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ダウンサイジングエンジンが喧しくないワケ

高級車といえば、静かでなめらかな走り、そしてイザという時にはゆとりのあるパワーで力強く加速、というイメージがあります。しかし最近では、欧州車を中心にダウンサイジングエンジンが、さまざまなモデルに搭載されるようになり、日本でもその傾向が広まりつつあります。小排気量エンジンでは静かさやパワーの面でデメリットが大きいように感じますが、実際にはどうなのでしょうか?

更新日2019/11/13

エンジンの基礎知識

エンジン

クルマが大きくなると、車重も重くなります。ですから必然的に、大きなクルマにはパワーのあるエンジンを搭載しなければなりません。

エンジンのパワーを上げる方法としては、排気量を大きくする、ターボなどの過給器を搭載するといったものがありますが、以前のミドルクラス以上のモデルには、滑らかで上質な回転フィールと、低回転から自然に吹け上がる6気筒以上のNAエンジンが搭載されるケースがほとんどでした。

エンジンの排気量が大きければ、低回転でもトルクとパワーを出すことができ、音を小さくできる、つまり高級車にふさわしい静かなエンジンを搭載することができますが、排気量が大きくなればなるほど燃料消費量が増え、燃費は悪くなります。

いっぽう排気量を小さくすると燃費は良くなりますが、パワーを稼ぐためにはターボなどの過給器を搭載する必要があります。ターボは排気ガスを使ってタービンを回し、圧縮した空気を送るという仕組みになるため、排気ガスの少ない低回転域ではどうしてもパワーが足りず、高回転まで回すことになりますが、そうなると走行中のエンジン音が大きくなって、うるさく感じてしまいます。

そのため高級車には、大きな排気量が好まれていたのです。

ダウンサイジングターボを搭載した国産SUV4選

 

ダウンサイジングターボとは?

近年、地球温暖化ガスの削減への取り組みが世界的に加速しており、特に化石燃料を中心とする自動車の排出ガスの削減に関する規制は年々厳しくなっています。
欧州では、燃費の悪い大排気量エンジンをやめて、排気量の小さいエンジンにターボを載せ、車重に応じたパワーを得る「ダウンサイジングターボ」をミドルクラス以上のモデルに搭載するようになっています。

ユーザーとしては、低燃費で環境に優しいクルマに乗れるのは嬉しいことですが、高級車に小排気量エンジンを載せて、車格にふさわしい静かさが得られるのかどうかが心配です。

しかし近年の技術の進歩により、この問題は解決されてきました。たとえば、ターボが低回転域からでも十分過給できるよう、タービンを小さくしたり、空気の流入経路を狭小化したりしています。また、トランスミッションを多段化することにより、小排気量車にありがちな狭いパワーバンドで、一番効率の良い部分を使うことができるようになったことも、この技術を支えるうえでプラスになっています。

また、エンジンの小排気量化と気筒数の減少により振動と音は大きくなるはずですが、近年の遮音技術と制振技術の向上により、車内で不快なエンジンノイズや振動を感じることはまずありません。

この点については、ファミリーカーや商用車など、遮音材や制振技術に多くのコストをかけられないモデルではなく、ある程度の価格帯以上でダウンサイジングターボが採用されている理由にもなっています。

スズキ エスクード1.4ターボってどんなクルマ?

 

代表的なダウンサイジングエンジンを搭載したSUV

では、ダウンサイジングエンジンを搭載した代表的なモデルをいくつか紹介しましょう。

三菱 エクリプスクロス

三菱 エクリプス クロス 2018

三菱 エクリプスクロスには、1.5L直噴ターボというダウンサイジングエンジンが用意されています。2.4L自然吸気エンジンに匹敵するレスポンスとトルクフルな走りが楽しめます。
1.5L直噴ターボの最高出力は、110kW(150PS)/5,500rpm、最大トルクは240Nm(24.5kgm)/2,000〜3,500rpm、JC08モード燃費は15.0km/L(2WD)です。

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スズキ エスクード

スズキ エスクード 1.4ターボ 2018

スズキ エスクードには1.4Lの直噴ターボエンジンが搭載されています。2.0L自然吸気エンジン並の力強い走りと、ロングドライブで威力を発揮する低燃費性を実現しています。
1.4L直噴ターボの最高出力は、100kW(136PS)/5,500rpm、最大トルクは210Nm(21.4kgm)/2,100〜4,000rpm、WLTC(一般)モード燃費は16.0km/Lです。

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レクサス NX

レクサスNXには、2.0L直噴ターボエンジンを搭載したモデルが用意されています。最高出力は175kW(238PS)/4,800〜5,600rpmで、最大トルクは350Nm(35.7kmg)/1,650〜4,000rpmとなっており、1.7tを超す車重を十分に加速させ、ゆとりのある走りを楽しむだけのパワーがあります。
JC08モード燃費は、13.0km/L(2WD)となっています。

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ランドローバー ディスカバリー スポーツ

レンジローバー ランドローバー ディスカバリー スポーツ 2018

イギリスのプレミアムブランド、ローバーのミドルクラスSUV、ディスカバリー スポーツにもダウンサイジングエンジンが搭載されています。エンジンは2.0Lターボで、最高出力は147kW(200PS)、最大トルクは320Nmとなります。

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ボルボ XC90

ボルボ XC90

ボルボのプレミアムSUV、XC90には2.0Lガソリン、ディーゼル、ハイブリッドといったパワーユニットが用意されており、2.0Lガソリンモデルには、排気量が同じながら、T5というターボモデルとT6というスーパーチャージャー+ターボというユニットがあります。
T5の最高出力は187kW(254PS)/5,500rpm、最大トルクは350Nm(35.7kgm)/1,500〜4,800rpm、JC08モード燃費は12.9km/L。T6は、最高出力235kW(320PS)/5,700rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/2,200〜5,400rpm、JC08モード燃費は12.5km/Lとなっています。

また、ディーゼルターボモデルには低回転域でのレスポンス不足を補う「パワーパルス」という技術が採用されています。これはエンジンの排気圧を利用し、あらかじめタンクに圧縮空気を入れておき、その圧縮エアをドライバーがアクセルを踏んだ瞬間にターボチャージャーに吹き付けるというものです。これにより、低回転を含む全域でトルクフルな走りが可能となります。

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ポルシェ マカン

ポルシェ マカン 2018

ポルシェのミドルサイズSUV、マカンには2.0L直列4気筒ターボエンジンが搭載され、スポーツカーメーカー、ポルシェらしい高い次元での走りをダウンサイジングターボで実現しています。
最高出力は185kW(252PS)/5,000〜6,750rpm、最大トルクは370Nm/1,600〜4,500rpm、燃費は13.0km/L(参考値)となります。

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エンジンの燃焼効率、組み付け精度、遮音性や制振性能の向上によって、小排気量ターボが高性能車、高級車でも採用されるユニットとなっています。環境性能だけでなく、エンジンの重量を減少させることができるので経済性やハンドリングの向上にも役立つ技術として注目されています。

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