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ウルスの前にランボルギーニのSUVが存在した?LM002とはどんなクルマ?

ランボルギーニが販売するSUVといえばウルスが有名です。しかしウルスが登場する約30年前にランボルギーニが作り出した本格オフロードの市販モデルが存在していました。今回はそんなランボルギーニ初のオフロード向けモデルLM002について紹介していきます。

更新日2020/07/21

LM002の起源は軍用向けに開発した高機動車

ランボルギーニ チーター1986年に登場したLM002ですが、その起源は1970年代まで遡ります。当時ランボルギーニ社はアメリカ軍向けの新しい高機動車を開発していました。チーターと名付けられたこのモデルは1977年にジュネーブモーターショーでプロトタイプを展示。チーターはリアにクライスラー製5.9L V8エンジンを搭載し、3速オートマチックトランスミッションを採用した4WDでした。

しかし、チーターはハンドリング性能が悪く、V8エンジンも180馬力程度と約2トン車重に対して非力であったため、全体的に高性能とは言い難いモデルでした。その結果実際にアメリカ軍によるテストなどは行われることがなく、姿を消します。

このチーターの開発で得たものを市販モデルへと転用しようとして、1981年にジュネーブモーターショーで発表されたプロトタイプがLM001です。チーターと比べるとドアが取り付けられるなど実用的になったエクステリアの他に、アメリカのAMC社製の5.9L V8エンジンへ変更を受けています。このプロトタイプを経て量産モデルとして完成したのがLM002なのです。

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LM002はランボルギーニブランドの名に恥じない性能を手にした

ランボルギーニ LM002市販モデルとして生まれ変わったLM002はチーターやLM001と比べると大きく異なる点があります。まずはエンジン搭載位置です。リアにエンジンを搭載していたチーターやLM001と異なり、LM002はフロントにエンジンを搭載しています。

そしてその搭載されたエンジンも今までとは大きく異なります。それまでは他社製のV8エンジンを搭載していましたが、このモデルにはカウンタックに搭載されていた5.2L V12を、LM002用に仕様変更した450馬力を発生するエンジンが搭載されていました。またトランスミッションも3速オートマチックから5速マニュアルへ変更されています。

ランボルギーニ LM002このような市販モデル独自の改良により2.7トンという重たい車両重量ながらも、200km/hを超える最高速度と、静止状態から100km/hまでの加速は7.8秒というランボルギーニの名前に恥じない性能を誇ります。

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LM002独自の装備は驚かされるものばかり

LM002は他のSUVでは類を見ない装備を採用しているのも特徴と言えます。まず興味深いのが、このモデル専用に用意されたタイヤです。採用された専用タイヤであるピレリ社製スコーピオンは325/65VR17という他では類を見ないタイヤサイズで、砂地や高温にも対応できる設計となっています。

そして燃料タンク、2.7トンという超ヘビー級の車重と、5.2Lという大排気量エンジンの組み合わせでは燃費性能が優れないのは当然です。そこで290Lという市販モデルとしては規格外とも言える大容量燃料タンクが装備されました。

 

ランボルギーニらしいデザイン

ランボルギーニ LM002エクステリアデザインはチーターやLM001で感じられる本格オフローダーの機能性を残しながらも、全体的に角ばった見た目や、センターが鋭角的に盛り上げられたエンジンフード、同時期に販売されていたカウンタッククワトロバルボーレを思わせるオーバーフェンダーなど、当時のランボルギーニらしさ溢れるデザインとなっています。

見た目のインパクトも抜群のLM002ですが、インテリアを見るとその豪華さに驚かされます。その特徴はふんだんに使用されたレザーです。前後のシートはもちろん、ドアの内張やセンターコンソールにもレザーが多用されています。さらにメーターパネルにはウッドが使用されるなど軍用車に起源があるモデルとは思えない仕上がりとなっています。

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ダカールラリーを目指したLM002

LM002をベースに世界一の過酷と言われるモータースポーツであるダカールラリーの参戦を目指して制作された車両が2台ありました。シートはフロント2座席のみとし、不要なものは取り払い、ロールケージやラリータイマーなどのラリーに必要な装備を取り付けていました。

メカニズム面の改造点としてはサスペンションの変更や、600馬力にパワーアップされたエンジンなどが挙げられます。しかし、残念ながらダカールラリー実戦投入はされることはなく、現在はコレクターの手にあると言われています。

 

元祖スーパーSUV LM002

ハイパワーなエンジンを搭載し、豪華なインテリアを持つスーパーSUVというコンセプトは、現在ウルスを始め数多く見受けられますが当時は珍しいモデルでした。石油原産国の富裕層を狙ったとも言われているLM002ですが、爆発的なヒットモデルとはならず生産台数は1986年から1993年の約7年間で300台ほどと言われています。当時経営者の入れ替わりが激しく、経営が安定していないと言えなかったランボルギーニですが、もし安定した経営の中でLM002の改良にも注力できれば、新たな市場を開拓するSUVとしてヒットしていたかもしれません。

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