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えぇ意外!いすゞがSUVを作っていた!渋い「ビークロス」
トラックメーカーのいすゞがSUVを作っていたことを知っていますか?いすゞは日本市場からは2002年以降、乗用車部門からは撤退しましたが、それまではSUVやセダンやハッチバックモデルも造る総合自動車メーカーでした。現在でも海外ではSUVやピックアップトラックを販売していますが、日本国内ではトラックのみとなっています。そんないすゞから発売されていたSUVはビッグホーン、ウィザード、ミューが有名ですが、それ以外にも変わり種としてビークロスがあります。今思うと、いすゞは時代を先取りしたSUVの総合メーカーと言えるかもしれないですね。
更新日2019/04/04そもそもビークロスって?
ビークロスは1993年の東京モーターショーにコンセプトカーとして登場しました。コンセプトとしては、海外の悪路を走破出来る全天候型スポーツカーでした。その後1997年にビッグホーンのショートボディをベースとし、装いも新たにビークロスという名前でデビューします。
ボディ形状は丸みを帯びており、スペアタイヤはバックドアに内蔵される形となっていて、ボディ下半分は黒塗装が施されたかなり近未来的で前衛的なデザインのSUVでした。
リアウインドウを小さくデザインしたため、後ろが見づらかったため当時としてはまだ珍しかったバックカメラの設定がありました。今振り返るとビークロスのデザインは現代においても十分に通用しそうです。
ディーゼルエンジンで定評のあったいすゞですが、ビークロスはガソリンモデルのみの設定でした。このことからもやはりスポーツSUVというコンセプトだったということが解ります。当時は現在と違い、スポーツグレードにディーゼルエンジンを積むという発想はあまりありませんでしたので…。
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ガソリンエンジンのスペックは?
3.2リッターV6DOHCエンジン、最大出力215ps、最大トルク29.0kgm参考までにボディサイズは、全長×全幅×全高mm、4130×1790×1710となります。幅が大きなわりに、長さが4.1メーターですから、非常にずんぐりとしたまさにラリーカーのような形ですね。
全長が短いため、後部座席の広さはあまり期待できるものではありませんでした。そういう意味でも、スペシャリティSUVという言い方がしっくりくるかもしれないですね。
ビークロス自体、販売台数をそこまで見込んでいるモデルではなかったようですが、特殊なデザイン、2ドアモデルのみ、乗り心地がかなり硬かった、ということがあり、見込んでいた販売台数よりもさらに少ない販売台数となりました。
販売台数不振により1999年に惜しまれつつ撤退してしまいます。たった2年間の生産モデル。日本国内で販売された台数はおよそ1700台と言われています。生産終了から時間が経っているのと、総生産台数が1700台と少ないので、今見かけることはかなり難しいと思います。
しかし日本以外ではかなりの人気があり、北米では2002年まで販売が続けられました。正規販売されていないロシアでも人気があったそうです。そのロシアには、どのようなルートで車が持ち込まれていたのかは不明ですが…。
東京モーターショーのコンセプトカーから誕生した、いすゞ ビークロス
時代を先取りしすぎたビークロス、コンセプトカーがそのまま市販車になったような変わった形のモデルでしたが、スペシャリティSUVなどが流行っている現在にデビューしていたのであれば、もっと注目を浴びていたのかもしれません。
生まれてくる時期を間違えたかもしれない「いすゞ ビークロス」。もし中古車で見つけて、購入したとするのなら、注目を浴びること間違いないですね。