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ハイラックスについているリーフ式サスペンションが普通のクルマと違うわけとは?

2017年に国内市場に復活した、トヨタ ハイラックスは、ピックアップトラックという、現在の日本ではあまり馴染みのないスタイルのクルマです。ピックアップトラックといえば、頑丈なラダーフレーム構造がよく取り上げられますが、多くの重い荷物を積載するためのリアサスもポイントです。今回は、リアサスの要となるリーフスプリングについて解説していきます。

更新日2021/01/07

ハイラックスのシャシーとサスペンション

トヨタ ハイラックス 2017

ハイラックスのようなピックアップトラックは、悪路走破性や耐久性の高い車体を、比較的安価で作らなければなりません。

そのため、耐久性に優れたラダーフレームを基本に車両が設計されています。その強固なシャシーフレームに組み合わされる足回りは、フロントに独立懸架のダブルウィッシュボーン式、リアはリーフスプリング式リジッドとなっています。

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積載性を高めるリーフスプリング

トヨタ ハイラックス 2017

フロントに使用されているダブルウィッシュボーン式は、乗り心地と走行安定性の高さを求められるセダンやスポーツカーにも採用される形式であり、それらを高次元で両立することを狙っているサスペンションです。

そして、リアに採用されているリーフスプリング式リジッドは、耐久性が高いサスペンション形式です。

ダンプカーやトラックの後輪に採用されるサスペンション形式であり、リーフスプリングは複数枚の長さの異なる板バネを重ね、一番長い親バネをシャシーに直接取り付けています。

半月上にたわむ板バネの中心部分にショックアブソーバーを付け、ショックアブソーバーで減衰しますが、板バネ自体にも減衰効果があるので、ショックアブソーバーの負担は軽くなります。
またコイルスプリングに比べ、重荷に耐える力を圧倒的に高くできます。

しかしデメリットもあり、荷台の荷重を想定したバネレートのため、乗り心地が硬く、突き上げも大きく感じます。もちろん、各メーカーで対策はしていますが、リーフスプリング特有の現象のため、覚悟が必要です。

 

乗用車からの乗り換えは注意

前後コイルスプリングを使い、リアにそれほど重い荷物を積載することがない乗用車との乗り心地の違いは明らかで、ハイラックスへの乗り換えは覚悟が必要です。かならず試乗して、前席・後席の乗り心地を確認してください。

トラックを運転するとわかりますが、トラックの乗り心地は積載物があるときよりも、空荷のときのほうが悪くなります。これは、サスペンションセッティングが積載時の重量を想定しているためで、ハイラックスの場合、荷室に相当の重さの物を積むことは少ないと思いますので、空荷の状態での乗り心地確認は必須です。

ただし、昔クロカンSUVに乗っていた方には懐かしい乗り心地に感じられるかもしれません。大きく誇張するほど乗り心地が悪いわけではありませんが、乗用車ライクなSUVが多い中、ピックアップトラックSUVを選ぶというメリットとデメリットは理解して選びましょう。

ピックアップトラックのハイラックスに乗用車的な乗り心地を期待していると違和感を感じますが、それも個性と感じることができれば、それは問題になりません。それよりも、圧倒的な積載能力は、ピックアップトラックだからこその魅力。その特性を理解して使い倒せば、新しいクルマの楽しみ方が見てきますよ。

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