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逆ロール?メルセデス・ベンツ GLE クーペ 400d 4MATICに搭載される新開発サスペンションとは?
クルマの乗り心地を大きく左右するサスペンションシステム。より快適で安全な、高い姿勢制御を保つため、自動車メーカーは多くのコストと技術を投入してきました。今回紹介するメルセデス・ベンツ(以下 メルセデス)のE-アクティブ・ボディ・コントロールは、安定した姿勢制御を保つ高性能なサスペンションシステムです。本記事では日本未導入のこの最新技術に迫ります。
更新日2020/01/15コーナリング中、車体が逆に向く?その仕組みとは?
2019年11月にヨーロッパでの受注を開始した、メルセデスの新型GLE クーペ 400d 4MATICには、新開発のアクティブサスペンション、E-アクティブ・ボディ・コントロールが採用されています。
このサスペンションはメルセデスのエアサスペンション AIRMATICと油圧アクチュエーターの組み合わせにより、各車輪ごとにかかるサスペンションの負荷と減衰力を個別に制御し、その負荷にかかわりなく一定の車高や姿勢制御を可能にするシステムです。
システムを作動させる油圧アクチュエーターは、GLE クーペに搭載される48Vのマイルドハイブリッドシステムの電気を動力源としており、ステレオカメラによってスキャンされた路面の凹凸の情報を基に、システムがサスペンションとダンパーを個別に作動させ、路面のうねりにかかわらず車体を一定の高さに保つことができます。
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Eアクティブ・ボディ・コントロールとアクティブ・ボディ・コントロールはどう違う?
メルセデスのアクティブサスペンションは、1999年登場のメルセデス・ベンツCL(C215・2代目)に初めて搭載されました。このシステムは、金属バネとアキュームレータ(蓄圧機)の組み合わせによって作動するものでした。
その後2013年に登場したメルセデスのフラッグシップモデル、Sクラスには、マジックボディコントロールが搭載されました。これは、金属バネとハイドロニューマチック、可変ダンパーの組み合わせによるシステムですが、車両に搭載されるステレオカメラによって路面の状況を検知し、その情報と各種センサーの情報を併せて、各車輪の油圧制御とダンピング制御を行っているところが画期的でした。
現在のメルセデスのラインアップでは、この技術をエアサスペンションとの組み合わせでも実現しており、さらにフラットな乗り心地や細かな姿勢制御に適応しています。これが、メルセデスのアクティブ・ボディ・コントロール技術の基本となっているシステムです。
では、最新のE-アクティブ・ボディ・コントロールとアクティブ・ボディ・コントロールの違いは何でしょうか?
大きな違いは、E-アクティブ・ボディ・コントロールは48Vの電気システムを動力源とし、各車輪に一つずつオイルポンプを備え、ダンパーピストンのストローク量までコントロールするという技術が採用されていることです。
どんなメリットがある?
従来のアクティブ・ボディ・コントロールではエアサスペンションの空気を制御することでコントロールを行なっていましたが、E-アクティブ・ボディ・コントロールはダンパーそのものでも車高調整が可能になり、さらに細かな姿勢制御と減衰力調整が可能になっています。つまり、エアサスペンションの動きにさらにアクティブな動きを生成することができ、車体へのサポートをより積極的に行うことができます。
これにより、ブレーキ時のダイブダウンや急加速時のピッチングがさらに抑えられるようになりました。しかも路面のうねりを受け止めたダンパーシステムがエネルギーを回収し、以前のシステムに比べると約半分の動力で作動できるというメリットもあります。
さらに、カーブ傾斜機能も搭載されています。これは3段階のコーナリングモードを選択することで、ほとんど姿勢変化のないフラットな走行や、コーナーの内側に積極的に車体を傾ける、いわば逆ロールのような状態を作り出してアグレッシブなコーナリングを楽しむことができます。
E-アクティブ・ボディ・コントロールは、特にSUVであるGLE クーペで威力を発揮します。悪路を走破する際には車高を上げて走破性を高めることができるのはもちろんのこと、ひどいうねりの路面を走行する時でも安定した姿勢制御を保つことができますから、長時間のドライブでも疲れにくく快適です。さらに、砂地のような柔らかい路面でスタックした際には、ロッキングモードで車体を上下に揺らし、脱出しやすくさせることも可能です。
現在のところは、残念ながらE-アクティブ・ボディ・コントロールは日本での設定がありません。決して安価なオプションではありませんが、その高い性能を考えると、高級プレミアムSUVにとって価値ある装備の一つになるに違いありません。日本での導入が待ち遠しいですね。