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クラス一級品を誇るトヨタラッシュの走りの秘訣は「縦置きエンジン」にあり！

ダイハツからのOEMという形で販売され、知名度はあまり高くはなかったトヨタラッシュ。2016年3月には販売終了してしまいましたが、実はその走りはかなりのポテンシャルが秘められていたのです。

更新日2019/07/10

コンパクトSUVではありますが…

トヨタラッシュは現在の自動車のカテゴリーではコンパクトSUVに属するサイズ・キャラクターですが、登場時はまだまだSUVという言葉も定着しておらず、「小さなRV」といった認識でした。

RVは大きい方が良いとされていただけに、コンパクトなラッシュはあまり注目されていませんでしたが、実はラッシュは直列4気筒のエンジンを縦置きにしています。

これはまさに「本物志向」といって良いでしょう。外見だけSUVテイストで中身は普通…というモデルも増えていますが、ラッシュに関しては外見の可愛らしさからは想像出来ない程、本格的な走りを楽しめるモデルだったのです。

なぜ縦置きエンジンだと本格的なのか。

昨今、国内で主流のFFは基本的にはエンジンは横置きです。横置きにするとドライブトレーンの長さが均等になり、トルクステアを防止出来るというメリットがあるのですが、縦置きの場合、エンジンという重い物が縦に置かれていますので、重心が横置きとは異なります。

重心の微妙な違いは走りにも影響。

縦に置くと重心がかかる面積が狭くなるため、均等に重心がかかる横置きよりも走行時に重心が移動しやすいのです。

この重心移動が走行性に寄与し、加速を生んだりハンドル操作でも楽しさが出たりといったメリットをもたらすのです。

ラッシュのエンジンのスペックもチェックしておきましょう。

最大出力：109ps(80kw)/6,000rpm
最大トルク：14.4kgm/4,400rpm

数字だけを見るとさほど高くは感じないかもしれませんが、車重が1,160kg～1,200kgです。決して重くはありませんので、この出力でも何ら不便は感じません。

5ナンバーサイズのおかげで取り回しも良いため、近所への買い物や送迎でも活躍してくれるでしょう。走りはもちろん、汎用的な活躍が期待出来るモデルでもあります。

ラッシュが輝くのはやはり積雪や豪雪時です。

ラッシュは積雪・豪雪時での走行性でいえば国産車でもトップクラスです。地上高が高く設定されているので多少雪が積もっていても扉の開閉に支障をきたしませんし、積もった雪が車の下部に接触するおかげで進まなくなるリスクも軽減出来ます。

また、4WDであれば積雪・豪雪時の坂道もしっかりと登れます。FFではどうしてもタイヤが空転してしまい、登れなくなるような坂道でも4WDの押し出し感とグリップで雪の坂道も問題ないでしょう。

これだけのポテンシャルを誇りつつも生産終了となってしまったラッシュ。今からでも…と思ったら中古車市場をチェックしてみるのも良いかもしれませんね。