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SUVのトランスミッションはどれを選べばいいの?
乗用車のトランスミッションには様々な種類があり、それぞれに特徴やメリットがあります。SUVも同様ですが、購入を検討する際には、搭載されているトランスミッションにも注目したいですよね。そこで本記事では、SUVに設定されているトランスミッションをいくつかご紹介し、その特徴とメリットデメリットについて解説いたします。
更新日2019/12/09CVT
CVTは無段変速機と呼ばれるもので、MTや他のATのように何段かの変速比を選択するのではなく、走行中無段階で変速をしながら、自動的に一番効率の良いエンジン回転域を維持することができます。
CVTの仕組みは、エンジンの動力につながったドライブプーリー(滑車)と、ドライブシャフトにつながったドリブンプーリーという2つのプーリーにスチールベルトが掛けられ、それぞれのプーリーの溝幅を変化させることで円弧半径を変え、変速比をコントロールするというものです。
ですからCVTは加速時や減速時にも、シフトチェンジの段差のない、スムーズな走行を楽しむことができます。もっとも燃焼効率の高い回転域を常時使用することによって優れた燃費性能を引き出すこともできますから、経済的な面でのメリットもあります。また、プーリーの溝幅をドライバー側の操作で任意に選択、または固定することで、エンジンの回転数を高い状態で維持したり、有段ATのような変速を行ったり、長い下り坂でエンジンブレーキの効きを高めるといった使い方も可能です。
一方で、デメリットもあります。無段階変速はたしかにスムーズですが、先にエンジンの回転が上がって後から速度が付いてくるようなフィーリングは、ダイレクト感のあるスポーティな味わいを求めるドライバーにとっては違和感が大きく、好まない人も多いようです。
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ステップAT
トルクコンバータ式ATの特徴は、エンジンからもたらされる動力がトルクコンバータと呼ばれるオイル(流体)で満たされた機構に繋がっており、エンジンが作動している間は常にオイルに回転する流れを作り続けているというものです。このオイルの流れはエンジンの動力を伝達すると共にエンジンのトルクを増幅させる役割も果たしているため、スムーズで滑らかな発進や変速を助け、効率の良い伝達ができます。
変速の役割はプラネタリギアが担い、油圧によって作動するクラッチを変えることで変速を行います。一昔前までは4速のATが多かったのですが、現在では6速が多く、中には8速、9速、最近では10速のものも登場しています。
最近のATは変速ショックも少なく、スムーズで滑らかな発進と加速が味わえます。また昔のATよりダイレクトな走行フィールが得られるようになっていますので、極低速域での緻密な制御が求められるオフロード走行でも、快適な走りが楽しめます。トヨタ ランドクルーザーやハイラックスには6速ATが搭載されていますが、パワフルなエンジンのトルク特性を存分に生かすことのできるATと言えるでしょう。
ステップATの欠点は、技術の進歩によりかなり改善されています。あえてあげるとすれば、8速や9速などのATはコストが高いため、搭載されるのが一部の高級車などに限られてしまうという事です。
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DSG
DSGはフォルクスワーゲンによる名称で、ダイレクト・シフト・ギヤボックスの略です。DSGは前述のようなトルクコンバータ式ATとは違い、基本的にはMTと同様のギヤボックスを持ちながら、2つのクラッチを交互につなぐ事で自動で変速を行う機構です。2ペダルですのでAT限定免許でも運転が可能です。
MTのようなダイレクトな伝達が可能でありながら、電子制御による緻密なエンジン出力制御とクラッチコントロールにより、スムーズで素速い変速が可能になっているのが最大のメリットでしょう。その変速の素早さは、0.03〜0.04秒とレーシングドライバー並ですが、フォルクスワーゲン ティグアンなどにも採用されており、クロスオーバーSUVでもスポーティな走行フィールを楽しめるようになっています。
DSGのデメリットは、いくら緻密な制御がなされているとはいえ、トルクコンバータ式ATのような滑らかな発進や変速は苦手であることや、MTより機構が複雑になるため重量増が避けられないことでしょう。
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マニュアルトランスミッション
北米や日本では、圧倒的にATに支持されていますが、欧州などはMTがまだまだ主役級です。日本でも少数ながら、MTの操作感やダイレクトなフィーリングを好む方もおられるでしょう。
SUVではマツダ CX-5をはじめ、グローバルなニーズにこたえるためにMTを設定しているモデルがあります。以前はMTの方が燃費が良いと言われていましたが、技術の進歩によってATでも燃費が良く、フィーリングも非常に良いものになっています。
高い運転技術を持つ人であれば、ATよりもスムーズで自然にクルマを走らせることができますし、運転が好きな方であれば、「操作を楽しむ」という大きなメリットが得られます。
CX-5のMTは「軽快なシフトフィールと燃費性能を高めること」をコンセプトに開発されており、従来の構造にとらわれない設計を一から行うことで、本体の大幅な軽量化と軽快で節度感のあるシフトフィールを実現しています。
MTのデメリットは、AT限定免許では運転できないこと、運転操作が多いため、渋滞など発進・停止が長時間続くような場面では疲れることなどがあげられるでしょう。
SUVにもさまざまなトランスミッションが採用されています。これらの違いによって走行フィールはかなり変わりますので、自分の好みのものを選びましょう。市街地走行を中心とした使い方なのか、また高速道路や郊外の山道が中心となるのか、あるいはオフロード走行が中心となるのかによっても変わってくるに違いありません。