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SUVの背面のスペアタイヤは、どこに行ったの?

1990年代までのSUVや4WD車のテール部分には、大きなスペアタイヤが装備されており、それがタフなイメージ作りにひと役かっていました。ところが最近では、そういった装備は減っています。SUVのスペアタイヤは、どうして車体の背面に取り付けられていたのでしょうか?なぜ消滅の危機にあるのでしょうか?

更新日2020/09/03

スペアタイヤが背面に付けられていたワケ

車体のテール部分にスペアタイヤを取り付けるスタイルは、1920年代ごろから見ることができます。

そのころヨーロッパでは、高速道路の建設計画によって、自動車での移動距離が向上したことも無関係ではないでしょう。そういったことにより車体のサイドやリアに、スペアタイヤが装備されるようになりました。

スペアタイヤを車外に装着した理由は、ラダーフレームにボディを乗せる関係上、どこにもタイヤを収めるスペースが無かったためです。

RVのルーツとなった軍用車がテールやフロントボンネット上にスペアタイヤを装備していたのも、ひとつはそれと同じ理由で、無駄なスペースが車体になかったからでした。

またラダーフレームにスペアタイヤを吊り下げると、せっかく確保した最低地上高を低めることになってしまいますし、もしも車両がスタックした場合、砂漠や泥地など不整地では車両の下に潜ることができず、スペアタイヤを取り出すことさえもできなくなります。

軍用車やRVが車体のテール部分にスペアタイヤを装備するのには、そういった合理的理由があったのです。

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なぜ、今は搭載されないの?

現在、発売されているSUVを見渡すと、テール部分にスペアタイヤを装備する車種は、片手で数えるほどしかありません。

その理由は、現在販売されている多くのSUVが街乗りを想定したクロスオーバータイプになっていることや、スペアタイヤがテンパータイヤだったり、パンク修理キットなどにとって変わられているという事情があります。

また大きなスペアタイヤを装備することは、車外であれば重量と空力の面で、車内では重量の面で燃費に有利ですし、デザインにおいても処理が難しくなります。

さらにバックドアの使い勝手や後方視界の悪化や、バックドアの取り付け強度を高めるなどの問題など、デメリットは多くあります。

そもそもクロスオーバーSUVを購入するユーザーの多くは、岩場やガレ場といったシュチエーションには足を踏み入れませんから、前述した軍用車のような理由でテール部分にスペアタイヤを背負う必要もないのです。

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現在国内で販売されている車種

三菱 パジェロ FINAL EDITION 2019

1990年代のRVブームでは、SUVはもちろんトールワゴンやミニバンでも、車体後部にスペアタイヤを装備するモデルがいくつもありました。
しかし、現在では、国内メーカーなら、スズキ ジムニー/ジムニーシエラと、まもなく販売が終わる三菱 パジェロ。その範囲を輸入車に広げても、ジープ ラングラーと、メルセデス・ベンツ Gクラスの4車種だけしかありません。

これらに共通するものは、高いオフロード性能を魅力のひとつに掲げていることと、伝統のスタイリングを継承しているということ。テール部分の大きなスペアタイヤは、いまや本格SUVのアイコンになっています。

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客観的にみればデメリットのほうが多く、新型のクルマに装備する理由がほぼないテール部分のスペアタイヤですが、それでも求める性能や伝統的スタイルなどから採用しているモデルがあります。SUVを選ぶ際に、そういったポイントに注目しても面白いかもしれませんね。

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