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クロカン四駆が鉄チンホイールを好むワケ

現在は、ほとんどのクルマがアルミホイールを装着していますが、1970年代以前は鉄チンホイール(スチールホイール)が主流でした。ところが、いまでもスチールホイールを好んで装着するユーザーがいます。特にクロカン四駆での装着例が多いように思えます。彼らが、あえて鉄チンホイールをチョイスする理由とは、どんなところにあるのでしょうか。

更新日2020/03/03

いまやアルミホイールが主流

ダイハツ ロッキーアルミニウムなどの軽合金が鉄よりも軽量の素材であることは、1900年代初めごろには知られており、フランスのブガッティが1920年代にタイプ35に装着したのが最初と言われています。しかし、コストや技術的な問題から自動車用ホイールの素材として普及するのは、1955年まで待たなければなりませんでした。

その年、イギリスの名門、ジャガーがレーシングカーのDタイプにアルミホイールを装着し、圧倒的なパフォーマンスで優勝。他の新技術とともに、アルミ(軽合金)ホイールがいちやく注目を集め、1960年代には軽合金ホイールが他のレーシングカーにも一気に普及しました。

当時は、製造技術が進歩していた時代でもありましたから、市販スポーツカーにアルミホイールが採用されるまで時間はかかりませんでした。

アルミホイールは現在、さまざまなデザインのものが販売されており、車両デザインの一部として重要なパーツであることとその機能性により、軽自動車から大型のバス・トラックにいたるまで、アルミホイールが主流となっています。

それなのに、一部では技術的に古いスチールホイールを好むユーザーがいるのは、どうしてなんでしょう。

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アルミとスチール、それぞれのホイールの特徴

カイエン S クーペ 2019アルミホイールとは、アルミ合金製のホイールのことです。アルミ合金は鉄よりも軽いため、ホイールそのものの重量を軽くすることができるというメリットがあります。

「バネ下重量(サスペンションのスプリングから下の部分の重量)1kgの軽量化は、バネ上(シャシーやボディのこと)10kg分の軽量化に匹敵する」とも言われており、軽量ホイールの装着はそれだけハンドリングや燃費の向上に貢献します。

とはいえ、アルミ合金で自動車用ホイールとしての十分な強度と軽さを確保するためには、多くの材料を使わなければならず、安価なアルミホイールではスチールホイールと大差ない、むしろ重くなるくらいの製品も存在します。

しかしアルミホイールには、大きなメリットがあります。鉄と比べて成型が簡単なアルミは、さまざまなデザインを可能とします。アルミホイールの魅力は、このデザイン性の高さにあると言っても良いでしょう。

 

一方、スチールホイールはアルミに比べて材料が安いため、安価に製造できるというメリットがあります。

またスチールホイールの特性として、破壊抵抗性に優れるというものがあります。これは金属の特性上の話ですが、たとえば走行中にホイールが強い衝撃を振動を受けた場合、アルミホイールでは割れたりヒビが入ってしまうようなこともありますが、スチールホイールはしなやかに衝撃を受け止めることができ、めったに割れるようなことがありません。この点でスチールホイールは、耐久性にも優れていることがわかります。

デメリットとしては、スチールはアルミに比べて加工がしにくいため、デザイン性がほとんどないことと、重くて錆びやすいということが挙げられます。

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クロカンにはスチールホイールが適している

スズキ ジムニー 2018

アルミホイールとスチールホイールのそれぞれのメリット・デメリットを考えると、クロカン四駆の使用状況によっては、スチールホイールのほうが適していると言えるでしょう。

クロカン四駆は、普通乗用車よりも大きなサイズのタイヤを履きます。サイズが大きく、かつ適切な強度を取るとなると、アルミホイールでも軽量化にあまり効果がないことは前述したとおりです。

また大きな岩や障害物、段差を乗り越えるなど、ホイールに衝撃を受けるような走行が多いことを考えると、破壊抵抗性に優れたスチールホイールのほうが、万がいちの場合でも走行を続けることができます。

また一般的な乗用車のほとんどがアルミホイールで、デザイン性が優先されているなか、スチールホイールのシンプルで昔と変わらないデザインは、クロカン四駆のキャラクターにも合っており、特にストイックな本格オフローダーに乗る場合、スチールホイールをあえて選択というアピールの仕方は大いにアリなのです。

トヨタ ランドクルーザー プラド現在では新車時からアルミホイールを装着している乗用車がほとんどですが、なかにはスチールホイールを装着している車種もあります。SUVでは、たとえばスズキ ジムニーやハスラー、三菱 RVR、日産 ジュークやエクストレイル、ホンダ ヴェゼルのベーシックグレードなどがそれです。コスト削減という狙いがあっての装着ですが、あえてスチールホイールの機能性と希少性に注目して履く、というのも面白いと思います。

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