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超個性的!X-90という2シーターSUVを知っていますか?
X-90は1995年10月にスズキが発売したSUVです。開発コードそのままの車名と、2シーター&3BOXというパッケージは、大きなインパクトを与えましたが、あまりに個性的すぎたのか、市場には受け入れられることなく、短期間で姿を消してしまいました。そんな革新的SUVだったX-90を紹介していきます。
更新日2020/01/15奇抜なSUVが生まれた経緯
X-90が初登場したのは、発売から2年前の1993年の東京モーターショーです。その後、海外のモーターショーにも出品され、各国で好評を得たことから、1995年10月にまず日本で発売されました。
1995年は、前年にトヨタ RAV4が発売され、四駆がRVからクロスオーバーSUVへと移行していた時期でもあり、各メーカーから新しいコンセプトのSUVが市場に投入されていました。
そんな中スズキは、コンセプトカーそのままのX-90を投入しますが、さすがに奇抜すぎたのか、わずか2年間で千数百台で販売が終了しました。
2シーター×SUVというオリジナリティ
リヤトランクが独立した3BOXボディに2シーター、脱着可能なガラスのTバールーフなど、軽スポーツのカプチーノをクロスオーバーに仕立て直したような外観のボディサイズは、全長3,710㎜×全幅1,695㎜×全高1,550㎜。
それにホイールベース2,200㎜、最低地上高160㎜を確保し、副変速機を持つ4WD方式を組み合わせていました。
特徴的なルーフはワンタッチで脱着可能。ガラスルーフによってルーフ装着時でも開放感があります。
また、取り外したルーフを専用カバーに入れてリアトランク内に収納できるなど、X-90は、それまでのヨンクのイメージからはかけ離れた、スペシャリティカーとしての役割も担っていたと思います。
オンロード、オフロードどちらでも活躍
搭載されたパワーユニットは、1.6L 直列4気筒SOHC16バルブオールアルミエンジンで、最高出力は73.5kW(100PS)/6,000rpm、最大トルクは137Nm(14.0kgm)/4,500rpmとなっています。
駆動方式はパートタイム4WDを採用し、5速MTか4速ATのトランスミッションを選択できました。
ファニーな見た目とは裏腹に、中味はラダーフレームを持つ本格的なクロスカントリーSUVで、悪路走破性にも優れていました
前輪がマクファーソンストラット式で、後輪がトレーリングウィズセンターウィシュボーン式というエスクードと同様のサスペンションは、荒れた路面でもしっかりと機能する剛性の高さと、快適性を両立しています。
タイヤサイズは195/65R15を採用しており、SUVとしては小さめのタイヤ設定です。オンロード、オフロードのどちらの路面でも活躍できるよう、あえて大きなオフロードタイヤを使用せず、乗用車用タイヤを装着できるサイズ設定とすることで、オフロード専用車ではないことを示しているのでしょう。
2シーターという制約もあり、室内のシートにはセミバケットタイプを採用。自然な着座位置と、Tバールーフがもたらす解放感は、唯一無二の存在です。
2シーターSUVはもう出ない?
SUVとして非常に稀な特徴を備えていたX-90ですが、同時期、いすゞからはピックアップトラックをベースにした2シーターのミューが発売されており、若者の人気を集めました。
しかし、現在、2シーターのSUVは販売されていません。そもそも現在の市場において、2シーター需要は非常に低く、スペシャリティクーペでもリヤシートを採用して乗車定員が4名となっているクルマがほとんど。そんななか、使い勝手の悪い2シーターのSUVが登場する余地はあるのでしょうか?
考えられるのは、レンジローバーなどブランド力のあるメーカーが、ある車種の派生モデルとしてリリースするケースですが、多人数乗車が可能でワゴンよりも使い勝手が良く、いざとなれば悪路にも強いという現在のクロスオーバーSUVの立ち位置を考えると、その可能性は非常に低いものであることは想像に難くありません。
もしあるとすれば、東京モーターショー2019で、三菱自動車が出品したMI-TECH CONCEPTのように、遊びを前提としたバギータイプのSUV かもしれません。
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当時、非常に斬新なコンセプトで、生まれる時代が早すぎた感もあるX-90。ベースのエスクードに3ドアモデルがあったことから生まれたモデルが、現在のSUV市場に投入された場合、どんな評価を受けることになったのでしょう。
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