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ミニではないミニバン、シボレーアストロの魅力
更新日2019/05/14シボレーアストロってどんなクルマ?
2代目シボレー アストロ 1998
アメリカでは、1980年代以前から、全長が5mを越えるボディに5.0Lを越えるエンジンを搭載したフルサイズバンが生産されていました。それに対し、同様な箱型のスタイリングを持ちながら、ひと回り小さいサイズがミニバンと呼ばれます(とっても日本では十分に大きいのですが…)。
ミニバンの始まりは、1984年、米国クライスラー社がダッジブランドから発売したキャラバン(プリマス ボイジャー) で、フルサイズバンを必要としないユーザーを中心に、大ヒットを記録しました。
それに対抗するため、GMは1985年にシボレーブランドからアストロを投入。キャラバンよりも背が高く、より頑丈で、よりパワフルであることを目標に開発されました。
キャラバンがFFモデルであったのに対し、デビュー当初FRモデルとして登場したアストロは、ドライバビリティに優れ、牽引能力も6,000ポンド(およそ2.7t)と、キャンピングカー、トレーラーを日常的に牽引するアメリカでは実用性も備えたモデルでした。
アストロの魅力は?
アストロは、2005年に生産終了となるまで、エンジン、駆動方式、安全装備の充実などによって、中身を大きく変えることなく継続して販売が続けられたモデルです。唯一のフェイスリフトは1995年のことで、フェイスリフト以降を2代目、それ以前を初代として区別されます。
室内は、5名乗車を基本に、最大で8名乗車も選ぶことができました。
エンジンは、当初、最高出力150psの4.3L V6 OHVと、最高出力99psの2.5L 直列4気筒でしたが、91年にはV6の175ps版、さらに翌年にはハイパフォーマンス版として200ps(2WDモデル限定)版も登場。ベースのV6も、93年モデルで165ps、ビッグマイナーチェンジが施された95年モデルでは、190psに引き上げられました。
このエンジンに組み合わせられるトランスミッションは4速AT。93年モデルからは電子制御が進化し、滑りやすい路面での発進をしやすくするため、2速発進機能も搭載されました。
日本へは、コーチビルダーが屋根や内装、車体後部を手がけたコンバージョンモデルが多く輸入されました。その内装は、本革シートや木目パネル、シャンデリアで豪華に架装され、さらにスタイリッシュなFRP製のハイルーフやエアロパーツなど、カスタムモデルならではの存在感と高級感は、バブル景気に湧く日本で人気となりました。
そのため、アストロといえばコンバージョンモデルをイメージする人が非常に多いそうです。
しかし90年代に国産ミニバンが続々と登場し、左ハンドルでスライドドアは右側のみ、さらに燃費の悪かったアストロの人気は、当然のように衰退し、市場の注目は国産ミニバンへと移っていったのです。
とはいえ、本国アメリカでは20年間販売が続けられたロングセラーであり、いまでも大切に乗っているファンが多く存在する希少なモデルなのです。
ミニバンを作らせたら日本のメーカーが一番上手という評価があるいっぽうで、シボレー アストロはアメリカ車らしい力強いエンジンと豪華な内装、広い車内が魅力でした。それにくわえ、日本におけるミニバンブームのマイルストーンでもありました。