクルマですが、スイフトは箱型、フィットはステーションワゴンと記載されています。スズキはスイフトを箱型として申告し、ホンダはフィットをステーションワゴンとして申告したため、こうした違いが生まれているわけです。
明確な基準が無いだけに、どう表記されるかはメーカーのさじ加減になります。
クルマのカテゴリーが増えてきたのは、自動車の長い歴史から考えると、非常に近代的なものです。様々な種類のクルマが生まれ、それをわかりやすくカテゴライズしていますが、法規・法令の中では、多様な区分けは必要ないということでしょう。
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文・SUV FREAKS編集部
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