プロモーション

愛らしい生きる化石?ロシア製、ラーダ4×4は健在です

ラーダ ニーヴァは、現行名ラーダ4×4で、旧ソ連時代に生まれたコンパクトなクロスカントリーモデルです。1980~1990年代はパリ・ダカールに参戦したこともあって、フランスを中心にけっこう人気がありました。現在でもオリジナルのスタイリングを維持したモデルが健在。オフロード性能の高さ、愛らしいスタイリング、珍しさから日本のマニアにも支持されています。 ※画像はラーダのプレスリリースのものです。

更新日2020/05/26

1977年に旧ソ連で生まれたクロカンモデル


1977年に旧ソ連のアフトワズ(アフトヴァースなどの表記もあります)社が誕生させたのが、ラーダ ニーヴァ(LADA niva/VAZ-2121)です。

ラーダはアフトワズ社の乗用車ブランドで、同社はもともとイタリアのフィアット社と協力関係にあって、フィアット124のライセンス生産車が旧ソ連内で大ヒットしました。その124のライセンス生産車をベースに開発された4WDモデルが、ニーヴァでした。

市販化にあたり、エンジンをオリジナルの1.6L 直列4気筒に変更するとともに、ボディ、サスペンションを新設計、クロスカントリーモデルとしてロックもできるセンターデフ付きフルタイム4WD、2速副変速機など最新の装備を施します。

当時、低価格、小型乗用車サイズのコンパクトさがウケて、西側ヨーロッパでも人気が高まりました。こうしたフルタイム4WDは、サイズが大きく高価なレンジローバーぐらいしかなかったからです。

その後、ニーヴァは改良を重ねていきますが、スタイリングも含めて大きな変更はなく継続されていきます。

いっぽう本体のアウトワズ社は、2002年にGMと合弁し、GM-アフトワズ(GM-AvtoVAZ)を設立し、シボレー・ニーヴァなどを生産します。が、経営不振で、2008年からルノーが株取得を始め、その後ラーダはルノーグループのブランドになっています。と同時にアウトワズ社は、GM-アフロワズ社のGM株を買い、GMの資本は完全に消滅しています。

なので、現在のラーダは、ロシア製でプーチン大統領肝いりのメーカーとなっています。

スバルの大型3列シート SUVはどんな車?日本展開はありえない?!

 

クラシックなスタイルが魅力

ラーダ ニーヴァラーダのラインアップには、乗用車や現代的なクロスオーバーSUVもありますが、やっぱり気になるのは、現存するラーダ4×4でしょう。2020年6月現時点で、日本での正規代理店はなく、一部の並行輸入業者によって販売されています。

スタリングは、40年以上基本的に変わっていません。全体は角が丸いスクエアデザインで、丸目のヘッドライトの上にウィンカーを配置するのは旧ラーダ ニーヴァと同じです。

モノコックボディで、サイズは標準仕様3ドア(4人乗り)が、全長3,740mm×全幅1,680mm×全高1,640mm、最低地上高200mm。5ドア標準仕様(5人乗り)は、全長が4,240mmとなります。

ラーダ ニーヴァ ブロント3ドアのオフロードカスタム版と言えるラーダ4×4 BRONTOは、235/75R15(しかもアルミホイール!)という大径ワイドなタイヤ、オーバーフェンダーなどもあって、全幅1,713mm×全高1,740mm、最低地上高240mmになっています。この数値は、ジムニー シエラとほぼ同じサイズです。

メカニズムで重要なのは、初代から採用されているフルタイム4WDシステムです。フルタイム4WDなのでセンターデフを持ち、センターデフロックも装備していました。

さらにトランスファーは2速の副変速機付きです。フルタイム4WDは現在なら当たり前ですが、1977年当時は画期的でした。さらにラーダ4×4 BRONTOには、前後デフにLSD(スクリュータイプ=ウォームギアのトルセンLSDの一種)を標準装備します。

ラーダ ニーヴァ室内のコンソールにはシフト、2速副変速機シフト、センターデフロックと3本の長短レバーがあり、これだけでもかなり良い雰囲気です。トランスミッションは5MTのみです。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーンで、リアがリジッドアクスル。ラーダ4×4 BRONTOは、サスペンションをストロークアップさせ、強化スプリングを装着し、リアアクスルも強化タイプになっています。

エンジンは、自然吸気ガソリンの1.7L直4 電子燃料噴射。最高出力61kW(83PS)/5,000rpm、最大トルク129Nm/4,000rpm。最高速は137~142㎞、0-100㎞/hは17~18秒。そういうクルマではないのは承知ですが、舗装路での速さは望めません。

昔のラーダ ニーヴァと一番違うのは、インテリアです。当時は、ムダが一切ない軍用車という感じでしたが、現行モデルは立派な内装もあって、一部のグレードにはエアコン、シートヒーター、油圧パワステを装備。ロード&エンジンノイズも低減されています。

ただし、標準仕様はいまだにヒーターとファンだけで、パワステもなしです。驚くでしょう?ここらが「生きた化石」と言われる所以です。


ですが、ここまで長寿で、しかもオフロード性能が高いコンパクトなクロカンモデルは世界でも貴重な存在です。パリ・ダカールにも1979年第1回から参戦し、1982年3位、1982、1983年2位、1986年4位(このときの1-2位はポルシェ959で3位は三菱パジェロ)と大健闘。

総合優勝を狙った1987、1988年は、ルマン24時間6勝、パリダカ1983年優勝のジャッキー・イクスを走らせました。

本社ではなくフランスのインポーターPOCHからエントリーしたラーダ ニーヴァは、外観こそラーダ ニーヴァでしたが、エンジンはレースで有名なROC製の2.5L 直4 DOHC16バルブで、最高出力280PS以上、最高速200㎞/hという砂漠の小さなモンスターでした。

横転もあり、結果を残すことは叶いませんでした(1988年38位)が、イクスとラーダの雄姿は伝説になり、パリダカ仕様はいまでもマニアには憧れの存在です。ちなみに、この2年間のライバルはプジョー205 T16/405 T16でした。

日本でも乗りたい!すこし気になる輸入SUV5選

 

懐かしさ、珍しさ、いまのクルマが忘れた質素さ、コンパクトさ、そしてなによりオフロードモデルの伝統を守っていることは、ラーダ4×4の大きな魅力です。「生きる化石」でいいのです。もう、こんなクルマ、他にはないのですから。ただし所有するには、ちょっとした覚悟は必要ですけどね。

P.S.
1980年代、真冬のパリをラーダ ニーヴァで走ったときは、物凄く寒くて、石畳からの振動でもガタガタしながら、でも楽しかったことを覚えています。現代の日本の大都会でも、あの楽しさを味わえたら…そんな魅力を持ったクルマです。

日本でも発売?トヨタの新しい3列シート7/8人乗りSUV「ハイランダー」

SUV在庫台数日本一を誇るSUVLANDで中古情報をチェック!