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トヨタ ヤリスクロスのライバルは?BセグメントのSUV5選
2020年4月に、トヨタから新型コンパクトSUV「ヤリスクロス」が発表されました。日本はもちろんヨーロッパでも人気のコンパクトクロスオーバーSUV市場に投入されるヤリスクロスは、さらなる人気の起爆剤となるのではないかと注目されています。ここでは、ヤリスクロスの主戦場となるヨーロッパ市場でのライバルを紹介しましょう。 (文:立花 義人)
更新日2020/06/12ヨーロッパでの市場拡大を狙う、ヤリスクロス
ヤリスクロスはまさにヨーロッパでの市場を意識して開発されており、全長4,180mm×全幅1,765mm×全高1,560mm、ホイールベースは2,560mmというボディサイズがそれを裏付けています。
ライズとC-HRの中間のサイズで、いわゆる欧州Bセグメントに属します。ヨーロッパでは道路脇にスキマなくびっしり駐車するのが普通ですから、これくらいのサイズが取り回しも良く、非常に使いやすいのです。
パワートレインは、1.5L 直列3気筒ガソリンと1.5L+モーターのハイブリッドという2種類。日本での価格は、C-HRの236万7000円〜299万5000円よりも低い200〜270万円程度ではないかと予想されています。
ヤリスという名前が付いているものの、コンパクトカーのヤリスにパーツを付けただけの、いわゆるSUV風モデルではなく、ヨーロッパ市場を強く意識した塊感のある専用デザインから、トヨタの力の入れようが伺えます。そんなヤリスクロスが発売されると、以下のようなライバルとしのぎを削ることになります。
洗練されたデザインと豊富なパワーユニットが魅力のルノー キャプチャー
2019年のヨーロッパにおける小型クロスオーバーSUVのなかで、もっとも売れたモデルがルノー キャプチャーです。その数は、22万4,890台というものでした。
エクステリア(外装)は、クリオ(ルーテシア)に似たダイナミックな印象のフロントマスクに、力強く動きのあるサイドビューと印象的なコンビネーションランプによって、サイズ以上に存在感のあるフォルムになっています。
ヨーロッパでは、2019年にモデルチェンジが行われており、メカニズムの刷新とエモーショナルなデザイン、質感が向上した内装などが多くの人に受け入れられた結果となりました。新しく用意されたパワートレインは、1.0L、1.3Lターボ、1.5Lディーゼル、1.6Lハイブリッドの4つ。
イタリアでの新車価格は17,900ユーロ(日本円で約208万円)〜と、買いやすい価格設定であるのも売れている理由のひとつでしょう。日本ではまだ先代モデルが販売されていますから、早期導入を期待したいところです。
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デザインのうまさと堅実な作りこみで根強い人気のVW T-Roc(ティーロック)
VWラインアップのなかで日本未導入の小型クロスオーバーSUVがT-Rocです。ゴルフをベースとしたT-Rocは、日本に導入されたT-クロスよりも若干大きなサイズで、パワートレインは1.0L、1.5L、2.0Lという排気量の異なるガソリンターボと、1.6Lと2.0Lディーゼルターボが用意されています。
2017年のデビューながら、ヨーロッパの同カテゴリー内において、2019年は3番目に売れたモデルとなっているほか、2020年1月〜3月にかぎれば同カテゴリーでもっとも売れている人気モデルです。VWの堅実な作りこみと先進性、計算し尽くされたカッコいいデザインなどが評価されているようです。
見た目だけじゃない!?中身もしっかりSUV、シトロエン C3 エアクロス SUV
独創的なデザインとポップなカラーリングで個性を主張するシトロエン C3 エアクロス(AIRCROSS) SUV。2018年、2019年ともに10万台以上を売り上げる人気車種です。
イタリアでの価格は13,950ユーロ(日本円で約162万円)〜とお得な設定でありながら、ヒルディセントコントロールやグリップコントロールといったSUVに求められる性能と、スライド/折りたたみ可能な後席による使い勝手の良い室内空間がきちんと備わっているのも人気のポイントでしょう。
伝統のデザインテイストが色褪せないフィアット 500X
FCAの都会派コンパクトSUV、フィアット 500X。2015年デビューながら、2018年にコンパクトクラスのトップ10入りをはたすなど堅調な売り上げを記録しているモデルです。
その魅力は、ヌォーヴァチンクエチェントをモチーフにしたエクステリアデザインと、日本仕様にはない、スポーツ、ラウンジ、アーバンなど、ユーザーの好みに合わせたタイプが存在することです。
同じプラットフォームを共有する兄弟車のジープ レネゲードとともに、それぞれ個性の違いをうまく表現しながら、都会派クロスオーバーとして市場を盛り上げています。
今年は巻き返しなるか!?新型 日産 ジューク
日本では残念ながら2019年で生産終了となった日産 ジュークですが、ヨーロッパでは2019年9月に新型モデルが登場しました。
デビュー翌月の10月の販売台数は897台、11月1,286台、12月3,423台、2020年1月は5,387台、2月4,391台、3月5,169台というデータですが、3月は前年同月が10,496台でしたので、思ったより販売数が伸びていないという状況です。これは、新型コロナウイルスの感染拡大により新車販売が激減していることが影響していると思われます。
バンパー部分に埋め込まれた丸型のヘッドライトが印象的な個性的なデザインはそのままに、先進の安全装備やプロパイロットが魅力です。日本での導入がないのは寂しいところですが、ヨーロッパでの活躍に期待したいですね。
コンパクトクロスオーバーSUVは、ヨーロッパにおいてコンパクトカークラスに次ぐ市場規模となっており、2020年にはコンパクトカークラスを抜くほどの勢いがあると言われており、まだ市場の拡大は続きそうです。その激戦区で、ヤリスクロスはトヨタ躍進の起爆剤となれるのでしょうか?
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■立花 義人
イタリア在住のフリーライター。建設・設備・自動車関連企業でエンジニアとしての経験を積んだ後、2018年にイタリアへの移住を決意。日本とヨーロッパを行き来する中で、クルマ事情について肌で感じたことも含め、分かりやすくタメになる情報を発信することがモットー。趣味は料理、ドライブ、食べ歩き。