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SUVの開発で使われるニュルブルクリンクってどんなところ?
「ニュルブルクリンクで鍛えた足回り」といった表現を雑誌などで目にされた方も多いかと思います。高性能市販スポーツカーの開発のために、国内外問わず、さまざまなメーカーに使用されてきたニュルブルクリンクサーキットで、ここ数年、SUVの開発も行われるようになってきました。市販スポーツカーの開発に利用されてきたニュルブルクリンクを、SUVはどんな理由で利用しているのでしょうか?
更新日2019/12/13そもそもニュルブルクリンクってどんなところ?
ニュルブルクリンクは、ドイツの北西部ニュルブルクにあるサーキットの総称で、1927年に開業した全長20.832kmの”北コース”と、1984年に開業した全長5.1kmの”GPコース”があり、どちらか一方、あるいは2つを繋げて使われます。
そのうち世界最長と言われる通称ノルドシュライフェと呼ばれる北コースが、メーカー車両開発の舞台で、深い森のなかの古城を取り囲むようにレイアウトされたコースには、幅の狭い高速コーナーや超低速コーナーまである172個のコーナー、アップダウンと最大で300mもある高低差、バンピーな路面やジャンピングスポットなどなど、通常のサーキットとは異なる過酷な条件が特徴となっています。
しかも、全体の平均速度が高いうえに路面はうねって滑りやすいなど、ここでテストできないのは300㎞/hからのハードブレーキングだけと言われるほど、あらゆる条件が約20㎞に詰まっており、各メーカーはサスペンションやブレーキ性能、車両挙動を確認するため、こぞってテストカーを持ち込んでいます。
また北コースのラップタイムはスポーツカーの性能を示す指標ともなりますから、リリースされたニューモデルを走らせ、その性能を多くの人に知ってもらうという、いわば宣伝の役割も果たしています。
そんなスポーツカー開発の聖地で、近年、ちょっとした変化が起こっています。そのきっかけは、トヨタ C-HRでした。
トヨタ C-HRが、ニュルブルクリンク24時間を完走!
C-HR以前にも、数台のSUVがニュルブルクリンクを舞台に開発をする姿は目撃されていましたが、大々的にニュルブルクリンクでの開発をアピールしたのはC-HRが最初だったように思います。
それは2016年5月のことでした。トヨタは、ニュルブルクリンクで開催される24時間レースに、数カ月後の発売が決まっていた世界戦略車のC-HRをエントリーさせたのです。
その目的は、ニュルブルクリンクという過酷なサーキットで本気のレースに挑戦することで、いわば”極限でのテスト”を行うことだとしています。
その言葉を裏付けるように、エントリーしたC-HRには、レース用に車高を調整し、装備が加えられてはいたものの、ほぼ市販車プラスアルファの状態で参加しており、トヨタの新しいチャレンジがうかがえるものでした。
肝心のレースは、目まぐるしく天候が変わるなか、C-HRはほぼノントラブルで完走。総合84位、SP2Tクラス3位という結果を残しました。
【SUVだからこその絶景】スノーシューとC-HR 4WDの意外な共通点
アルファがステルヴィオのプロモーションのために本気のニュルアタック!7分51秒
イタリアのアルファロメオが、SUV市場に参入するにあたり、ステルヴィオのハイパフォーマンスモデルとなるクアドリフォリオで、ニュルの本格的なタイムアタックを敢行しました。
フェラーリ譲りと言われる2.9L V6ツインターボエンジンは、最高出力375kW(510PS)/6,500rpm、最大トルク600Nm(61.2kgm)/2,500rpmという圧倒的なパワーから、最高速度283km/h、0-100km/h加速3.8秒という、SUVらしからぬ驚異的なパフォーマンス与えています。
さらにステルヴィオ クアドリフォリオは、電子制御式4輪駆動システムによって、前後左右の駆動輪に適切なトルクを配分し、タイトコーナーやすべりやすい路面でも安定したコーナリングと高い旋回能力を実現。
同時に、ALFA アクティブサスペンションやインテグレーテッドブレーキシステムとの連携により、サスペンションやブレーキのレスポンスを最適化し、優れたドライバビリティを提供します。
その結果、2017年9月、ニュルブルクリンク北コースにて7分51秒7というタイムを記録し、その時点での量産SUV最速タイムをマークしました。
SUVは背が高くて大きくて重く、スポーツ走行には向かないという従来の常識を覆す圧倒的なパフォーマンスに、多くのクルマファンが驚いたのも無理はありません。
積極的にコーナーを攻めたくなるSUV、アルファロメオ ステルヴィオ クアドリフォリオを紹介
アウディ RS Q8が7分42秒を記録!
アルファ ステルヴィオの挑戦から2年後の2019年7月。アウディが、フラッグシップSUVとなるQ8を発表。11月20日には、Q8の高性能バージョン”RS”に追加が明らかになりました。
RSの称号を持ったQ8の4.0L V8直噴ターボエンジンは、最高出力411kW(600PS)、最大トルク800Nm/2,200~4,500rpmとアナウンスされ、0-100km/h加速は3.8秒、最高速度は250km/hで、オプションのダイナミックパッケージを選択すると305km/hまで引き上げることができるというもの。
それにマイルドハイブリッドシステムや気筒休止システムが組み合わせられ、圧倒的なパフォーマンスと高い環境性能が両立されているといいます。
その発表に先立ち、テスト車両がニュルブルクリンクを疾走する映像が公開されました。叩き出したタイムは、7分42秒2!
ポルシェの電動スポーツカー、タイカンとほぼ同じ。シビックRSよりも1秒以上も早いという恐るべきタイムは、SUVが性能競争に突入したことを示す驚きのパフォーマンスと言えるでしょう。
ニュルブルクリンクは、さまざまな車両の開発を行う舞台として、これまで多くの歴史を刻んできました。これからはスポーツSUVが走る姿を目撃することが多くなりそうですね。