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新型ハスラーに採用されたスズキの注目技術
スズキのクロスオーバーSUVであるハスラーが、2020年1月に新型へとフルモデルチェンジしました。先代モデルと比較しても、デザイン上はキープコンセプトで大きな変化はそれほどないように感じますが、室内空間の拡大やメカニズムの改良で、ハスラーの魅力をさらに引き上げる内容となっています。今回は、新型ハスラーに採用された新しい技術に注目し、どんなところが変わったのかを解説いたします。
更新日2020/03/06ハーテクトとは?
HEARTECT(以下ハーテクト)とは、スズキ自動車が近年採用する、軽量高剛性の新型プラットフォームの名称です。
プラットフォームとは、クルマのシャーシとも呼ばれる骨格部分のこと。フロアパネルやキャビネット部分のことを指して言いますが、プラットフォームは車種ごとに異なるものを作るのではなく、さまざまな車種やクラスを超えて共有、しかも長い期間使用されることがほとんどです。
もっとも基本的な部分になるため、その剛性や重量がクルマの性能に影響し、最終的にはハンドリングやパフォーマンス、燃費となって現れる大切なパーツです。
この基本の骨格がしっかりと作られていれば、エンジンやサスペンション、ボディ、装備品などを変更するだけで何世代にも渡って使い続けることができ、コスト削減に役立ちます。
「昔のクルマは軽かった」としばしば言われますが、近年の技術革新や新素材使用によって作られるプラットフォームは、軽量かつ高剛性で、装備品や数々の安全機能を備えた現代のクルマでも、軽量に造ることが可能となっています。
スズキのハーテクトは、屈曲した骨格を最短距離でなめらかにつなぐことで、合理的でシンプルな形状にしているのが特徴です。
またサスペンション部品を骨格の一部として利用したり、骨格同士が結合する強い部分そのものを部品の固定のベースとして利用したりすることで、余分な補強部材を削減しています。
こうした合理的で無駄のない設計により、ボディ剛性を向上させながら、軽量化を図ることに成功しています。
金属を接着する技術
しっかりした走りとハンドリングに欠かせない要素として、重要なのがボディ全体の剛性です。剛性を高くすればボディが歪まず、走行安定性は高まります。
そのボディ剛性を上げるためには、使用する鋼材を厚くするか、強度の高い素材を使用するという方法があります。しかし鋼材を厚くしてしまうと車重が増加してしまいますし、鋼材強度の高い材料ではコストが高くなったり、加工が難しくて設計の自由度が低くなってしまうという欠点があります。
通常、金属同士を接合させるためにはスポット(点)溶接が用いられますが、部品と部品の間のわずかな隙間を構造用の接着剤で埋めることで、ボディ全体の一体感を向上させることが可能となり、車重を増加させることなく剛性を高め、ハンドリングと乗り心地を実現させることができます。
接着剤は、経年劣化や環境変化に弱く、自動車のように過酷な条件で使用されるのは難しいとされてきましたが、技術の進歩によって、構造用接着剤が使えるようになりました。
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ルーフパネルとメンバー接合に高減衰マスチックシーラーなど不快な音や振動を抑える技術
新型ハスラーは、先代モデルよりスクエアなスタイリングになり、より面が大きくなりました。面が大きくなるとそれだけボリューム感のある外観にはなりますが、外板の細かな振動による車内のこもり音や、ルーフに落ちる雨音などが大きく感じられるようになり、車内での快適性に影響をもたらします。
新型ハスラーでは、ルーフパネルとメンバー(骨組)接合部に、高減衰マスチックシーラーと呼ばれる弾性接着剤を注入し、ルーフパネルの共振周波数をコントロールして、こもり音や雨音の低減を図っています。
さらに吸音性能に優れた成形天井の採用や、遮音バッフル、ダッシュインナー/アウターサイレンサー、フードサイレンサー、一体成型カーペット、フェンダー内遮音壁など、数々の防音、振動対策が施されています。これにより、60km/h走行時の前席会話明瞭度は、従来モデルより7.7%向上しました。
ハスラーらしさはそのままに、新技術の投入でより快適に、より優れたハンドリング性能を手に入れ、さらに魅力的なモデルへと進化した新型ハスラー。デザイン面や室内空間の広さなど、目に見えてわかるところだけでなく、中身が大幅に変わっているのも注目したいポイントですね。