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SUVの重量は軽い方がいいの?重い方がいいの?
クルマは軽い方がパフォーマンスに優れていると聞いたことがあるかもしれません。しかし、SUVに関してはどうなのでしょうか。本格的なクロカン4WDの中には重量級もありますが、その方が走破性は高いのでしょうか?本記事では、SUVと車重の関係について取り上げ、それぞれのメリットについて解説いたします。
更新日2019/11/26車重が軽い方が、悪路や舗装路の走破性はよくなる
物体は慣性の法則に支配されていますから、止まっているものは他からの力がなければ止まり続けますし、動いているものはその力の方向に動き続けようとします。慣性の力は物体が重くなればなるほど強くなりますから、重いクルマであれば相対的に、加速しにくく、曲がりにくく、止まりにくくなります。逆に言えば、軽いクルマは相対的に素早く加速し、止まり、曲がることができるということです。
SUVに関しても、軽さによるメリットは感じやすくなります。特にオンロードを走る場合、車重の軽いコンパクトなモデルは、エンジンパワーが小さくても走りが軽快です。SUVは乗用車に比べて重心が高くなりますし、大径タイヤを装着していることが多いので、車重が与える恩恵は受けやすいと言えるでしょう。
では、悪路を走破する場合はどうなのでしょうか?イメージとして、車重が大きい=大径で幅広のタイヤを履いたSUVの方が接地面積も多くなり、グリップを確保しやすくなるのではないか、と考える方がいるかもしれません。しかしタイヤは細身の方が接地面が縦長になるため、凸凹の多い岩場やモーグル路面などで、車両の進行方向に対する感覚をつかみやすくなります。また転がり抵抗も小さくなるため、舗装路での走破性も高くなります。
たとえばスズキ ジムニーのような軽量で本格的なクロカン4WDは、車重の重いモデルよりも、オフロード走行時に車両の感覚や、路面のインフォメーションを捕らえやすくなります。やわらかい路面やふかふかの新雪でも、車重の軽いジムニーはスリップしても埋まりにくいというメリットもあります。また大きな障害物を超える際に与える惰性も小さくて済みますし、ほとんど速度を出さない極低速域でのオフロード走行ですから、燃費面でも有利に働きます。
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車重が重いのは悪ではない?剛性や装備の充実さも重要
SUVでも車重が軽い方がメリットは大きいように見えますが、どんな点でもそうであるとは言い切れません。
重量級の高級な本格4WDは、シャシー性能や悪路走破を高めるための装備に関して、コスト面での制約が少なくなるため、性能面で優れているというメリットがあります。
たとえば本格4WDの代表モデル、トヨタ ランドクルーザーには、オフロード走行時にトラクションやブレーキを最適に制御して4WD性能を高めるシステム、マルチテレインセレクトが装備されています。これは、インパネにあるモードセレクタースイッチで、5つのモード(ROCK/ROCK&DIRT/MOGUL/LOOSE ROCK/MUD&SAND)の中から路面状況に適したものを選択することで、各モードに応じてブレーキを油圧制御し、駆動力を4輪に最適に分配するものです。
さらに走行状況や使用状況に応じて車高やショックアブソーバーの減衰力を自在に調整する4輪アクティブ・ハイト・コントロール・サスペンション(グレード別装備)&アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システムなど、オフロード性能だけでなく舗装路面で、快適で高級感のある乗り心地が味わえる装備が搭載されています。
ランドクルーザーは、快適でありながらタフな走りの要求にもしっかり答えてくれる先進装備に加え、内装も豪華で高級車そのものの雰囲気に包まれています。これらの装備によって車重は2,690kg(ZX)にも達しますが、それを支えるためのシャシーは、鉄板に厚みを加えることで堅牢な構造になっており、結果的にどんな走行シーンでもどっしりとした乗り味を味わうことができますし、万が一の際の乗員の命を守るという安全性にもつながります。これは重量級SUV独特のメリットとも言えます。
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それぞれにはそれぞれのメリットデメリットが存在する
車重が軽いSUVは、電子制御システムに頼らなくても悪路走破性という面ではメリットがあることを取り上げました。とはいえ重量の軽いSUVだからといって、すべてのモデルがオフロード走行に適しているとは限りません。オンロードをメインにした、アーバンユースのコンパクトSUVも存在します。もちろん、そうしたモデルにはワインディングでの軽快な走りや出足の良さ、優れた経済性という大きなメリットがあります。
一方で重量級のSUVには、どっしりとした安定感のある走りを味わえることや、先進的な電子制御4WDシステムによってあらゆる路面状況でも安心して走れる性能が備わっていること、多人数乗車時での快適性や安全性といった面などで優れていると言えます。
車重が軽いか重いかだけでSUVの良し悪しを判断することは難しく、どちらも一長一短あるということです。
車重の軽いSUVと重いSUVとでは、その乗り味に大きな違いがあります。この乗り味についてはドライバーの好みもありますし、普段どのくらいの人数で乗るのか、オフロード走行をどの程度行うか、またコスト面なども考慮に入れて選ぶ必要があります。